6月24日

どう向き合う? 思春期の発達障害

継続的に取り上げている「発達障害」。今回は、思春期の子どもたちについて考えました。中学生で不登校になり、発達障害の可能性が指摘された女の子の悩みを紹介しました。また、最初は思春期特有の悩みだと深刻に受け止めていなかったという母親が、その後、どう娘の特性に向き合うことができたのか、心境の変化を聞きました。さらに、発達障害の特性に合わせた対応をしてくれる学校や、特性を抑え込まずにありのままの自分でいることに主眼を置く「趣味の支援」、ラジオを通して発信をし始めた当事者の中高生の取り組みを紹介しました。

発達障害とは

発達障害は、生まれつきの脳の特性によって引き起こされると言われており、主に3つの種類があります。
・コミュニケーションが苦手だったり、こだわりがとても強いASD(自閉スペクトラム症)
・不注意や、衝動的といった特性があるADHD(注意欠如・多動症)
・読み、書き、計算など特定の学習に著しい困難が生じるLD(学習障害) など
人によっては、複数の特性を併せ持つもつことがあります。

悩みが深刻化しやすい思春期 親は子の特性にどう向き合う?

「私はおかしいから」と泣きながら言い、学校へ行かなくなった娘。母親は、娘に発達障害の可能性があるとわかったとき、これまでの悩みの原因が発達障害にあると分かりほっとした一方で、将来への不安におそわれたといいます。そんな不安をやわらげてくれた場所が、発達障害のある子の「親の会」でした。悩みを打ち合け、同じ境遇の親たちと話し合うなかで、娘には特性上どうしても苦手なことがある、と認めることができたといいます。心に余裕ができ、「娘の成長をあせらず見守る」ことにしたことで、親子関係も好転しました。

学びの環境や手段をどう確保する?

「周囲が騒がしくて授業に集中できない」「頭では分かるのに書くことがどうしても苦手」など、発達障害の特性があるために、学ぶ意欲はあっても学校生活が苦痛となってしまっている子どもたちが数多くいます。学校にどう配慮を求めればいいのか?高校以降の進学先は?と悩む親も少なくありません。しかし、いま発達障害がある子に対する学校の対応もはじまっています。感覚過敏のため強い光が苦手で、授業中気分が悪くなってしまった子は、先生と話し合った結果、別室での受講などの対応策を検討してもらえることになりました。また、学習障害がある子は、学校でのパソコンの使用が認められ、定期テストではパソコンを使って回答を入力しています。

発想の転換! 「趣味の支援」で自己肯定感アップ

発達障害がある人の居場所づくりを推進しているNPO法人ネスト・ジャパンでは、当事者の若者たちが自分の好きな趣味を、仲間と一緒に思いきり楽しめる場を提供しています。アニメや漫画、鉄道、テーブルゲームなど、好きなことに没頭することが、ふだん周囲から理解されず疎外感を味わっている当事者の自信回復につながるといいます。発達障害の特性を抑えこむのではなく、むしろ解放して「ありのままの自分」でいられる時間こそが大事。そんな発想の転換で、若者たちの笑顔を取り戻す支援活動の様子を紹介しました。

「普通」って何? 発信をはじめた中高生

去年10月から京都の舞鶴市のコミュニティ放送局・FMまいづるで始まったラジオ番組「10代のトビラ」。メンバーは中高生で、4人中3人が発達障害の当事者です。「普通は出来るでしょ」「普通そんなこと言わないだろう」などと言われることに違和感を持ち続けていた彼らが、「普通」とは何か話し合いました。「まず自分の特性を理解しないと『普通』はわからない」「発達障害がない人がどう発達障害がある人に向き合うかが問題」などさまざまな意見が出ました。これからの世の中は自分たちがつくっていく。自分たちのように困っている子の少しでも役に立ちたい。そんな思いで彼らは、みずからの障害を隠すことなく発信をしています。大人たちは彼らの思いをどう受け止めますか?

※この日の話し合いの様子を動画でアップしました。ぜひご覧ください!
ホームページ:https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1002.html

「発達障害キャンペーン」特設サイト

発達障害について詳しく知りたい方は、
ホームページ:http://nhk.jp/hattatsu/ をごらんください。

専門家ゲスト:本田秀夫さん(信州大学医学部 教授)
ゲスト:小島慶子さん(エッセイスト)、的場浩司さん(俳優)
VTRゲスト:橋本大彦さん(精神科医)
プレゼンター:田村直之アナウンサー