2014年01月11日放送放送内容まるわかり!

18歳からオトナに!? どうする?成人年齢引き下げ

この先、成人式を祝うのは"20歳の若者"ではなくなるかも!?世界の大半の国では、大人は"18歳"から。日本も成人年齢を18歳に引き下げよう、という議論が起きているのです。しかし、内閣府の調査では7割の人が成人年齢引き下げに消極的。その一方、若者の声が反映されにくい日本の政治を変えるために18歳から選挙権を!という声も根強くあります。いったい日本人は何歳から大人になるべきか?とことん深読みしました。

今週の出演者

 

専門家

宮本みち子さん(放送大学 教授)
萱野稔人さん(津田塾大学 教授)
青木大和さん(学生団体 代表)
安達 宜正(NHK解説委員)

 

ゲスト

髙田延彦さん(元総合格闘家)
香坂みゆきさん(タレント)


小野 アナウンサー

内閣府が先月発表した世論調査では、成人年齢の引き下げについて、8割近い人が「内容は知らない」もしくは「聞いたこともない」と答えています。
成人年齢の引き下げの問題が今どうなっているのか、徳永アナウンサーのプレゼンです。

プレゼンテーション①

徳永 アナウンサー
国のあり方を根本的にみんなで考えなきゃいけない大問題なんだということをわかるために、今年初の模型を作りました。
成人年齢を下げるか?というのは、いつ成人式でいい服着られるか?
というのを2年前倒しとかいうフワッとした話ではないです。
国で話しているのはあくまで法律の話。
法的に20歳で変わることって、いろいろ浮かぶと思うんですけど、ちょっと整理してみました。

キーワードはこれです。
もう"責任"ある年だよね。多分ピンとくる方は、まずこれ。
酒・タバコも責任持っていいでしょう?たしなんで。
それから、こういうのもあります。罪を犯したときの対応がガラッと変わります。
もちろん例外はたくさんあるのですが、少年院行くか?刑務所なのか?とかね。
実名で報道されるのかどうか?というのが変わってきます。もう責任ある年なんだから。
それから、お金の責任。
学生のときに20歳になったらハガキ来ませんでした?国民年金を納めてくださいと。

それから、法律の親分みたいな、ものすごく大きな法律。民法というのがあって。
人と人との関係を定めたことがいっぱい書いてあって。
結婚とか、家族のあり方とか、物の貸し借りとかのルールをいっぱい書いてあるんですけど。20歳に線を引いているんです。
例えばこれ。自分の判断でいろんなものの契約ができる。

ちょっと思い出してください。
10代って、こういう人がいましたよね。保護者。
つまり保護者の方が同伴しないと10代は契約ができない。結婚とかもそうですよね。
でも20歳になると、もう責任ある年だから、自分で判断していいよね、となります。

それから、これがわかりやすいですよね。
公職選挙法という法律を見れば、投票は20歳からですよね。選挙に行けるようになりますよね。
全部責任ある年だからできるようになることです。

でも、番組で調べるとラインは必ずしも全て20歳からとは限らず、この18歳からできることもありますよね?世の中。

香坂 さん
車の運転?

徳永 アナウンサー
いっぱいあって。例えば、車の免許が取れる。
パチンコは18歳からです。
それから、夜10時以降働いてもいい。原則時間にとらわれずに出来ます、というのがあります。

つまり成人年齢引下げって国で議論をしているのは、法律をこのラインでそれぞれが本当にいいんですか?ということを話すということなんです。
それぞれ本当に20歳でいいの?18でいいの?もっと上、もっと下という議論は個別にはありました。
しかしこの7年間、国会議員や政治家、国の人たちが一生懸命悩んでいる理由、きっかけはどれかというと、このどれがきっかけでもありません。

この法律がきっかけです。2007年のこと。
国民投票法というのができました。これはいわゆる憲法改正のためのものですよね。
日本国憲法には、憲法の変え方も書いてあります。
「最後は国民の投票で決めてくださいね」という趣旨が書いてあるんですが。肝心要のどうやって投票するの?というルールはどこにもなかったんです、それまで。

そこで前、安倍さんがちょうど総理大臣のとき、7年前ですね
。 この国民投票法というルールを作りましょう。
これはこれで、もめたんです。
どういう内容にしますか?というのを。その中で、こういうことを決めました。
投票は18歳からできる方向にしましょう。

香坂 さん
なんでここで18歳が出てきたんですか?

