4月18日

「性ホルモン」第3弾 ~物忘れ・反抗期 脳への影響編~

性ホルモンと脳(すべてめくった状態)

毎回、大きな反響がある「性ホルモン」特集の第3弾。今回は女性ホルモンや男性ホルモンが記憶力や反抗期の感情の爆発など、脳に影響を与えている側面をクローズアップしました。更年期症状としてホットフラッシュやめまいなどはよく知られていますが、実は、物忘れもそのひとつ。医師にホルモン剤を処方してもらうと、さまざまな更年期症状とともに物忘れも改善することがよくあります。脳内の性ホルモンを増やす日常生活の過ごし方や認知症との見分け方のポイントを紹介しました。また、反抗期は親から自立していくのに必要な成長の過程ですが、子どものイライラや不安感などの感情の起伏にも性ホルモンが関わっています。家庭内暴力や引きこもりの一因になることもあります。感情を落ち着かせるカギとなる「セロトニン」を増やす“日常生活5か条”や、子どもとの接し方のコツも紹介しました。

「更年期の物忘れ」と「認知症」の見分け方

パターン「物忘れ?or認知症?」

性ホルモンの減少による更年期の物忘れは、「やることを忘れる」「買ったものを忘れる」など、生活に大きな支障がないことを忘れるのに対し、認知症の場合は「コンロの火をつけたまま外出」「忘れたことを忘れる」など、生活に大きな影響を与えるケース多い傾向にあります。認知症は脳の障害ですが、更年期の物忘れは脳の障害ではありません。ホットフラッシュやめまいなどの更年期症状が一緒に出ている場合は、性ホルモンの減少が原因の物忘れの可能性が高いので、女性なら婦人科、男性なら泌尿器科を受診してください。もし、更年期の症状がなく、物忘れだけが強く起こっている場合は、神経内科の受診をおすすめします。

海馬で作られる性ホルモン

脳と記憶の関係を研究している帝京大学薬学部教授の川戸佳さんによると、性ホルモンは卵巣や精巣だけでなく、記憶をつかさどっている脳の海馬でも作られています。その量は卵巣や精巣で作られる性ホルモンに比べ約500分の1と少ないですが、卵巣や精巣で作られる性ホルモンは体全体に運ばれて使われるのに対し、海馬で作られる性ホルモンは海馬だけで使われるため、少量でも記憶力アップにつながります。また、卵巣や精巣で作られる性ホルモンは加齢とともに減少していきますが、海馬で作られる性ホルモンの量は、読書や議論、運動など、海馬を刺激することによって増やせると考えられています。ただし、ストレスを感じるほど行うと性ホルモンは減少しますので、注意が必要です。

セロトニンアップ術

反抗期などで高ぶる感情をコントロールするのに有効なのが、脳内のセロトニンを増やすことです。セロトニンは神経伝達細胞のひとつで、不安やイライラを抑える働きがあります。セロトニンを増やす日常生活6か条をお伝えしました。

  1. 朝日を浴びる
  2. 夜たっぷり寝る
  3. リズミカルな運動
  4. セロトニンを増やす食生活・・・たんぱく質のほか、ビタミンや炭水化物も必要です。バランスのよい食生活を心がけましょう。
  5. 接し方を見直す・・・子どもが反抗的な態度をとるのは当たり前と考え、真に受けず、余裕をもって接しましょう。子どものいいところを探すのも大切です。
  6. ガムをかむ・・・あごの筋肉は脳と直結しているので、ガムをかんで動かすと、セロトニンが増えやすいとされています。5分でOKです。

反抗期の接し方3か条

  1. 「性ホルモンのせい!」と割り切る・・・子どもが反抗的な態度をとっても、子どもの人格を否定せずに、性ホルモンのせいだからしかたがないと考えましょう。
  2. 否定しない・・・たとえ反抗的な言葉をかけられても否定せずに、まずは「そうだよね」と共感して、上手に導いていきましょう。
  3. 叱る基準を明確に・・・子どもを叱る場合は明確なルールにのっとって行い、むやみやたらと叱らないようにしましょう。例えば、「万引きをした」「暴力をふるった」など、絶対してはいけないことをしたときには叱ることが必要です。また、「うそをつかない」など、それぞれの家庭で絶対に守らなければいけないルールをいくつか定め、それを破ったときには叱りましょう。

専門家ゲスト:小川真里子さん(東京歯科大学准教授・産婦人科医)、辻村晃さん(順天堂大学医学部教授・泌尿器科医)、成田奈緒子さん(文教大学教育学部教授・小児科専門医)
ゲスト:陣内孝則さん、佐々木希さん
リポーター:遠藤亮アナウンサー