8月5日

戦後75年 戦争中の“働く女性たち”

皆さんおなじみ、アニメ「サザエさん」。実は、その原作者・長谷川町子が、戦争中は新聞記者をしていたこと、ご存じですか?戦争が激化し、男性が兵隊にとられて働き手が減る中で急増した、町子のような“働く女性たち”。彼女たちは、どんな日々を送り、どう戦争を見ていたのか。当時の資料を掘り起こしていくと、「下品な冗談は慎んでほしい」「“コラ”“バカ”などの言葉はやめてほしい」など今でいうセクハラ・パワハラらしき悩み!?や、仕事と結婚をめぐる葛藤など、今見ても、あるあるな等身大の女性の悩みが満載!さらに、番組では、かつての“働く女性たち”を徹底調査!小学校教師や電車の車掌、お笑い芸人など、現在100歳近い皆さんに当時の貴重なお話を聞きました。これまであまり語られてこなかった戦争中の“働く女性たち”。戦争の新たな一面をお伝えしました。

戦争中、女性にとって人気の職業は・・・?

戦争中、働く女性に人気だった職業をご紹介しました。まずは2016年の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」にも登場したタイピスト。タイプライターを使いこなす特殊技能や、英語やドイツ語をタイプする際の語学力などが求められ、当時の大卒初任給の2倍以上の給料をもらっていた人もいました。また、当時雑誌で取り上げられるほどの人気ぶりだったエレベーターガールやバスガイドもご紹介。特にバスガイドは、当時の貴重な音声をまじえて、その仕事ぶりを伝えました。さらに、戦争中、陸軍省で仕事をしていたという女性を取材。貴重なお話を伺いながら、戦争の理不尽さについて考えました。

働く女性の結婚問題

1941年12月。太平洋戦争がはじまると、女性は労働力不足を補うために仕事をすることと、国家のために結婚して子どもを産むことが同時に求められるようになりました。そうした中で、「働く女性は結婚相手としてふさわしくない」と敬遠するような世間の風潮を、当時の結婚相談所の職員の手記からひも解きました。さらに手記の内容をもとに、タイピストとして働く女性が、お見合い相手の男性に対し、自分の仕事への誇りを熱く語った実際のやりとりを再現ドラマ化。働く女性が仕事に対して抱いている思いなど、その胸のうちをご紹介しました。

今と変わらない? 戦争中の働く女性の悩み

1938年、大阪市がデパートの店員やタイピストの女性などを対象に、職場の待遇や私生活について調べたアンケート調査をもとに、当時の働く女性たちがどのような悩みを抱え、どんな暮らしを送っていたのかをご紹介しました。例えば、給料の使い道について調べると、家族にお金を渡して家計を助けていた女性が最も多かったことがわかりました。また、職場への不満については、性別によって仕事の内容や給料に格差があったことを取り上げました。戦争中、小学校の教師をしていた女性にお話を伺い、給料や仕事の格差を当然のこととして受け入れていたこと、それでも自分の仕事にひたむきに打ち込んでいたことをご紹介しました。

『サザエさん』の原作者・長谷川町子も! 息苦しい日々のはじまり

『サザエさん』の原作者・長谷川町子さんが、戦争中、疎開先の福岡市で新聞社の記者として軍需工場などを取材していたことを、実際の記事をもとにご紹介しました。また、戦争が激化する中で、書きたいものが自由に書けなくなっていき、検閲を受けたり、ついにはスパイ容疑をかけられるなど、息苦しい日々を送ったことについても取り上げました。終戦直後まで記者として仕事を続けながら、やがて『サザエさん』を書くに至った長谷川町子さんの半生をご紹介しました。

女性お笑い芸人が見た戦争

戦争中の働く女性たちの中、戦地を回って漫才や歌などを披露し、兵士たちを励ましたお笑い芸人の方たちを取り上げました。両親が漫才師だったという男性を取材し、当時の漫才の台本を入手。検閲によってネタの内容が厳しく制限される中で生み出された、戦争の時代の笑いについてご紹介しました。また、当時のお笑い芸人たちは、戦地の兵士を元気づける「慰問団」として戦地を訪れていましたが、中には戦闘に巻き込まれて命を落とした女性漫才師もいたことを紹介。さらに元「慰問団」のお笑い芸人の方にお話を伺い、死と隣り合わせの日々を送る兵士たちを笑わせることに、どんな思いを抱いていたのか、お伝えしました。

働く女性が経験した空襲、疎開、そして終戦

日本各地への空襲が激しくなると、働く女性たちは命の危険を感じるようになっていきました。特に鉄道関係の仕事は、物資や兵士を輸送するため空襲の標的となり、過酷な日々を送ったことを、元車掌の方のお話とともにお伝えしました。また、学童疎開が始まる中、わずかな食材をやりくりして子どもたちに食事を作ったという元小学校教師のお話をご紹介しました。

ゲスト:本上まなみさん

専門家ゲスト:濱貴子さん(富山県立大学)

リポーター:中川安奈アナウンサー