徳永 アナウンサー
憲法というのは、とても大きな将来に渡る問題だから、ちょっとでも多くの人が参加するべきだよね、という意見も出ましたし。
実はこれ知っていました?世界の事情。

投票できる年って、18というのがほとんどなんです。
ほとんどの国が18歳以下でも選挙などは投票ができちゃう。
日本は、きわめて少数派なんで。
いやでも世界のすう勢に合わせようじゃないか、という意見も出てきたんですが。
そんなことでは、なかなかみんなの意見が当時一つにまとまらなかったんです。

例えばこんな意見が出ました。並べて見て欲しいんです。
これ投票ですよね?同じ投票がありますよね?

香坂 さん
公職選挙法。

徳永 アナウンサー
同じ投票でなんで2年ちがうんですか?公職選挙法も一緒のほうがいいんじゃないですか?という人もいますよね?
それからも、もめます。
投票の権利だけ与えて、責任ある大人に自覚させる意味もある民法だけ20歳って。
それは甘いんじゃないか、けしからんじゃないか、と言う人も。いろんな意見が出ます。
この方針は2007年のときに決めたんです。
この3つの法律はラインは同じに、ということは決めたんです。

この2つは下げる方向で3年以内、2010年までに法律を整理しようねと、そのとき約束したんです。

香坂 さん
だいぶ過ぎましたよね。

徳永 アナウンサー
つまり今どうかというと、選挙は、18歳の人は行きたくても行けない。
自分で契約もまだできない。変えられていないんです。
でも、政治家の人は、何もしていなかったわけではないんです。実はこの7年、悩んでいるんです。
なぜか?何もしなかったわけではないんです。下げる方向で、やってみたんです。

でも、民法って、法律の親分みたいなものでしょ?民法がすんなり下がれば、もちろん成人式もこうやって下がっていくかもしれないんですけど、そうもいかなかった。
民法が20歳に線を引いているから、他のものも20歳に線を引いているという考えがほとんどなんです。
だから民法を18に下げると、自動的に下がるものもあったり。
自動じゃないけど、専門家に言わせれば「それ下げないとおかしいよ」と言われるものが、次々に出てきて。
調べてみたらいくつあったと思います?
法令がなんと308。
民法を下げるだけで308も考え直さないといけないとなると、一つや二つこんな意見が出るのは当然ですよね。

ちょっと待ってください。酒・タバコを18からって、そもそもちょっと冷静に考えようよとかね。
少年法って、そんな法の精神からいって、2つ下げるのってどうなの?とか。
それぞれ議論があったんだから。やってみると、相当大変。なかなかこれをすんなり下げるのは。

民法が大変だというのがわかると、次こんな意見が出ます。
じゃあ、選挙権を手始めに下げましょうかと。
でも、一緒じゃなきゃいけないと強く主張している人はいっぱいいたわけですよね?
ずるいよね、権利だけ先に与えてと。
こうして意見一致できない。 この問題は、「いつから大人とみなす?」というフワッとした話になりがちなんですが、国で議論をしているのは、この法律が本来若い人のためにどうあるべきか?というのを考えなきゃいけない。
だから人ごとじゃない。大人の責任なんです。

萱野 さん
私はとくに公職選挙法の投票をまずはやっぱり下げるべきかなと思いますね。
民法に関してはいろんな法律がくっついていますので、手続き的にも時間がかかると。
ただ投票に関しては、できるだけ早く年齢を下げたほうがいいんじゃないかというのは、私の考えです。

その理由がですね、これを見てください。平成26年度の予算案。
予算というのは、国の収入があって。『歳入』と言いますけれども。
歳入があって、そこからお金を使うわけですよね。その入ってくる側を見てみると、半分しかないんですよ、税収が。
税収が半分で、あとの例えば40兆円以上が国債の発行。国債の発行って要するに借金ですよ。
今、この借金が積み重なって。これから返すのは、将来の世代ですよね。
借金をするというのは、どっかからお金が降りてくるわけではなくて、将来の世代から前借りをしているということなんですよ。
だから、将来の世代が結局はこの付けを全部返していかなきゃいけない。

