2013年10月05日放送放送内容まるわかり!

つぶやきが企業を滅ぼす!? どう防ぐ"悪ふざけ投稿"

店の冷蔵庫に入った写真をネットに投稿したアルバイト、来店した有名人のカード伝票を投稿した店員。この夏から従業員による「悪ふざけ投稿」が相次いでいる。
写真がネット上に拡散した結果、投稿者が解雇されたり、営業の停止や閉店に追い込まれるケースも出てきている。 投稿した本人だけでなく勤め先をも窮地に追い込んでしまう「悪ふざけ投稿」が、なぜ相次いでいるのか?企業はどう対策をすればよいのか?深読みした。

今週の出演者

 

専門家

井上トシユキさん(ジャーナリスト)
神田知宏さん(弁護士)
竹田忠(NHK解説委員)

 

ゲスト

増田英彦さん(ますだおかだ)
佐伯チズさん(美容アドバイザー)


小野 アナウンサー
なぜ"悪ふざけ投稿"が続くのか。
今回取材をして初めて見えてきたことがあります。徳永アナウンサーのプレゼンです。

プレゼンテーション①

徳永 アナウンサー
どのくらい続いているのかといいますと、番組で調べただけでこんなにも出てきました。
店の従業員が行ったものなのですが、食べ物を粗末にしているという批判が多かった。
なぜかみんな冷蔵庫に入るのが好きなんですけど。

ひとつちょっと異質なのが、先月もニュースになった、有名人の方の個人情報を披歴してしまったケース。

こうした投稿がなぜ大騒ぎを引き起こすのか!

典型的なケースを模型にしております。
こちら人気の外食チェーン店、レストランチェーン「深」の渋谷店でございます。

こに社長さんがおりますね。頑張っている社長さんだったんですが、うろたえております。
ある日突然、こんなことが起きました。
お客から大量のクレームです。
「不衛生だ」「けしからん」「責任者出て来い」と。社長は、慌てます。
(社長)「何があったっていうんですか」
(お客)「ちょっとネット調べりゃすぐ分かるよ、渋谷店だよ」と。

調べて分かったんですね、こんな写真が出回っていたと。
食肉用冷蔵庫に入ってみたと。
"ww"というのは笑いの意味だそうです。

佐伯 さん
見ただけでそのお店に行かなくなります。

徳永 アナウンサー
社長は気づきます。この顔どこかで見覚えがある。
そうです。雇っているアルバイトのA君だったのです。

事の真相はこうでした。
夜、一緒に働いているアルバイトのB君に「ちょっと写真撮ってよ、面白いこと考えたよ」と。B君に写真を撮ってもらって喜びあっていた。

ここで終わらないんです、今は。
このように、SNS、いわゆるツイッターとかフェイスブックなどで、友だちにワンタッチで、すぐにいっせいに送ることができる。それで、楽しむ。

でも、ここで終わらない。
友だちの中でこれは面白いと思ったら、またワンタッチで友だちの友だちに送ることができるし、さらに友だちの友だちがワンタッチすると、一気に友だちの友だちの友だちにも送れてしまう。

友だちの友だちがみな友だちだというのは幻想みたいでですね、その中には「なんだこれ」「許せないじゃないか」という反応をする人が出てくる。

それで、騒ぎになって初めて、A君は事の重大性に気づいて大恥をかく。
でも、A君自身の投稿を消したどころでは済まない。もう世の中に広がっていたと、こういうケースです。

増田 さん
「これまずいよ」と思ったところで、もう遅いんですか?

徳永 アナウンサー
誰かが広げたらもう取り返しがつかない。
昔の写真はネガを押さえれば、焼き増しできなかったですが、今はすべてコピーが簡単。
全部消さなきゃいけない。

小野 アナウンサー
誰かが気づいたときにはもう手遅れということですかね。

徳永 アナウンサー
そういうことなんですね。それは便利の裏打ちでもあるんですけど。
実は、ここまでの話は、別のテーマのときも当番組でやっております。
ここからです。番組でもっと調べていくと、この騒動が仮に一度、落ち着いたとしても、それを蒸し返そうという動きもあるということが見えてきたんです。

