6月7日

大丈夫?家族から見た“働き方”

最近よく聞く「働き方改革」。長時間労働の改善や女性が活躍しやすい職場作りなど話題になってますよね。実際には進んでるのでしょうか?あさイチでアンケート調査したところ6,000を超える声が届きました。そこには、「仕事量が変わらないのに、早く帰れと言われても無理!」「結局、タイムカードを切ってから残業する羽目に・・・」など不満の声があふれていました。そこで、あさイチでは、働き過ぎの夫を心配する妻たちを徹底取材。長時間労働の何が問題なのか、家族へどんな影響を及ぼすのかなど、生活者目線での本音ベースの話を伺いました。長時間労働を極力防ぎ、「過労死」を招かないためのチェックポイントや、家族を早く帰る気持ちにさせるためのアイデアなど、具体的な方法についても考えました。

進む働き方改革・・・でも現実は?

専業主婦のゆかりさん(仮名)の夫(30代)はメーカーに勤めて15年の中堅社員。消費者対応の責任者として働いてきました。会社では、働き方改革が進められ、勤務時間の短縮などに取り組んでいますが、実際には、長時間労働が続いていると言います。会社に認められる残業時間は月40時間ですが、休日出勤も多く、実際は140時間を超えると言います。お客の問い合わせにはスピード対応がモットーのため、深夜や休日でもしばしば会社から電話がかかってきて、出勤を余儀なくされることも日常茶飯事です。また、血圧が180を超えたり、湿疹が全身に出るなどの体調不良も出ています。

妻が実践!夫を早く会社から帰すための方法

都内に住む坪井萌さん(32)は、帰る時間が夜10時~12時を行ったり来たりしていた夫を、ある工夫によって9時台にまで早めることに成功しました。使ったのは、スマホ。ラインで薬局やスーパーで買い物をするように頼むことで、その閉店時間までに帰ってくるように促したり、生まれたばかりの子どもの動画を送ることで、早く帰りたいと思わせたり。でも、よくよく夫に聞いてみると、最も効果があったのは、「疲れた!もう疲れた!」というストレートなメッセージでした。保育士として働きながら、育児家事を続け、限界に来たときに送ったものです。このメッセージを見たとき、夫はなにも考えずにすぐ帰ったと言います。

働くことで最悪の事態を招いてはいけない

おととし、大手広告会社の新入社員だった髙橋まつりさんが、24歳の若さでみずから命を絶ちました。国は会社に対して強制捜査に乗り出し、働き方のあり方を世に問いかけました。母の幸美さんは、自分の意思ではない死を選んでしまうことが、身近で起こりうることを思ってもみなかったといいます。娘を亡くして1年半、母の幸美さんは「働くことによって最悪の事態を招いてはいけない」と強く訴えています。

なぜ?夫が過労で死に至ってしまったのか

「過労死」を防ぐために、家族に何ができるのか。6年前に過労で夫を亡くした女性が「同じ思いを誰にもさせたくない」と取材に協力してくれました。
最初に夫に異変があったのは亡くなる5年前。深夜に帰宅すると、疲れ果ててテーブルに突っ伏すようになっていました。そのころ、会社でグループリーダーを任され、長時間労働に加え、精神的な負担も増えていました。休みの日には、無表情でぼーっとするようにもなっていました。病院でうつの診断をされますが、薬を飲むことで症状をやわらげながら仕事を続けていたといいます。しかし、東日本大震災を機に、仕事が輪をかけて忙しくなったことで、睡眠時間は毎日3、4時間に。さらに仕事のシフトが変わったことで、家族との休みが合わず、コミュニケーションをとる機会も減っていました。それから3か月後、夫は心疾患で帰らぬ人となりました。女性は今、「自分に過労死の知識があれば、夫の死を防げたのではないか」と悔やみ続けています。

過労死を防ぐために家族ができること

過労による症状に詳しい山田琢之医師(愛知医科大学客員教授)によると、家族が気づける過労死のサインとして、以下の要注意ポイントを挙げています。(1)口数が減り、見るからに疲れていること。(2)怒りっぽくてイライラしていること。(3)趣味や楽しみをしなくなってしまっていること。(4)寝たいのに1か月程度睡眠時間5時間未満が続いていること。さらに、(5)理由もなく涙を浮かべていたり、(6)「自分はいなくなった方がいい」「死にたい」というようになると、精神科の受診を勧めた方がよいそうです。

過重労働・過労死で悩んだときには

「過労死110番」
電話:03-3813-6999
受付:平日 午前10時~午後5時(午前12時~午後1時除く)

また、6月17日(土)には、以下の特別電話相談窓口が開設されます。
「過労死110番」全国一斉電話相談
電話:東京窓口 0120-777-657
受付:午前10時~午後3時

専門家ゲスト:川人博さん(弁護士)、寺西笑子さん(全国過労死を考える会代表世話人)
ゲスト:石田ひかりさん、くわばたりえさん
リポーター:瀬田宙大アナウンサー