青木 さん
実際、これを背負わされていくのって、自分たちの世代で。
ただ一つポイントなのが、こういう説明を学校とかでされないわけじゃないですか。
そうすると、多くの同世代は、データとか取るとまず「興味がない」というところから始まっちゃうんですよ。
それってやっぱり、こういう説明がされないから実感がわかないんですよね。
一つここでポイントになるのが、公職選挙法が18歳になると、高校生が投票できるようになるんですね。
これが一つ大事で、高校生のときって、政治経済とか学校の必修で授業があるんですよ。
そうすると、授業の中で先生から直接教わることができるので。
そこからじゃあ、投票しようかなと移ると思うんですよ。
しかし、20歳だと大学生になってしまう。
自分はいま法学部政治学科だからそういう政治の勉強とかしているんですけど、そうじゃない学部にいっちゃうと、政治に触れる機会一切ない。
だから18に下げて、高校から学べる環境をつくることが一歩前、2歩前に進む可能性につながるんじゃないかと。

萱野 さん
高校で投票できるというのは、もう一つ大事なポイントがあって。
高校出ると多くの人って、進学だったり、就職で親元離れるじゃないですか?地元離れるじゃないですか?
地元で育った人がいっせいに投票できる最後の機会なんですよ。18歳の機会。
だから今って、例えば地方って過疎化。若者が流出して困っている。
なるべく地元の郷土愛を育んで欲しいというふうに思っているわけですよね。
そのためには、やっぱり地域のことは自分たちで決めるんだということを、地域で育っている段階でやっぱり実践していくということが大事だと思うんですよね。
それができるのは、やっぱり18歳まで。

宮本 さん
日本の成年年齢20歳、投票権20歳というのはね、世界的に見ると10%ということですよね。

これ見ていただくとわかるんだけれども、1970年代に主な国々は、18歳に下ろしたんですね。
そのときどうして下ろしたかというと、いくつかの理由があったんですけど。
当時、ベトナム反戦運動等々の学生運動の非常に活発なときで。
若者たちがそれを要求したと。これ一つなんですよね。
それからドイツなんかの場合には、この時期に徴兵制を導入したんだけれども。
国のために兵隊に行くということに対して、その若者たちに権利も与えなければいけないと。こういう考え方ですよね。
それからもう一つは、さっきの若者の負担じゃないですけど。
当時しだいに福祉国家の、その将来の財政問題というのが出てきたときに、その将来の担い手、あるいは負担をかなりしなければならないだろうという若者たちのために、投票の権利というものを与える必要があるということですよね。それがあったんだと思うんです。
これ考えますとね、日本の今の状況というのは、その国々から比べると、約30年遅れて議論が始まっている。

萱野 さん
毎年、こうやって借金を作って、国の予算を回しているわけですよ。
これ将来世代に負わせている。
でも意見は聞かない、投票はさせないと言ったら、ちょっとフェアじゃないんじゃないかな?って思いません。

青木 さん
若い同世代自身がしっかり声を上げていくというのが大事だと思って、自分とか高校生の頃から活動してきたんですけど。
やっぱりなかなか、学校とかの中で教わる機会っていうのがないから。
「どう思う?」と聞いてもむずかしいという現状ではあって。

小野 アナウンサー

ここにですね、『低い若者の投票率』というデータがあります。
20代が他の全世代の中で一番投票率が低いんです。

青木 さん
ヨーロッパ、北欧とかの事例を見てみると、実際に10代に下げた事例があると、20代に比べて10代のほうが投票率が少し高かったりするんです。
その要因って、親と同居していたりとか、やっぱりさっき言ったように、高校の中で教わる機会が増えると、実際行ってみようというきっかけになると思っていて。
そういうきっかけを増やしていかないといけないし。
そういう中で、若い世代が声を上げていくと、やっぱり実際に政治の側も、じゃあ公職選挙法を18歳に下げようという動きになるのかなというふうに思っています。