まず、こういう人が出てきます。
けしからんというレベルではなくて、これは懲らしめてやろうと義憤にかられる人も出てきます。
よくするのがこれです。いま便利なサイトでまとめサイトというのがあります。
あちこちにある便利な情報をまとめてくれるサイト。

個人や団体、誰でも簡単に作ることができます。
いろんな分野でひとつのテーマでまとめるんですが、中には悪ふざけした若者の写真を集めてみましたというものもあります。もう忘れられそうになっていたA君がこういうところでまた蒸し返されて、またコピーが広がっていくということが起きてくると。

佐伯 さん
じゃあ良い方にいかずに、どんどん悪い方向にいっちゃうんですね。

徳永 アナウンサー
そういうケースもあります。

さらに、もしかして怒ってない人も蒸し返しているんじゃないかというケースも見えてきました。お金の話が出てまいります。

いま個人の人もブログなどで、ホームページというか、ウェブサイトを簡単につくれる時代。便利になりましたよね。
そうすると、こういうのを見ませんか?この広告がポイント。

これは雑誌や新聞、テレビと同じで、物を売りたい、サービスを売りたい会社が、広告料を払って、このサイトに載せてもらって宣伝をするわけですよね。そうするとこのサイトを作って運営している方にはお金が入ってくるわけですよね。

多くの人に見てもらえているサイトであればあるほど、そこに出している広告料というのは上がります。価値が高くなるものですから上がります。
私がこの人だったら思います。何かもっと世の中の注目の集まるネタはないかなって。
話題をさらったこの写真を自分のサイトに貼り付ければ見る人が増える。そうすればお金がたくさん入ってくると。こういうわけでございます。

つまり、一度すたれようとしても、またそれを蒸し返そうという仕組みがもうちゃんとできているのです。
だからどんどん減るどころか、蒸し返されて増えていく。

増えれば増えるほど、見た人がクレームをつけ始めて、社長はもうたまらないということで、お店のシャッターが閉店ガラガラと。

実際のケースでもいくつか紹介しますと、ラーメン店のケースは、店舗が一時期営業休止に追い込まれました。
それからステーキ店は店舗閉鎖です。
さらに、ピザ屋にいたっては、その従業員に対してお店が損害賠償も視野にいま検討中というところまでいって、今や一従業員の写真が企業の存続にも影響を与えると。
だからこう言う人もいます。
「バイト・テロ」と。
社会問題にもなっているということでございます。


増田 さん
損害賠償の検討に入っているのはその1件だけなんですか?

竹田 解説委員
取材すると、損害賠償もあり得ますという答えをするところが多いですよね。
実際に起こすかどうかは別ですけども。

佐伯 さん
損害賠償しても、お店はもうほとんど元に戻るということは不可能じゃないですか?

竹田 解説委員
実際の損害をきちっと回収するということは厳しいでしょうけども、再発防止ということを考えた場合には、今後もたくさんのアルバイトの方に働いてもらわなければいけない。今後同じようなことをやってもらったら困るという意味で、そういうことを視野に入れるところもある。

佐伯 さん
軽率な1人の人の行為がお店まで閉店にまで及ぶと気の毒ですよね。

小野 アナウンサー
バイトのA君なんか若者なんだから、こんな仕組み知ってそうなものじゃないですか。なぜ投稿をするんでしょうか?

井上 さん
ひとつはインターネットがいま非常に生活の中で身近なものになりました。これは、スマートフォンのおかげなんですけれども。
その中で、非常に自分の中でのネットという存在が今ものすごく大きなものになっているわけですね。ネットというのも現実と同じように自分たちの世界であると。
世界の中で自分の存在を認めてもらいたいというふうな、そういう若者特有の要求があると思うんですね。自分はここにいるんだぞと、みんなから存在を認識されているよ、認められているよというふうな欲求。
若者のたいがいは持っているものなんですけれども。

佐伯 さん
間違った欲求ですよね。

小野 アナウンサー
何人自分はブログを読む人を抱えているとか、何人が自分のつぶやきをフォローしているというのが自慢だったりするんですか?

