12月5日

スゴ技Q ミラクル栄養UP術

毎日の食生活で、よかれと思ってしている食品の保存法や調理法が、実は間違っていたとしたら?せっかくの食材の栄養を、むだにしているとしたら?
保存・調理法を誤解している人、実は結構多いんです。たとえば冷蔵庫。野菜を冷蔵庫のどこに、どう保存するか、これを間違えるとビタミンCがむだに失われてしまいます。栄養を保つために最も効果的な保存法とは?
さらに、栄養効果を最大限に引き出す野菜の切り方や、女性に不足しがちなカルシウムを増やす調味料の使い方、美肌効果につながる栄養をアップさせるトマトの食べ方まで、ちょっとした工夫で栄養効果を上げる技をご紹介しました。

葉物野菜の保存方法

買ってきて使わずに保存していると、すぐにしなびてしまう水菜やほうれんそう、小松菜などの葉物野菜。そんな葉物野菜の鮮度を保ち、できるだけビタミンCを保つ方法を、調理科学が専門の佐藤秀美さんに教えていただきました。佐藤さんによると、まず冷蔵庫のどこに保存するかがポイントだと言うのですが・・・。
NHKスタジオパークを訪れた方にふだんどこに入れているかきくと、すべての方が野菜室と回答。そりゃそうですよね、「野菜室」ですから。でも佐藤さんによると、葉物野菜は「冷蔵室」に入れるのがいちばんいいんだそうです。
実は葉物野菜は温度が低ければ低いほど、ビタミンCを失わないんです。しかし、実は冷蔵庫の中でいちばん温度が高いのが野菜室。逆にチルド室は、メーカーにもよりますが、ー1度から2度くらいと、保存中に凍ったり溶けたりしてしまう温度のため、細胞が壊れ、栄養が流れ出ていってしまうことがあります。そのため、冷蔵室がいちばんいいんだそうです。それも、冷蔵室の下のほうが冷気がたまって低い温度になるため、冷蔵室のいちばん下の段に保存するのがおススメです。
さらに、野菜は呼吸をするとどんどん自身の栄養を使ってしまうので、呼吸を押さえるように袋などに入れて空気を抜き、封をすることも大事なんだそう。
ほかにも、花が咲く前の「つぼみ」の野菜であるブロッコリーや、もやしなどの「芽」の野菜は、野菜自体の呼吸が激しいので、これも冷蔵室の下の段に保存がおススメです。一方で、トマトやナスなど、「実」や「根」の野菜の多くは、それほど呼吸が激しくないので野菜室などに保存するのでOKです。

取材協力:佐藤秀美さん(日本獣医生命科学大学客員教授)

疲労回復効果をアップさせる食べ合わせ

最近お疲れの方に疲労回復効果をアップさせるレシピについて、大学病院で管理栄養士をしている赤石定典さんにうかがいました。まず、食材としては豚肉とタマネギの組み合わせがよく、豚肉には疲労回復効果のあるビタミンB1が豊富なのですが、これがタマネギに含まれる物質を合わさると、より吸収があがるとのことでした。
さらに、その疲労回復効果アップをはかるためには、タマネギの切り方がポイントになるんだとか。それは、タマネギをできる限り微塵(みじん)切りなど細かく切ること。こうすると、タマネギの細胞壁が壊れ、中からビタミンB1の吸収をあげてくれる物質がたくさん出てくるんです。
また、タマネギ博士こと西村弘行さんによると、調理するときにもポイントがあるんだとか。一般的にカレーなどを作るときには、タマネギだけを先に火にかけますが、これは疲労回復効果を狙う上では損な作り方。というのも、タマネギに含まれるビタミンB1の吸収を上げてくれる物質は、熱に弱いんです。なので、豚肉と一緒に合わせて中火で炒めるのがおススメ。この物質は、ひとたび豚肉のB1と結びつくと、今度は熱に強くなるので大丈夫なんだそうです。お疲れのときは、豚肉と、たくさん刻んだタマネギを一緒に火にかけるのが◎です。

取材協力:赤石定典さん(管理栄養士 東京慈恵会医科大病院 栄養部)、西村弘行さん(北翔大学 学長)

カルシウムを増やす調味料

忘年会シーズンの到来でお酒を飲む機会も増えるのではないでしょうか?そんな方におススメなのが、二日酔い解消効果があるといわれるオルニチンが豊富な「しじみ汁」です。オルニチンをさらにアップさせるには、しじみを冷凍することがポイント。貝料理専門店の延田さんによると、冷凍しじみを調理する場合は、沸騰した湯から煮ることがおいしく食べるコツなんだそうです。
さて、そのしじみ汁ですが、実はある調味料を入れてから煮ると、今度は女性に不足しがちなカルシウムの摂取量も増やすことができるんです。お酢博士研究47年の小泉さんによると、酸っぱさを感じないくらいの量、一人分で水1カップに対し酢小さじ1と2分の1を入れてからしじみを8分煮たところ、お酢を入れなかった場合に比べ、なんと3倍以上のカルシウムがとれたそうなんです。というのもお酢を使うと、貝殻からカルシウムが溶け出すんです。ただし、お酢の入れすぎにはご注意くださいね。
また、しじみ以外にも、あさりなどの貝類や、骨付き肉などでも、お酢を使うと貝殻や骨からカルシウムが溶け出てきます。

取材協力:延田然圭さん(貝料理専門店 店主)、小泉幸道さん(東京農業大学 名誉教授)

トマトの栄養をしっかりとるには

トマトを中心に扱う都内の青果店を訪ねました。店主の関川さんは、その甘みを強く感じてもらうため、まだ青さの残るトマトは、お店で熟させるなどの工夫を行っていました。実はこれ、美肌につながる栄養、リコペンを増やすスゴ技でもあるんです。赤くなればなるほどリコペンが増えている証拠。そうして増えたリコペンをあますところなくとるコツは、油と一緒にとること。オリーブオイルやマヨネーズといった油や、牛乳やヨーグルト、チーズなどの油を含む乳製品と一緒にとると吸収がよくなります。リコペンや、トマトに豊富なβカロテンはともに脂溶性の栄養なので、油と一緒にとると効率よくとることができるんです。

取材協力:関川里美さん(青果店店主)

専門家ゲスト:佐藤秀美さん(日本獣医生命科学大学客員教授)
ゲスト:六角精児さん(俳優)、徳永えりさん(俳優)