宮本 さん
若い人たちが意見を言わないからダメだという議論は、一部の問題だと思うんですよ。
つまりね、大人の意識が変わらない限りは、他の仕組みというのは変えられなくて。
例えば2008年から2009年に法制審議会が民法の成年年齢18歳を下すかどうかの議論をやって。
私、委員で1年間参加したんですけどね。10数回、相当な時間をかけて議論をしたんですけど。
全般の印象というのは、そこに出てきている委員たちは、ほとんどこの問題に関しては関心がない。
あるいは専門家というので出てきているんですけど、この問題の専門家というのはほとんどいないということなんですよ。
だから、どういう基準で議論をすればいいのかもわからない。

青木 さん
議論の場に上がっても、これをじゃあ実際おし進めて、得になる議員だったりとか、政治家というのがいなくて。
だから結局、若い世代はまず投票もできなくて、声も発せないと。
さらに向こうには利益がないから、結局なんか負のルーティンみたいなものにおちいっていて。
自分たちの声を上げても、聞いてもらえなくて。
彼らにとっても利益がないから、結局前に進まないという現状で。

小野 アナウンサー
今回、10代の若者を対象にしたEテレの「Rの法則」という番組とコラボして、10代の視聴者の方々のアンケートをとってみたんです。

そうしましたら、成人年齢の引き下げに10代は賛成32%、反対は46%、選挙権年齢のほうは、賛成が38%、反対34%。数字でとるとあんまり欲しくなさそうなんですが?

青木 さん
自分が同世代とかを見ていてすごい感じるのは、賛成・反対という日本人的区分で分けられるから、まあ反対でいいか、みたいなところがあると思っていて。
なんて言うんですか、社会に対して自分たちが投票しても社会変わらないでしょう、みたいな閉そく感が若い世代にすごく広がっていて。
だから絶望世代というか、絶望していて、世の中に対して。

小野 アナウンサー

アンケートにこんなご意見がありました。
青森県の高校1年生の女性からは「来年18歳だけど、選挙のことはまだわからない」
広島県・中学校3年生「えらい人が発言しても変わらないのに、自分が発言しても何も変わらないと思う」
神奈川県・高校1年生「大人は意見を聞くだけで、実行しないから」

萱野 さん
私も日頃学生と接していて「選挙投票行く?」って聞くと「いや、誰に投票していいかわからないから、行かない」という学生けっこう多いんですよ。
でも、ただ政治ってそもそも決めることですよね?選挙というのは、議員を選ぶ。
議員というのは、国会で決める人。決める人を決めるのが、選挙ですよね。
要するに、みんなが従わなきゃいけないルールを、みんなで決めるというのが政治。ですから決めるということは、なにか負担があるわけですよ。
「みんなでお昼ごはん食べましょう。じゃあ、これに行きましょう」と決めることすら、負担な場合もあるわけじゃないですか?

宮本 さん
18歳の選挙と言ったとき、いきなり国政選挙みたいなイメージで議論するからですけどね。
日本の現状からすると、そういう発想から議論すると行きづまるところがあって。
これ諸外国の18歳に下ろして、今16歳に下ろそうという議論も進んでいるぐらいですけどね
。 そのときの政治であるとか、社会に参加するというのは、もっと日常的なレベルからやっているんですよね。
いきなり国政投票の問題ではなく、日々日常の自分の周囲の環境をどうやって変えていくかという問題。まさにそれが政治なんですよ。

小野 アナウンサー
どうすれば若い人たちがもっと政治に接する機会を早くから持てるのか?
世界各地のアイデアを集めました。徳永アナウンサーです。


プレゼンテーション②

徳永 アナウンサー
まずアメリカから見てみます。こんなことをしています。
タイトル付けてみれば『選挙公約作戦』。
4年に1度アメリカは大統領選挙がありますが。
公約もちろんありますが、2つあってですね。こんなものもあるんです。子ども用の公約。
漢字をひらがなにしているとか、そういう子どもだましではなくて。政策を書いているだけではなくて。
そもそもこの国は今こういう状態でねとか、だから必要なんだよ、ということが子どもにでもわかる。
アメリカの大統領候補の人たちは、おおむねこういうのを作って、子どもにでも読んでもらいたいと。
まあ、いま選挙権なくても、将来だって選挙権持つわけですからね。というのもあるわけですね。

政治の体験をしてみようかと言えるのが2つあります。ヨーロッパです。
ドイツからいきましょうか。実は学校教材にちょっとひと工夫しているという例を紹介します。
ドイツというのは、国語とか算数とかと同列で『政治』という科目があるんです。議会のように議論してみようという授業です。

