3月19日

受動喫煙 こんなに深刻だった!

他人のタバコの煙を吸い込む「受動喫煙」。それが健康に悪いことは広く知られていますが、思った以上に深刻な影響があることが分かってきました。最新の研究結果をもとに、厚生労働省が2年前に発表した報告書「喫煙と健康」によると、推計で年間1万5千人の人が受動喫煙によって亡くなっているというのです。タバコには7千種類もの化学物質が含まれており、受動喫煙をきっかけにアレルギーを発症する人も相次ぐなど、健康影響は多岐にわたっています。あさイチでは、知られざる受動喫煙の実態と、被害を防ぐにはどうすればいいのかを専門家とともに考えました。

「煙がなくても」受動喫煙

喫煙者がはき出す息を分析したところ、喫煙後の4分間にわたり発がん物質が基準を超えていたほか、一酸化炭素は30分にわたり検出されました。そのため、その息を吸い込めば、受動喫煙していることになるのです。専門家の大和浩さんによると、これは加熱式タバコでも起こり得ると言います。
また、タバコのにおいがついた服に顔を近づけ、化学物質を吸い込んでしまうのも受動喫煙です。こうした、煙を直接吸っていないのに受動喫煙を起こすことを「三次喫煙」といい、最近そのリスクが注目されています。

実験協力:暮らしの科学研究所

ある日突然・・・受動喫煙症とは

職場での受動喫煙をきっかけに、化学物質過敏症を発症した女性を取材しました。
受動喫煙が元でアレルギーを起こすことを「受動喫煙症」と呼び、日本禁煙学会が独自の診断基準を設けています。タバコに含まれるどの化学物質に反応するかはわからず、健康な人でもある日突然発症する恐れがあります。根本的な治療法はありません。
日本禁煙学会の認定については、学会のホームページに掲載されています。

「日本禁煙学会」
ホームページ:http://www.jstc.or.jp/

見過ごせない 子どもの受動喫煙

受動喫煙で見過ごせないのが、子どもへの影響です。ぜんそくや乳幼児突然死症候群は因果関係が「確実」、中耳炎やむし歯は「ほぼ確実」とされています。埼玉県熊谷市では、10年前から市内の小学4年生を対象に尿検査を行い、受動喫煙の実態を調べています。特に数値の高い子どもに関しては、保護者に対し注意を促す文書を送っています。調査を始めてから、保護者の喫煙率は少しずつ低下しています。

受動喫煙対策 国の方針は?

国は、受動喫煙対策を強化するための法案をいまの国会に提出する予定です。
学校・病院・行政機関などは敷地内禁煙。飲食店は原則禁煙ですが、既存の特定の店については喫煙が可能とされています。国は2020年4月の施行を目指しています。

マンショントラブル あなたはどうする?

隣人がベンラダで吸ったタバコによって健康被害を受け、トラブルになるケースが各地で起きています。実際にアトピーを発症し、警察に相談したという女性のケースを紹介しました。「近隣住宅受動喫煙被害者の会」によると、マンションの場合はまず、管理規約でベランダ喫煙が禁止されていないかを確認することが大切です。

専門家ゲスト:大和浩さん(産業医科大学教授 医師)、井埜利博さん(群馬パース大学客員教授 医師)
ゲスト:渡辺えりさん、安田美沙子さん
VTRゲスト:祖父江友孝さん(大阪大学大学院教授)、稲本望さん(済生会滋賀県病院 医師)
リポーター:遠藤亮アナウンサー