11月13日

すべて性ホルモンのせいだった!~女性ホルモン編~

シリーズ「性ホルモン」、1回目は「女性ホルモン」をテーマにお伝えしました。前半では、大豆イソフラボンに関する新事実や、ニオイを防ぐトイレでの拭き方を紹介。後半は、女性ホルモン減少によって起こるホットフラッシュやめまい、不眠などの更年期症状について、治療法を中心に詳しくお伝えしました。

大豆イソフラボン 3人に1人は効果なし!

大豆食品には良質なたんぱく質や食物繊維などさまざまな栄養素が含まれていますが、そのひとつが「大豆イソフラボン」。女性ホルモンのような働きをするとされていますが、日本人女性のおよそ3人に1人しか、そのような働きはしていないことがわかりました。大豆イソフラボンが大腸で「エクオール」という成分に変わることで、女性ホルモンのような働きをするのですが、多様な腸内細菌が活発に動いている人でないとエクオールは作れません。自分の体がエクオールをどの程度作れているかは、民間の検査会社が行っている尿検査で調べることができます(およそ4,000円)。
※取材協力:吉形玲美さん(婦人科専門医 医学博士)

下着が臭う原因は「尿漏れ」ではなく「尿の拭き残し」

更年期になると「下着が臭う」と悩んでいる女性が少なくありません。原因は「尿漏れ」と思っている人が多いようですが、実は、尿がきちんと拭き取れていない場合がほとんどです。女性ホルモンの分泌が減ると尿道周りの粘膜の表面の層が薄くなるため、尿の拭き残しがあると、アンモニアが粘膜に入り込みやすくなります。その結果、炎症が起き、悪臭がしてしまうのです。
※取材協力:中田真木さん(産婦人科医)

排尿後の正しい拭き方

尿をきちんと拭き取るには「前から後ろにこする」のではなく、「下からじっと押し当てる」ことが大切です。押し当てる時間は5~10秒ほど。さらに、薄いトイレットペーパーの場合、水分を含むと小さなくずが出やすく、それが尿道や膣(ちつ)の中に入りこんで炎症が悪化し、頻尿や尿漏れの原因になります。温水洗浄式トイレ用の紙や使わなくなった下着を使うのがオススメです。

洋式トイレの正しい座り方

洋式トイレの座り方もニオイの原因になります。足をピタッと閉じたまま排尿すると、尿がまっすぐ落ちずに外陰部にたまってしまうことがあります。それが膣の中に入り込んで炎症を引き起こし、ニオイの原因になるのです。尿をまっすぐ出すためには、「大きく股を開いて前傾姿勢」で排尿することが大切です。

50以上ある更年期症状

個人差はありますが、40歳を過ぎると卵巣機能が低下し、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が減少していきます。その結果、めまいやイライラ、頭痛、不眠、ホットフラッシュ(汗)、ほてりなど、女性それぞれにさまざまな更年期症状が現れます。

◆NPO法人「女性の健康とメノポーズ協会」の無料相談電話
電話:03-3351-8001
(ただし火曜日・木曜日の午前10時30分~午後4時30分)

更年期症状 自己チェック

  1. 顔がほてる
    強10点 中6点 弱3点 なし0点
  2. 汗をかきやすい
    強10点 中6点 弱3点 なし0点
  3. 腰や手足が冷えやすい
    強14点 中9点 弱5点 なし0点
  4. 息切れ、どうきがする
    強12点 中8点 弱4点 なし0点
  5. 寝つきが悪い、または眠りが浅い
    強14点 中9点 弱5点 なし0点
  6. 怒りやすく、すぐイライラする
    強12点 中8点 弱4点 なし0点
  7. くよくよしたり、憂うつになることがある
    強7点 中5点 弱3点 なし0点
  8. 頭痛、めまい、吐き気がよくある
    強7点 中5点 弱3点 なし0点
  9. 疲れやすい
    強7点 中4点 弱2点 なし0点
  10. 肩こり、頭痛、手足の痛みがある
    強7点 中5点 弱3点 なし0点

0~25点:上手に更年期を過ごしています。これまでの生活態度を続けていいでしょう。

26~50点:食事や運動などに注意を払い、生活様式などにも無理をしないようにしましょう。

51~65点:医師の診察を受け、生活指導、カウンセリング、薬物療法を受けた方がいいいでしょう。

66~80点:長期間(半年以上)の計画的な治療が必要でしょう。

81~100点:各科の精密検査を受け、更年期障害のみである場合は、専門医での長期的な対応が必要でしょう。

※あくまでも目安ですので、ひとつでも気になる症状があれば婦人科に相談してください。

更年期障害の治療法

更年期障害の治療法には、ホルモン補充療法(HRT)と漢方薬による治療があります。また、ホルモン補充療法と漢方薬を併用することもできます。症状や体質、ライフスタイルに合わせて、医師と相談して決めてください。

ホルモン補充療法(HRT)

のみ薬・はり薬・ぬり薬があり、ライフスタイルに合わせて選ぶことができます。ホルモン補充療法は以前、乳がんのリスクが上がると言われていましたが、その後さまざまな研究が行われ、最新の産科婦人科学会のガイドラインでは、乳がんリスクに及ぼす女性ホルモン剤の影響は小さく、世界的な見解としても問題ないとされています。ただし、乳がん治療中の人や血栓の既往歴がある人は、ホルモン補充療法を行うことができません。

漢方薬

漢方薬はホルモン補充療法ができない人はもちろん、冷えの強い人、イライラ・やる気が出ないなど精神的な症状のある人などに効果的です。一般的に1か月ほどで効果がみられますが、1か月たっても改善されない場合はその薬が合っていない可能性がありますので、医師に相談してください。
※取材協力:岡村麻子さん(産婦人科 漢方専門医)

最新!膣(ちつ)レーザー治療

更年期になると、「下着がすれて痛い」「性交痛がする」など、人には言えず悩んでいる人もいます。これは、女性ホルモンの分泌が減少し、粘膜が薄くなることが考えられます。これを治す最新の治療法が「膣・外陰レーザー療法」です。膣に金属製の機器を入れ、炭酸ガスを噴射します。すると、コラーゲンが生成されて血流がよくなり、粘膜がふっくらと厚みのある状態に戻ります。保険適用はなく、現在のところ、1回3万円~8万円で行っている病院が多いそうです。

専門家ゲスト:吉野一枝さん(産婦人科医)
ゲスト:生田智子さん、大林素子さん
リポーター:有働由美子アナウンサー