ウェブサイトが教材でしてね。こうやって、最近のニュースがどんどん更新されていくんです。
議会で大人たち政治家が話し合っていることは、最近の出来事、社会問題ですよね。
それと同じことをどんどんアップして、子どもたちにも同じテーマで話し合ってみてもらう。
『エネルギー問題』とありますけど、東日本大震災の年は、日本の原発の問題も。
ドイツでも原発について、いろいろ動きありますから、学校でもいろいろ議論があったそうなんですね。

同じ体験でも今度はもっと身近なレベルで民主主義を実感してみようというのは、スウェーデン。ホームルーム作戦というのがあります。
ホームルームってありますよね?日本はね。

でも特徴があって。多くの話し合い、子どもだけで決めてもらう、先生は口を出しません。
なにを決めるか?例えば修学旅行。まあ、日本の子どもたちも修学旅行であれこれ決めますよね?
おやつ何百円かとかね。バナナは入る?とか。でも、そんなことではなくて。
そもそも行きますか?行きませんか?そこから始めます。行かないという結論もあり。
なぜかというと、予算の話もするからです。誰がお金出すの?大人は?

小野 アナウンサー
積み立ててあるんじゃない?

徳永 アナウンサー
はっ?そんな甘っちょろいことはしない。
つまり自分で予算を調達する方法も決めてね。
アルバイトする?バザー開く?子どもたちで歳入で決めます。 もちろん行く先、どの交通機関、どうやって交渉するかも子どもたちでなるべく決める。
言ってみれば、地方議会の自治と同じような体験をする。 もちろん最後は、多数決ですが。議会と同じで、少数意見とどこまで歩み寄れるか?というのを体験してもらう。
こういうのをやっているそうです。

髙田 さん
われわれはそういう能力をそぎ落とされているよね。全部決まっているもの。

萱野 さん
自分たちで決めるというような、そういう練習をずっとしてこなかった。
全部誰か決めて、というようことでやってきたわけじゃないです。
だから結局、選挙もわからないということで終わっちゃうんですよ。

小野 アナウンサー
こういうことで、変わるものですか?

青木 さん
自分とかむしろ、それで変わった人間で。
自分15歳からまず右上のアメリカに行っていて。
ちょうど行ったときがオバマ選挙のときだったんですよ。
だから選挙公約も学校で当時みんなやっていて。自分まさにこの子供公約みたいなものを読んで。
実際、模擬投票とかしていたんですよ。
スウェーデンのホームルーム作戦についても、修学旅行の行く先は決まっていたんですけど、ツアーをみんなでクラスで考えて、クラスごとで別々なツアーになったんですよ。
だから修学旅行どうするか?みたいなこと考えていて。
多分自分はそういうのがあったからこそ、今こうやって発言できたりとか。
そういう経験をもとにいろいろ言えてます。

徳永 アナウンサー
そうはいっても世の中は変わっていないじゃないか、と思う人いるかもしれません。
実際に変わっている話が1つあるんでご紹介します。

この国です。イギリス。
『若者議会作戦』と名付けました。いや、そういうのがあるんです。
11歳から18歳限定で地方に議会をもうける。10代しか参加できない議会。

これちゃんと予算が一定料つきます。
あなたたちが理想と思う使い方をちゃんとしていいよと。選ばれた子どもたちが決めます。
実際あった例でいうと、スケートボードができる場所がないから公園にそういう施設をこの予算で作ろうとか。
それから非行が問題になっている地域は、居場所がなかなかないから外で犯罪を犯すんじゃないかと考えて。
じゃあ、若い人が行きたくなるカフェを作ろうじゃないかとか。
そういったある程度の予算を与えて、実際に世の中を動かしてみる体験を10代にしてもらうというのがあります。

そして10代に実感してもらうといえば、この日本だって何もしていないわけじゃありません。
今日お越しの青木さんのやっていることをこれからご説明します。
『直接会談作戦』。
つまり本当の日本の国政をになっている政治家に高校生が束になって会いに行って、意見交換をしてみるという取り組みを、今日お越しの青木さんはずっとやっていらっしゃると。

