12月2日午後4時4分、マグニチュード7.3の地震が東京で発生したら・・・。30年以内に70%の確率で起こるとされる「首都直下型地震」を想定して、NHKは12月1日から1週間、総力を挙げて防災特集をお伝えします。
そこで今回の「あさイチ」では、今すぐに始めたくなる「くらしの防災術」を大特集!
まずは「わが家の防災点数をUP!大作戦」。MCの博多華丸さんが、短い時間で「すぐにできる」防災対策を、実際に体験。テレビを見ながら、自宅の防災点数を一緒にUP!そのほか、災害への備えにもなり、日ごろの調理も時短になる、スゴ技の「冷凍&調理術」や、専門家が”これなら毎日持ち歩ける!”と現実に即して考えた「非常用持ち出しグッズ」の最小リストなども大公開!
家具の転倒防止対策や、大量の食品の備蓄など、大事だと分かってはいるけど、ついあと回しになってしまいがちな「もしもの備え」。今回は今すぐにやりたくなる、お役立ち防災情報を厳選してお届けしました。
揺れから「命を守る」には
巨大地震が起きたとき、揺れから命を守るためにまず大切なのは、自宅でケガをしないこと。防災対策の専門家・国崎信江さんと、あさイチ視聴者のお宅を訪ねて家の中に潜む危険をチェック、今すぐできる対策をしました。
寝室にあった本棚は、突っ張り棒で固定してはいましたが、毎月締めなおす必要があるそう。また、本が飛び出さないように、棚のフチに、滑り止めシートを貼ることがおススメ。入り口に掛けていた姿見は、揺れで落ちると破片が飛び散って避難の妨げに。飛散防止フィルムを貼りました。ダイニングキッチンには、電子レンジや炊飯器などの家電が載ったラックがあって、最も危険度が高いとのこと。テーブルの向きを変えることで応急処置をしましたが、ほかにも要注意ポイントはたくさん。華丸さんがハウススタジオから生中継で、食器やラックの対策を紹介しました。
中継で紹介した対策は・・・
- 出しっ放しの包丁や皿はキケンなので、早くしまいましょう。
- 重ねた皿は、大きさが変わる所にキッチンペーパーを。揺れを抑える効果あり。
- キャスター付きのラックは、対角線にある2つをロック、倒れにくくなります。
- 窓が割れた場合に飛び散らないよう、カーテンは閉めてください。
- 閉じ込められないように、揺れを感じたら、安全を確保しながら早めに玄関の扉を開けましょう。
- 玄関は逃げるときのために、いつも片づけておきましょう。
本棚は・・・
- 下に敷くストッパーだけでは不十分。突っ張り棒など2つの方法で対策がおススメ。
- 重いものは下に、上は軽く。重さの比率は、上段:中段:下段=1:2:3
- 突っ張り棒を用意するまでの代わりにダンボールも。天井と壁にピッタリと。一度の揺れで強度を失うので、あくまで応急処置として。
巨大地震からの避難 何を持ちだせばいいの?
余震や火災などの二次災害を避けるための「一時的な避難」に必要な非常用持ち出し品と、「長期的な避難生活」の際に必要な、家での備蓄について紹介しました。
非常用持ち出し品として、東京都の防災管理課は・・・
【ふだん旅行するときに持っていくもの】に、【非常用ブランケット、タオル、ヘッドライト、手間なく食べられる食料、敷きマット、500ミリリットルの水(1~2本)、携帯トイレ、折りたたみ式ヘルメット、ゴミ袋、雨具(カッパ)】を加えることを推奨しています。
※さらに、女性は【生理用品・保湿クリーム・防犯ブザーなど】を、高齢者は【常備薬・お薬手帳など】をプラスすることもすすめられています。詳しくは、「東京くらし防災」を参考にしてください。
また、国崎信江さんによると、非常時は、財布などを入れているふだん使いのカバンを持ち出す人が多いそうで、バッグに“ちょい足し”することで、最低限、ふだんから持ち歩いてほしい持ち出し品を教えてもらいました。【マスク、カイロ、携帯トイレ、携帯電話用充電器、止血パッド、大判ハンカチ】です。
長引く避難生活・・・「在宅避難」の備えは
さらに、避難生活が長引いた場合、ライフラインが復旧し救援物資が届くまで、
自治体は「在宅避難」をするよう呼びかけています。その際、家族3人分の必要な備えを国崎信江さんに紹介してもらいました。
【水、冷凍した食材、レトルト食品・缶詰、乾麺・乾物、フリーズドライ食品、お菓子、カセットコンロ、ボンベ、ラップ、液体ハミガキ、携帯トイレ、電池、ウェットシート、抗菌スプレー】
ポリ袋冷凍調理法で、ふだんの生活も便利に!
神戸学院大学のサークル「防災女子」のおススメは、耐熱性のポリ袋を使った調理法。食材に調味料を合わせて冷凍しておけば、被災時に袋のままゆでれば完成。さらに、ゆでる火のとおりが早くなったり、うまみが増したりするので、ふだんの料理で時短効果が!スタジオでは、料理研究家の川平稔己さんに、冷凍保存する際のポイントやメリットを教えてもらいました。また、食品衛生の専門家の実験によると、保冷剤を入れた冷凍庫は、停電後に開け閉めしなければ、食中毒菌などが増える10度に達するまで69時間かかったとのこと。ポリ袋冷凍調理法をうまく活用できれば、発災直後は食べなれた味の料理を食べられそうです。
煮豚
チキンのクリーム煮
たらのトマト煮
さばのみそ煮
小松菜と塩昆布のごまあえ
豚肉のしょうが焼き
外出先で地震にあったら・・・
外出先で被災した場合、特に怖いのは密集した人々がパニック状態になって引き起こす「群衆雪崩」です。都市部では多数の帰宅困難者の間で起きやすいとされています。「群衆雪崩」にあわないために大事なのが、安全な場所を見つけたら、慌てて帰宅せずしばらく動かないこと。また、三重県鈴鹿市消防本部が考案した対策「平泳ぎ避難」も紹介しました。
離れ離れになった家族との連絡に使えるのが、公衆電話。停電時でも使えて、災害時には無料に。さらに、通信規制が起きたときに有効な「三角連絡法」を紹介しました。通信規制のとき、「被災地の中にいる人どうし」ではつながりにくくても、「被災地の外にいる人に向かって」は比較的つながりやすいんです。あらかじめ、遠くに住む親戚や知人を決めておいて、被災地にいる家族がそれぞれ伝言を残します。ほかに、「災害用伝言ダイヤル(171)」も紹介しました。30秒以内に的確なメッセージを残すには、「自分の居場所」「ケガの有無」「次いつメッセージを残すか」を伝えることが大切とのことでした。