12月4日

はやく気づいて!のどの“老化”

40代から始まるという“のどの衰え”について特集しました。「むせる」「せき込む」「飲みづらい・・・」など違和感のメカニズムや、衰えを食い止めるためのトレーニング法などについて、スタジオに専門医を招いて教えてもらいました。

のどの違和感 その正体は?

「薬が飲みづらい」「食べ物をむせるようになった」など、のどに違和感がある女性を取材。「飲み込む動作」の訓練が必要な患者を診る、「嚥下(えんげ)トレーニング外来」担当の浦長瀬さんのもとを訪ねました。40歳前後から飲み込むための筋力が衰え始め、飲み物や食べ物が、空気のとおり道である「気管」へと入ってしまう「誤えん」のリスクにつながると言います。衰えが進み、誤えんを繰り返すようになると「誤えん性肺炎」を引き起こす可能性が高まります。しかも、この筋力の低下は徐々に起こるため、自分では気づきにくいと言います。

●取材協力:浦長瀬昌宏さん(神鋼記念病院 耳鼻咽喉科)

飲み込む筋力 どう鍛える?

ボイストレーナーとして活動する傍ら、「のどトレ」教室を開いている玉澤明人さんに、飲み込む筋肉のトレーニング法を教わりました。

  1. のどの動きの目安となる「のどぼとけ」の位置を確認
  2. 指で「のどぼとけ」に軽く触れながら、水を一口ふくむ
  3. 飲み込んだ瞬間に力を入れてストップ。のどぼとけが上がった状態で力を入れ続ける
    →止める時間はまずは3秒、その後5秒、10秒と少しずつ伸ばす
  4. 1日5秒×6回程度行う

※食前にやると飲み込む筋肉が疲労し、かえって誤えんが起きる可能性があるため、食後にやるようにしてください。
また食事中に行うと、食べ物を誤えんしやすいので避けてください。

●取材協力:玉澤明人さん(一般社団法人 嚥下トレーニング協会)

気づかずに繰り返す・・・誤えん性肺炎

毎年およそ8万人の高齢者が亡くなる「誤えん性肺炎」。呼吸器内科医の大谷義夫さんによると、高齢者は「免疫力」が低下するため高熱などの症状が出ず、肺炎を起こしていることに気づかないケースが多いといいます。また、誤えん性肺炎の原因となるのは、雑菌を含んだ「だ液」である場合が多く、寝ている間に、知らずに誤えんしてしまうといいます。
その原因のひとつが、40~50代から起き始める「ラクナ梗塞」と呼ばれる小さな脳梗塞。日常生活にはほとんど支障はありませんが、「せき反射」をコントロールする脳の部分にできると、気管に異物が入っても、吐き出すことができず、誤えんしてしまうというんです。

●取材協力:大谷義夫さん(池袋大谷クリニック 呼吸器内科)

「せき反射」が低下した場合・・・誤えん性肺炎 どう防ぐ?

大谷さんに、40代から始めたい誤えん性肺炎の予防法を教わりました。

せき反射を促す

葉酸をとることで、せき反射を促す物質が体内で作られます。
大谷さんのおすすめは、葉酸が豊富な「ブロッコリースーパースプラウト」のスムージー。

口内の雑菌を減らす

歯磨きで口の中を清潔にし、だ液に含まれる雑菌の量を減らせば、誤えんをしても肺炎のリスクが下がります。1日4回(毎食後と就寝前)、1回5分の歯みがきを心がけてください。

大谷流「誤えん予防スムージー」

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女性の声の変化 原因は「女性ホルモン」

声がかすれる、低くなった、出づらい・・・といった40代女性の「声のお悩み」。
「音声外来」を担当する、耳鼻咽喉科医の中村一博さんによると、「女性ホルモン」の低下により、声帯の粘膜の潤いが失われるため、声の「つや」がなくなるといいます。
また「声帯を閉じる」「声帯を伸ばす」ための筋力が低下し、声がかすれたり、高い声が出づらくなってきます。
声帯を閉じる筋肉を鍛えるための、イスを使った体操を紹介しました。

  1. イスに姿勢よく座る
  2. 座面をしっかり握る
  3. 座面を持ち上げるように腕に力を入れ、同時に「んっ」といきんで短く声を出す
  4. 10回1セット、1日5~10セット

●取材協力:中村一博さん(戸田中央総合病院 耳鼻咽喉科)

専門家ゲスト:浦長瀬昌宏さん(耳鼻咽喉科医)、大谷義夫さん(呼吸器内科医)、中村一博さん(耳鼻咽喉科医)
ゲスト:羽田美智子さん、川平慈英さん
リポーター:佐藤俊吉アナウンサー