青木 さん
けっこう初めは大変で。
なかなかやっぱり自分も一高校生だったので、政治家の方とか話を聞いてくれなくて。
アメリカから帰ってきてすぐ、永田町のところに一人で回って、いろんな議員さんに仲間とノックをして話を聞いてもらって。
それでやっと本当に全政党と首相クラスの人がみなさん来ていただいて。
で、全国から高校生を100人集まってもらって、国会議員の方と年に2回討論会をしているんですけど。
そこでやっぱりすごい自分が感じているのは、実際よくわからずに来る高校生とか、すごいいるんですよ。
ある女子高生が自分たちのイベントに来てから、実際いま大臣になられている方と討論をして。
そうすると家帰ったときに、普段ニュースなんか見ると、もうジャニーズのチャンネルとかに切り替えていたのに。見ると自分がとなりでしゃべった議員さんが。
それでニュース見るようになったんです。
今自分のところでは、年に2回200人しかできず、小さいところなんですけど。
そういう取り組みが日本の中で全国で増えてくると、もっと若い人が、まず選挙権というのを考える前に政治というのを身近に考えて。政治ってこういうことなんだとなると。
その上で、じゃあ投票するか、投票しないか選ぶというフィールドに移れるのかなと思っていて。

宮本 さん
例えばイギリスの若者議会とあるけれども。
これもちろん、選ばれた人が議員にはなるけれども。すそ野は広いんですよね。
例えば、地域の中で活動やるときに、もう若者たちがどういう要望を持っているか?
この地域の中でこういうことがあったら良くなるとかいう意見をどんどん吸い上げるんですよ。
それで、それを実現していくんですよね。
イギリスなんかで言われているのは、変えたいと若者たちが思ったときに、行動をしたら変えられた。
このスモールステップをたくさん積み重ねると、だんだんもっと高いところまで行くことができると。
それが国政まで通じる道で。
そのすそ野なしのいきなり国政への参加なんていうのは、あり得ないんですよ。
日本ではそのイメージがないもんだから、選挙権を18歳にしたらいいか?20歳にしたらいいか?
また25歳だっていいみたいな、そういう話になってしまう。

安達 解説委員
そうなんです。これ見ていただければわかるんですけど。

このいくつかの外国の例は、これ大人たちの努力なんですよね。
むしろ大人たちがそういう若者の政治参加を保証しましょうという努力で。
この青木さんたちがやっているのは、子どもたちの努力なんですよ。質がちがうんですよね。

青木 さん
そうですね。やっぱり自分たちでやっている中でも全国から集めて。
高校生にいきなり「来て」と言うのはむずかしいから、交通費とか負担してもらうんですけど。
その交通費も自分たちで寄付をつのったりとか、いろんな大人の人に頭を下げてもらっている段階で。
そういうのをなかなか自分たちだけで運営するのはむずかしくて。
やっぱりさっきのボードのとき、じゃあなんで日本だけ国旗がなかったかというと、国主導じゃなくて、自分たち主導でしかできない現状で。
国っていう単位で、もっと若い人に対して未来を担っていく世代だというモチベーションを持ちながら、やっていくことが本当に大事だと思うんです。

萱野 さん
選挙の投票率が高いか、低いかというのは、結果でしかなくてですね。
むしろ若い人たちに決める力をつけてもらおうとか、政治に対して当事者の意識を持ってもらおうとかですね、公共的なものに対してもっと関心を持ってもらおうというのを、大人が姿勢として示すかどうかということだと思うんですよ。

宮本 さん
30年遅れているとさっき言ったんですけどね。
まさに30年というのは、新しい時代に対して、若者というもののイメージとかですね、それから若者のビジョンを国が転換できるかどうかという話で。
日本は残念ながら転換できていないんですよ。
だからやっぱり大人がいいレールを引いて、そこに若者たちを乗せ、保護もすると。
その転換をしない限りダメなんですね。

萱野 さん
ずっと決められない政治ということは言われていたじゃないですか。
だから、日本全体が物事を決められないんですよ。
われわれなぜそうなったか?というと、決めるような練習をこれまでしてこなかったからだ。
われわれ自身も若い人になにか決めてもらおうという意欲がまったくない。
だから、全体として決められなくなっているということなんですよね。