井上 さん
そういった数が多いと、おれは人気があるんだよというふうに思えるというのは、背景にあるとは思います。
ネットというのは現実よりもスピードが速いですから、そうなってくるとどうしても、今この瞬間というふうな接触の仕方になってくると。
例えばまとめサイトなんかでも、今この瞬間話題になっているものというのを使って、自分が人気者になりたい、あるいは自分の存在を証明したいと。

佐伯 さん
まとめサイトとかブログとかというのはお金がいるんですか?

井上 さん
お金はいらないですね。

竹田 解説委員
そこに広告を出して、スポンサーが見るたびにそれに応じて、ちゃんとそのサイトを開設している人にお金を払うわけですから。

井上 さん
連鎖するのも、今この瞬間、悪ふざけ画像を投稿することが流行っていると。 じゃあ自分もそこの今この瞬間の流行に乗っかりたい、乗っかって自分もみんなから面白いやつだねと言われたいというふうなものがあるんだと思います。
いずれにせよおっしゃったとおり幼稚な、非常に幼稚なレベルで自分の存在認めてもらいたいというふうな要求を出しているということでしょうね。

竹田 解説委員
だから問題は、面白半分にやっているのであれば、基本的には模型の右側の世界で終わったりするわけですよね。
そこにやっぱり、これでお金をもうけよう、ビジネスをやろうという、小金を稼ごうという人たちが出てくる。さらに中にはですね、集団的にこのネタを探して、拡散させる、集めるということをやるんですね。

どういうことかというと、このように役割が分担されていまして、まず監視屋というのがあるんです。ネット上で良いネタがないか、つまり自分たちがああいった広告料をもらえるような、ブログに載せるネタを日ごろから探しているんですよ。
まずそれを探して、次にそれをコピーする。魚拓って俗に言ったりするんですね。まさしくあの魚を釣ったときに魚を記念に残しておく、墨を塗って紙に残しておくという、あれを表現として使うんですけれども。魚拓と言って、そのコピーも大量に、後でネタになりそうだというのをストックしておくんです。
それで、それをそのときそのときの必要、流行りに応じて、どんどん拡散させていく。

佐伯 さん
ものすごく怖いですね。

小野 アナウンサー
確かにアルバイトのA君は悪いことをしました。でも、その写真を勝手に本人の許可もなく使うことって問題にならないんですか?

神田 さん
ツイッターでは、同意を与えて使うことになっていますので。
リツイートしている限りにおいては、それは許されているということになりますね。
いろいろ刑事罰もありますし、民事上の責任も生じると思いますけれども。全く野放しというわけではないと思います。

視聴者の声

「悪ふざけ投稿をする者はともかく、それを面白がって拡散する者にも問題がある。社会の変化に応じて罰則も作っていくべきでは」

「壁や柱への落書きがネットに広がったのだろう。でも、たかが落書きと思わずに削除していくことが大切。法律の整備が必要だと思う。」

小野 アナウンサー
こういうルール作りというのはどうなっていますか?

井上 さん
基本的には、インターネットというのは権力者の人とかお金持ちが独占していた情報というのを、インターネットの力でみんなに平等に情報というのを取れるようにして、その結果、社会の不平等をできるだけなくしていこうというような概念というのがもともとあったんですけれども、それが今ちょっと違う形で使われている。
基本的には法律を作らないとルールが守れないというのが、「どうなの?」というふうに思うんですよね。

