11月19日

気づいてスッキリ!女性の発達障害

空気が読めない、片づけができないなど、日常生活にさまざまな困りごとが生じる発達障害。今回は特に「女性」の困りごとについて詳しくお伝えしました。女性は男性と比べて社交性が高い場合が多く、周囲に溶け込もうとして無理をするあまり、「過剰適応」に陥ってしまうことや、出産や子育てによってもともとの困りごとが悪化してしまうこと。また、うつ病や統合失調症にまで至ってしまう「二次障害」になりやすいことなど。なぜ、そうした困りごとが女性に現れやすいのか。対策や解決法はどんなものなのか。当事者の声をもとに、専門家の解説を交えながら、「気づいてスッキリ!」な情報をお伝えしました。

空気を“読みすぎる”? カモフラージュする女たち

フリーライターの国実マヤコさんは、発達障害の特性によってこだわりが強く、完璧主義になりがち。発達障害と診断される前に出版社に勤めていたころは、打ち合わせ内容を完璧にシミュレーションした「台本」を用意した上ですべて暗記して臨み、相手の口調や話し方のクセまでまねしていることもあったといいます。「合わせすぎる」行動の正体は、「過剰適応」と呼ばれ、女性が陥りやすい傾向があります。国実さんは自分が本来苦手なことを「頑張っていた」ことに気づけたことで、完璧へのプレッシャーが薄れ、人とやりとりする際の不安が和らいだと言います。特性という視点から行動を見直すことが苦しさから脱するコツだと専門家は話していました。

女性に多い“二次障害”

二次障害は、発達障害の特性そのものが原因ではなく、コミュニケーションがうまくいかないことや、いじめや虐待を受けることによって現れる深刻な精神症状や身体症状のことです。発達障害がある女性の中には、発達障害と診断される以前に二次障害の症状が現れ、発達障害であることに気づけないケースが多くあります。治療を続けても症状が改善しない場合や、一時的によくなっても、また同じ症状をぶり返してしまう場合などは、二次障害の可能性があります。精神症状と、発達障害に対するアプローチは異なるため、まずは気づくことが大切だと専門家は話していました。

発達障害女子会

日常生活の悩みを共有し、解決策をアドバイスしあう場として、当事者どうしの集まりが増えています。番組で紹介した場は独自のつながりによって開催されたものですが、各地に当事者カフェや、ピアサポートの中に交流を設けている場合もあります。参加したい場合は行政の発達障害相談窓口へ問いあわせたり、各団体のホームページなどの情報を参照してください。

発達障害がある女性の出産・育児の悩み

発達障害がある女性が子育てする際、特性による苦手が思わぬ形で悪化してしまう場合があります。岐阜県に暮らす藤田まさみさん(仮名)は、発達障害の特性のひとつである聴覚過敏があります。出産後、育児の中で赤ちゃんの泣く声が「脳に突き刺さる」ほどつらく感じて思考が停止。抱き上げるという行動すら思いつかなくなってしまいます。ほかにも、こだわりの強い人が育児書どおりにいかないことでパニックになってしまうことも。愛情がないわけではないのに、意図せず育児放棄のようになってしまう場合があります。努力ではどうにもならない困りごとがあるということを周囲が理解して、サポートを得ることが重要だと藤田さんは言います。

発達障害がある女の子への性教育

体内の臓器の働きなど、目に見えないものを想像することや、あいまいな表現を理解することが難しい発達障害がある子どもたちのために、手作りの教材で性教育を行う現場を取材しました。教えるのは、女性ならではの臓器があることや、生理の仕組みなどについて。間違った知識を得る前に「どんな仕組みで」「なんのためにあるのか」を知ることで、急に起きる体の変化によって体調を崩してしまうことや、性犯罪に巻き込まれることを予防するのが目的です。女の子だけで学べる環境はまだ少なく、必要性を訴える声は高まっています。

「発達障害キャンペーン」特設サイト


http://nhk.jp/hattatsu/

専門家ゲスト:宮尾益知さん(発達障害の専門医)

ゲスト:栗原類さん(モデル)、坂下千里子さん(タレント)

リポーター:魚住優アナウンサー