9月27日

発達障害(3)どう乗り越える?コミュニケーションの困りごと

発達障害について考えるとき、周囲の人も本人も困りごととして挙げるのが「コミュニケーションの困難さ」。周囲の人が「困った人」という目を向けてしまう一方、本人も周囲に合わせられない自分を責め、どうしたらいいか分からず悩んでいるという実態があります。
すれ違う理由は、お互いのコミュニケーションにおける“流儀”の違いや、表出する言葉や行動の裏にある“理由”にまで思いが至らないこと。お互いの考え方をスイッチしたり、流儀を共有したりすることで、伝わらない苦しさから脱することができる。当事者と周囲、それぞれが抱く誤解を解き、楽しみながらコミュニケーションがとれるヒントを、ある家族の実践からお伝えしました。

「?」な行動には理由があった!

沖縄県に住む平岡さん一家は、父親を除いた家族全員が発達障害。8年前に家族の発達障害が判明するまでは、父の禎之さんは、家族との間で会話がかみ合わないことや、急にスイッチが入ったように怒り出したりする態度の変化に疑問を感じるばかりで、一人悩んでいました。
しかし発達障害が原因と分かると、感覚の過敏性によって外出するだけで大きなストレスを受けていたこと、作業途中で声をかけると混乱しやすいことなど、実は家族が「困っていた」ことが分かり、声かけなどに工夫の余地が見つかります。そうしてお互いに違いを話合い、対処法を見つけていくと、家族のズレは少しずつ解消されていきました。

周囲への伝え方

4年前、禎之さんは結婚して別の家庭を持つ長女のために、長女自身の特性と、困りごとを解決する方法を書いた「説明書」を作りました。まぶしいのが苦手、騒音が苦手などといった、五感の感じ方に関する過敏性や、帰宅後の30分は疲労からパニックになりやすいためにトラブルが起こりやすい「魔の時間帯」であることなどが書かれていて、新たな家庭での生活に役立っていると言います。発達障害の特性で、時間の感覚がない長女。作業に没頭しすぎてしまっているときには、周囲の人がアラームをかけたり、もう休んだら?と声をかけたりするなどの対処をしています。

会話のキャッチボールが進むカードゲーム

発達障害の人が「コミュニケーションが苦手」とされる理由には「自分がどのタイミングでしゃべればいいか分からない」ことだったり、「みんなが話しているテーマとは関係ない話題で口をはさんでしまう」ことがあります。その苦手を取り除いて、コミュニケーションをうまく進めることができるというカードゲームを紹介。ポイントは、カードの一枚一枚にかかれている質問について、カードを引いた人が「話す」、答えたくない質問のときは「パスできる」、そして、周囲の人は「聞く」という3つのルールを守って行うこと。「話せた」「聞いてもらえた」というコミュニケーションの成功体験を積むことで、自分の気持ちが話せるようになる実践の様子などについてお伝えしました。

専門家ゲスト:岡田俊さん(名古屋大学医学部附属病院 准教授)
ゲスト:浜島直子さん、栗原類さん
リポーター:瀬田宙大アナウンサー