青木 さん
この間の参議院選挙のとき、全国をまわって、iPadとかITとか使いながら模擬選挙をやって。
実際1万票ぐらい集めて。それは模擬選挙というのは、そういうのを長年やっている人たちがいるので。実際にそれは成果としてあらわれていて。
だからこそ、それをもう少し全国の中で広げていくべきだなと思っていて。
今、学校教育の中でできなくて、街頭でしかできないんですよ。学校も私立とかでしかできなくて。
それがやっぱり限界に達しちゃっているので。
もっとやっぱり広く学校の中に取り入れて、そういうのを推し進めていきたい。

視聴者の声

「日本の場合、政治家の多くが若い人の選挙の参加を望んでいないように感じる」

安達 解説委員
若い人たちって組織にも属していないし、なかなかわからない。
どういう投票行動を取るか。そうするとね、やっぱり権力に対する批判的な声が出てくるんじゃないか?
という不安があるんですよね。

宮本 さん
そういう意味で、いきなり投票するというときに恐れる大人たちかなりいるわけなんですね。
ですから、日頃の日常的なところから、子どもの声をあらゆるところで吸い上げる仕組みをつくる。
これは諸外国みんなやっているんですけど。
例えば子どもが顧客であるような企業・商店・学校もそうだし、公民館もそうだし。
そういうところは、必ず利用者の声を聞かなければいけない。
その声に対して、参画をうながしながら一緒に改善していく。
そういう取り組みをすることによって、いきなりボーンと爆弾のように、若者の声で政治が混乱するというようなことはあり得ないということになる。
やっぱりビジョンを変えるということになると。
あるゴールを決めて、小さいときからその養成をしていかない限りは無理なんですよ。
だからそれは、20歳に決めたって今できていない。18歳に下ろしたってできていないし。
だから、年齢がどうであるかという問題よりも、日本の国の若者の位置づけをどう変えるのか?という問題で。
それがあれば年齢というのは、それについてくるものだと。

萱野 さん
投票というのは最終的には、社会のルールを決めていくということですよね。
日本はだいたい技術、ビジネスの世界でも、技術では勝っても、ビジネスでは負ける。ルール作りでは負けるって。今、国際競争の中でものすごく言われているんですよ。
ルール作りが物すごくへた。
なぜかと言えばルール作りしてこなかったから、若いときから。
やっぱりこれをやること自体が国の競争力を高めていくということにもなるんですよね。

安達 解説委員
外交とか安全保障の問題、国のレベルの問題って、いろいろな考え方もあるから、なかなかむずかしいんですけど。
修学旅行に行くか、行かないかとか、近くに喫茶店作りましょうとかというのは、イデオロギーの問題じゃないし。
冷戦が今崩壊してね、やりやすくなっていることも事実。
それから地方の問題を分けて。
もし国の問題で国政選挙の投票を18歳にするのがイヤなら、まず地方からやってみましょうという議論も。

香坂 さん
そうですね。小さいところから入り始めるとかね。

宮本 さん
それから日本の発想だと、ついこういうことをやると、学校教育ってなりますよね。
全部学校に期待するわけです。そんなことではできないんですよ。
やはり諸外国の見ているとね。
例えばNGOの人たち。企業の社会活動でもやっているし。
それから、ユースワーカーとかですね。
いろいろな人たちが、いろいろな形の仕組みの中で、若者の社会参画のための教育訓練をやっているんですよね。
だからね、学校教育だけで日本がこれやろうなんて無理ですよ。

萱野 さん
社会全体が自分たちでちゃんとルールを作っていく、物事を決めていく、そういう方向に変換していくということのきっかけだと思いますね。

青木 さん
若い世代から言わせてもらうと、本当に今の日本って恵まれすぎていて、なんでもあって。
でもそういう中で、希望というのが、なかなか無い部分があって。
この例えば、18歳選挙権とかだったりとか、そういうものが何か自分たちが動けば変えられるという一つの希望になれればいいなと、自分は本当に強く思っています。

安達 解説委員
国はやっぱり支えるということですよね。
啓もうもあるけれども、若い人たちが努力しているのを援助していく。

宮本 さん
大人も意識を変えないといけなくてね。
やっぱり長老支配はダメだということ。

小野 アナウンサー
今日はどうもありがとうございました。

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