神田 さん
私は、どちらかというと法整備が全然足りないなというふうに思ってはいるんですが。

増田 さん
法整備ができてからインターネット等を導入してほしいなと思いますよね。
絶対新しいものを作ったら新しい問題が起きますからね。

神田 さん
これを投稿した人が何罪になるのかとか、拡散した人がいったいどういう罪になるのか。例えばアルバイトのA君ですね。
そのお店の冷蔵庫に入っているというような写真を投稿することによってお店に迷惑がかかります。ですから、お店に対する業務妨害罪になるということはあります。
また友だちのB君も、最初から知っていたと。その写真を撮ってツイッターにアップするんだということが分かっていて手伝っているのであれば、業務妨害罪の共犯になるという可能性はあります。
そして拡散した人たちは、お店に迷惑がかかるかもしれないけれどもそれでも拡散しているのだとしたら、同じように、理論上は業務妨害になる可能性はありますよね。
ただ、懲らしめてやろうという人に関しては、それは公益的な目的があると、しかも冷蔵庫に入っているのは事実ですから。
犯罪に問われない可能性もある一方で、懲らしめるというのは、相当な程度を越えてですね、リンチ、私刑のレベルにまでいたってしまうと、公益的な目的がないということで、そのアルバイトの人に対する名誉棄損になったりする可能性も理論的にはある。
もうけようという方はもちろんもうけるのが目的なので、公益目的ではなくなりますので、同じように名誉棄損になったり、民事的にはプライバシー侵害になったり、いろいろな可能性は考えられます。
ただ、理屈の上では可能性はあるんですけど、実際には、公益目的があるのかとか、もうけようと思っている場合にはどうなるのかとか、拡散した人は業務妨害になるのかとか、いろいろな細かいところで疑問がやっぱり今の時点では出てくるんですね。
インターネットでこういうことが起こった場合にどうするべきかということを、今のうちから法整備をしっかりしていってしたほうが良いんじゃないかと思います。

竹田 解説委員
1番やっぱり怖いのは、ネットの世界って未来永劫永遠なんですよ。もうずーっといろんなところに残り続けるわけですから、だから時効がないわけですよね。
だから、なんとかそれを消してくださいという話はまた全然別の話になってくるわけですよね。

井上 さん
僕は叱ると罰するは違うと思うので、叱るだけで良いんじゃないのというふうには思っているんですけれども。

神田 さん
削除の話なんですけれども、よく「自分でこんなことを書いてしまったので削除したい」というご依頼を受ける、ご相談を受けることがあるんですけれども、裁判所に持っていった場合には、自分で書いたものは消せませんというふうに言われます。

ツイッターはもちろん削除というリンクがありますので、自分でツイートしたものは削除できます。しかし、削除できるシステムが備わっていないサイトの場合、
「自分でこういうのを書いてしまったんです、ちょっとお店に迷惑がかかるので消したいんです」という相談を受けることがありますけれども、裁判所に持っていくと「それは自分で書いたものなので消せません」というふうに言われます。

竹田 解説委員
ただ自分が全然知らないところで、例えば自分の恥ずかしい写真を撮られてしまって、それが載せられてしまった。それを消してくださいと、被害者の訴えの場合には?

神田 さん
被害者の場合は消せるんですね。被害を受けていると。自分の名誉が侵害されている、自分のプライバシーが侵害されているということを主張して、消してくださいというふうに言えば、消せる可能性はあります。

井上 さん
今、EUでは、「忘れられる権利」というのが言われているんです。ネット上の記録というのをいつまでも未来永劫残すんじゃなくて、
例えば就職のときに、「お前こんな画像昔撮ってたんだからそんな奴はうちの会社では採れないよ」というふうな不利益を防ぐのが目的。 事実の場合というのはですね、「これはあなたがやっちゃったことでしょうと、じゃあなぜ忘れなくちゃいけないんですか?」というような、まあそういう反論もある。

神田 さん
先月の末の話なんですが、カリフォルニア州で「未成年者消しゴム法」というのができたという報道がされていました。
その趣旨としては、子どもたちは、ついうっかり悪ふざけをしてネットにいろんなことを投稿してしまうと。それが未来永劫残ってしまうと、子どもたちに不利益がある。
例えば、今おっしゃったようにですね、就職できない、就職活動をしようとしてもその彼の名前で検索すると「昔こんなことしてるじゃないか」ということで、「こんな奴は入社できない」というようなことで、全然就職できなかったり、いろいろな社会的制裁を受けてしまう可能性があるので、未成年者についてはネットの情報を消すための権利を与えようという法律ができたそうなんですね。
日本でもこういった法律を考えていったほうが良いんじゃないかと私は思っています。

増田 さん
まだそれは進んでないんですか?

神田 さん
全然進んでないですね。

竹田 解説委員
それからもう、インターネットは国境を越えますから、いくら日本で法律を作ったとしても、その画像がもう中国に行ったり、韓国に行ったりということはいくらでもありうるわけですよね。
それで、そこからまた(日本に)持ってこられたりする。

視聴者の声

「悪ふざけ投稿をした本人は制裁を受けるべきだが、店を閉店するのはやりすぎな気がする。あまりにもかわいそう」

小野 アナウンサー
お店への同情もありますけれども、いたずら投稿をしちゃった人に対する処分についてはどうでしょうか?

