10月31日

スゴ技Q 知って得する!オリーブオイルの底力

今回のテーマは家庭でもすっかりおなじみとなった「オリーブオイル」。いつもの使い方を少し工夫するだけで、オリーブオイルの「味」や「香り」を最大限に生かすことができるんです。使うタイミングや温度を変えて簡単にプロの味に近づく技や、「味」や「香り」を楽しむための意外な「ちょいがけ」技など、おなじみのオリーブオイルをより使いこなすスゴ技満載で、お伝えしました。

オリーブオイルの味わいが変わる サラダの使い方

NHKネットクラブアンケートによると、オリーブオイルをドレッシングとしてサラダにかける人は、全体の半数近くいらっしゃいました。一般的にはオリーブオイルに酢と塩を混ぜて、ドレッシングを作ってから、サラダなどにかけるという方が多いのでしょうが、今回紹介したのは、オイルと塩だけを使い、オリーブオイル独特の風味を生かす技。イタリア食材の輸入卸業を営む加藤昭広さんが、トマトとモッツァレラチーズを使ったイタリアの定番サラダ「カプレーゼ」を例に教えてくださいました。ポイントは、オリーブオイルと塩をかける順番にありました。
トマトのように肉厚な食材は、先に塩を振り、その後オリーブオイルを全体に回しかけます。その後10分間おくと食べ頃。塩によって引き出された食材のうまみがオリーブオイルとなじみ、一体感のある絶妙な味に仕上がります。
トマトなどの肉厚な野菜と葉物野菜を合わせたサラダの場合は、さらに一工夫。
肉厚な野菜と葉物野菜は、それぞれ別に下ごしらえするのがポイント。オリーブオイルをかける順番を変え、最後に合わせることで、食材それぞれの特徴を引き立たせます。
トマトなどの肉厚な野菜は、カプレーゼの作り方と同様、先に塩を振ってから、オリーブオイルをかけ、あえます。葉物野菜など水分が出やすく、塩を振るとすぐにしんなりするものは、オリーブオイルのみをかけ、全体をコーティング。最後に、それぞれを混ぜ合わせ、お好みで塩をかけて味を調えれば、できあがり。ひと手間ですが、具材によってオリーブオイルと塩をかける順番を変えることで、いつものサラダが、グンッとおいしく仕上がります。

取材協力:加藤昭広さん(オリーブオイル輸入卸業者)

カプレーゼ

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トマトとサニーレタスのオリーブオイルサラダ

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オリーブオイルちょいがけ 香りを生かす食材の温度

オリーブオイルの香りをもっと楽しむためにオススメしたのは「そば」。
洋風のオリーブオイルと、和風のそばは、意外な組み合わせかもしれませんが、オリーブオイルのさわやかな香りとそばの穀物臭は相性バツグンなんです。
実際に、オリーブオイルをかけて食べるそばをお店でも提供しているという、そば店店主の山根健司さんに、それぞれの香りを最大限味わう技を教えていただきました。
ポイントは、ズバリ、そばの“温度”。ゆであがったそばを、水をはったボウルでサッと洗い、人肌より少し冷たい温度にします。その上に、たっぷりのオリーブオイルをまわしかけ、お好みで塩を振って食べるのです。
オリーブオイル鑑定士の長友姫世さんによると、オリーブオイルは人肌よりも冷たい28度前後から香りの特徴を感じやすくなります。また空気とともに“すする”ことで、より香りを感じやすくなるそうです。
スタジオでは、温度によってかけ方を工夫し香りを立たせる、その他の「ちょいがけ」技も紹介しました。おでんや湯豆腐などの温かい料理は、香りを逃がさないよう、取り皿によそってから食べる直前にかけるのがオススメです。

取材協力:山根健司さん(そば店店主)、長友姫世さん(オリーブオイル鑑定士)

オリーブオイルの香りを生かした加熱調理方法

オリーブオイルの香りを楽しむことができる加熱調理法を教えてくれたのは、イタリア料理店シェフの石神治さん。石神さんがオススメするオリーブオイルの香りを生かす方法は2つ。調理の最後に回しかける方法「追いオイル」、そして香りをしっかり閉じ込めて「包む」という方法です。
まず石神さんが紹介してくれたのは、「追いオイル」を使ったほうれんそうの炒めもの。はじめに使う炒め油は、サラダ油でOK。にんにくをきつね色になるまで炒めてオイルに香りを移したら、その他の食材を炒めます。オリーブオイルは火を止めてから全体に回しかけます。これが、「追いオイル」。こうすることで、香り引き立つ一品に仕上がります。
そして、香りを閉じ込める「包む」技の正体は、ホイル包み焼き。オリーブオイルを塗ったアルミホイルに食材をのせ、その上からオリーブオイルをまわしかけたら、包んで蒸し焼きにするだけで、オリーブオイルの香りを逃すことなく、調理することができます。味わい、香りともに豊かに仕上げるコツは2つ。魚介やトマトなどうまみの強い食材を選ぶことと、具材を小さく切り加熱時間を短くすること。アルミホイルを開けた瞬間に、ふわっとオリーブオイルの香りがたちのぼり、オイルと食材のうまみがこん然一体となった見た目も豪華な一品に仕上がります。