増田 さん
解雇だけでは罪が軽いような感じも受けますよね。アルバイトとかだったら。もっと大きな罪を問われているのかなと思っている人もいるんじゃないですか。

佐伯 さん
ほとんど今の人たちは大学も出てね、ちゃんとした、お給料をいただいて仕事を、アルバイトであったって仕事をさせていただいているという。
やっぱりお代金をいただいて仕事をやるということはどういうことか。
自分が何かした場合は、家庭にも影響が及ぶっていうことをみなさん考えて行動してほしいなとすごく思いますけど。

井上 さん
ちょっと過剰反応している部分はあると思うんですよね。悪ふざけ投稿が罪なのかというところだと思うんです。しかも、未成年であるとしたときに、そこで罰するということよりも、そういった彼らに更生の機会を与えるというのはどういうやり方があるんだろうと。そっちのほうのうまい仕組みができないかなと。
企業からすれば、イメージもダウンしますし、下手をすれば株価に影響して株価が下がってしまって、経営陣というのが株主から経営責任を問われてしまって、彼らが、アルバイトが余計な投稿したおかげで自分が職を失ってしまうかもしれないと。まあそういうことはもちろん考えられるんですけれども、そうなると企業の方もそれをしっかり誰かが管理するような仕組みを考えていったほうが良いのではないかと。

佐伯 さん
叱るということも必要でしょうけど、教えていかないといけないと思います。

小野 アナウンサー
ここで企業の取り組みについてのプレゼンをお聞きください。


プレゼンテーション②

徳永 アナウンサー
はい。実際に当事者になった企業がとってきた対応を取材すると、これからの企業と従業員ってどうあるべきなのかなと気づくケースがありました。
こちら、妥当かどうか考えながら見てください。

全国展開しているの外食チェーンです。
この夏、ラーメン屋さんで女性のアルバイト店員が食材を口にくわえた写真をツイッターに投稿して大問題になりました。

どうなったかというと、当然食材のイメージが悪くなったのでそれを廃棄します。店を消毒します。
だから営業が3日間できませんでした。損失は100万円を超えました。
結果このアルバイト従業員は解雇されてしまいました。
これだけじゃ済まないと会社は思ったんです。

なぜならば、このチェーン店はすそ野が広くて、たくさんのお店がある。社長のもと260店舗あって1万人以上のこの青い部分はアルバイト店員です。ほとんどアルバイトなんですね。
1人を解雇したところで、また出てきてもおかしくないと思ったんです。

そこで騒動の後、この会社の社長は全従業員にあるメッセージを出します。ちょっと意外です。これが話題になりました。さて、なんと言ったと思いますか?
では、佐伯さんが社長だったらなんて従業員にお達しを出しますか?

佐伯 さん
なんでうちの会社に来たかとかということを、原点に戻って聞いてあげる。

徳永 アナウンサー
増田社長は?

増田 さん
アルバイト、社員問わず、一従業員の責任は全員の責任だ。

小野 アナウンサー
仕事中の携帯電話は預かります。

徳永 アナウンサー
そういうお店も実はあるんですけれども、この社長がとった一言は意外で話題になったんです。こうです。

「不幸な従業員を生み出したことを反省しておわびする」って。
アルバイトに社長がおわびしたんです。

会社ではこの従業員が何を写真以外にツイートしていたかを調べたんです。
いろんな日々のつぶやきも多いんですが、基本的には会社に対しては不平不満、愚痴、労働環境の悪さ、そういったことも含めたネガティブなことばかり書いていることが分かったんです。
つまりここを絶たないと、根本の解決にはならないとこの会社は考えたんだそうです。

そこで何をしたか。
まず、この店長がアルバイト全員と面談する機会を設けました。
さらに店長に言いづらいことはアンケートをするから遠慮なく不満を挙げてみてくれという、アンケートもこのとき初めて行いました。

この会社は言うんです。従業員の満足度を上げることで、根本の問題を絶てば悪ふざけ投稿は今後出なくなると。
まだ始まったばかりで結果は分かりません。
この会社のとった対応、甘いと思いますか?妥当だと思いますか?


佐伯 さん
私は愛情があるものは、愛情を伝えてあげてくだされば、働くほうは分かると思います。
僕たちのことを考えてくれたんだという、気持ちは伝わると思います。良かったと思います。私は。
現場の声を聞いてなかった、見てなかったということがあって、現場におりていってそれを聞くことによって、会社でできることがたくさんあると思うんですね。
だからこの社長の考えは本当に愛情がある、私はそのやり方として、自分たちの責任という形で対処しようと思っていらっしゃることは素晴らしいことだと思います。

井上 さん
そうですよね。
効率とか能力みたいなところに非常にこの何年間か振れてきた部分はあるんですけれども、やっぱりそうじゃなくて、とくに飲食店なんかは、ピープルズビジネスですよね。
人が働いて、お客様という人に対応するというのはやっぱり商売の基本ですから。そうなるといわゆるそのマネジメントというのを能力とか効率だけではなくて、人と人の関係性の中でマネジメント等も作っていくという、そういうある種の教育といいますかね、何か教えるというようなことをやっていくというのは、それが基本になるとは思いますよね。

佐伯 さん
サービス業っていうのは本当に使ってくださるお客様のところへ接点を持っている人たちが一番大切なんです。
いくら良い味でも、そこの対応が悪かったら絶対人は来ませんので。
だから私は社長のこの対応は、ご自分のなさっていることがしっかり分かっていて、やるべき対応をなさったんじゃないかなというふうに思いますね。

神田 さん
もちろん、教育、研修、いろいろやっていかなければいけないこともあるんですけれども、いま炎上しているときですね、まさに炎上しているときにその炎上を長く放置しないということもひとつ重要だと思うんです。
長いこと炎上させてしまうと、それだけその企業の悪い評判が増えて、悪い評判が残ってしまう。風評被害が大きくなってしまうので。
一番最初ですね、いろいろな人から苦情が来ているということが分かった時点で、「どうしよう、どうしよう」と長いこと考えるんじゃなくて、すぐに動いて、すぐに事実調査をして、いろんな企業がやっているように、すぐに謝罪をすると。
そして、その謝罪も一緒に拡散してもらう。そうすれば、鎮火も早いのではないかというふうに考えられます。

竹田 解説委員
こういう場合ね、企業のリスクとして何をいま考えなければいけないのかといいますと、単にその企業がこんなことが行われて商品が不衛生じゃないかとかそういうことだけにとどまらず、今はやはり、最大の雇用の問題は非正規の人たちの雇用環境にあるんですね。
その人たちに対してちゃんとした処遇をしているのかと。みんなが満足して働ける、やりがいをもって働けるような職場環境をその企業がちゃんと提供しているのかと。
そこがなっていないから、ひょっとしたらこんなことになってしまったんじゃないかという目で見られるという、そういうリスクもあるわけです。
日ごろ雇用問題を取材しているので、実際、今回このことを非正規で働いている人たちにも何人か聞いてみました。
やはりその人たちがまず言うのは、「こんなことがあると自分たちまで同じ目で見られてしまう。これはもうとんでもない。」というのがまず第一。
次に出てくるのは、「本来は正社員とか店長がやるべきことまで全部非正規の人たちに任されて、とても自分たちの日ごろ出している商品、料理、それから自分たちが働いているお店に対する愛着心というのがなかなか持てないような状況に追いやられている」という意見もあるわけですよね。

神田 さん

これはチェックリストなんですけれども、企業が従業員に教育をする際に、何を指示すれば良いかということ。
また別の観点からみると、従業員個人がツイッターなどにいろいろ書くときにですね、何を注意すれば良いかということをちょっと箇条書きにしてみたものなんです。
まず最初に注意しなければいけないのは、悪口というふうに書いていますけれども、企業に迷惑がかかるようなことを何かしようとしていませんか?というのをまずチェックしてください。
そして次に、バレないと思っていませんか?匿名であるからバレないであろうというふうに思っていても、技術的にもバレます。
また、内容的にもバレる個人情報が入っていませんかという問いです。
それで、転送されても良いですか?ということもチェックしてください。
そして最後に重要なのは、投稿者がいま冷静ですか?ということですね。

小野 アナウンサー
みなさん、これを書き写してどこか貼っておいてください。


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