取材協力:石神治さん(イタリア料理店シェフ)

ほうれんそうのソテー

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ホイルの包み焼き

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動脈硬化に役立つ!トースト×オリーブオイル

大手の料理レシピサービスでも人気の、“オリーブオイルとトースト”の組み合わせ。調理化学に詳しい佐藤秀美さんいわく、オリーブオイルが食パンのでんぷん質による血糖値の上昇をゆるやかにしてくれるので、オススメの組み合わせなんだとか。今回は、数あるオリーブオイルとトーストの組み合わせのアレンジレシピの中から、健康維持に役立つ食材の人気のレシピを、佐藤さんが、料理レシピサービスで編集を務める藤池瞳さんと紹介してくださいました。
オリーブオイルを塗ったトーストにのせるのは、ヘルシー志向の女性に人気の「チーズ&ごま&はちみつ」。そしてビタミンCたっぷり、見た目も香りもさわやかな「キウイフルーツ&はちみつ」、朝食からカルシウムがバッチリとれる「しらす&チーズ&こしょう」の3種。
中でも佐藤さんが特にオススメするのは、オリーブオイルに「黒ごま」を組み合わせたもの。佐藤さんによると、オリーブオイルと黒ごまの組み合わせは、悪玉(LDL)コレステロールを酸化させず、体内にとりこまないようにする働きが期待できるため、動脈硬化の予防につながるそうなんです。ごまは、すりごまや練りごまを使うことで、より効果を期待することができます。

取材協力:藤池瞳さん(大手レシピサービスニュース 編集室)、佐藤秀美さん(日本獣医生命科学大学 客員教授)

オリーブオイルの特徴

オリーブオイルは、原産国やオリーブの実の摘む時期の違いによってさまざまな種類のものがあります。都内にあるオリーブオイル専門店でも、オリーブオイルやフレーバーオイルを合わせると取り扱っているものは、なんと約30種類。それぞれに味わいが違い、それに合わせるオススメの料理も異なるそう。もちろん専門店だけでなくスーパーマーケットでも、さまざまな種類のものが取り扱われています。
そこで、オリーブオイル鑑定士の長友姫世さんに、原料となるオリーブの収穫時期の違いによる味の差や、選び方の目安を教えていただきました。
オリーブオイルの特徴でもある、苦みや辛みが強いものは、ラベルに「早摘み」「スパイシー」「ストロング」といった表記がされていることが多く、肉料理に向きます。一方、まろやかな風味のものは「熟成」「ドルチェ」「マイルド」「ライト」と表現され、香りや味が主張しすぎない分どんな料理にも使いやすく、素材本来の持ち味を大切にする和食とも相性が良いそうです。

取材協力:永島れおなさん(オリーブオイル専門店)、長友姫世さん(オリーブオイル鑑定士)

オリーブオイルの香りを長持ちさせる方法

オリーブオイルの保存方法について教えてくれたのは、油が劣化するメカニズムに詳しい原節子さん。そもそも、オリーブオイルの「味」と「香り」は、油の酸化によって劣化していきます。その酸化を早めてしまうのは「高温」と「光」です。そのため、高温で光が当たるコンロ周りにオリーブオイルを置いておくのは間違い。低温で光が当たらない場所が保存に最適なんです。
原さんが特にオススメする保管場所は、なんと冷蔵庫。冷蔵庫は低温で、かつ光が当たらない場所なので、オリーブオイルの保存に適した場所だと言います。冷えて白く固まってしまうこともありますが、室温で溶かせば、香りや味に影響はありません。冷蔵庫の中でも、比較的温度の高い野菜室やドアポケットに入れれば、急激に固まることもありません。

取材協力:原節子さん(成蹊大学 理工学部 教授)

専門家ゲスト:佐藤秀美さん(日本獣医生命大学 客員教授)、長友姫世(オリーブオイル鑑定士)
ゲスト:松本穂香さん(俳優)、鈴木浩介さん(俳優)
プレゼンター:副島淳さん(タレント)