2014年03月15日放送放送内容まるわかり!

まもなく新学期! PTAを考える

この時期、学校では新年度に向けたPTA人事が行われています。
役割は学校行事のサポートだけでなく、通学路のパトロールなど地域社会を支える活動や、新年度から本格化する「土曜日の教育活動」への関わりも期待されています。
一方で、役割が多くなり、保護者の負担が増えているとの声も。
番組では、日本最大のボランティア組織とも言われるPTAが今どうなっているのか、その力を学校や地域社会で生かすにはどうしたらいいか考えました。

今週の出演者

専門家

岸裕司さん(文部科学省 コミュニティ・スクール推進員)
まついなつき さん(作家・マンガ家)
山本浩資さん(小学校PTA会長)
早川信夫(NHK解説委員)

 

ゲスト

桂文珍さん(落語家)
藤本美貴さん(歌手・タレント)


文珍 さん
あのね、この番組はTPPはやったんですけど。
PTAはねぇ、やらないと思っていたんですけど。

藤本 さん
私は子どもが幼いのでまだですし、PTAってよく聞いてはいるけど。
誰がPTAなのか?何をやっているのか?

小野 アナウンサー
では一体PTA、今どうなっているのか?徳永アナウンサーです。

プレゼンテーション①

徳永 アナウンサー
当番組らしく基礎からいきます。『PTA』ってなんの略なのか?からいきます。
こういうことです。

「Parent」と「Teacher」。そして「Association」は、「協会や連合」という意味です。 まあ、親と先生が一緒になってやっている組織だと思ってください。
いろんな活動はしてきているんですが。

目的は、「子どもの幸せな成長」につながるために、学校や地域を支えていきましょう、ということでございます。
プロフィールを見ると、結構知らない話があって。

いつできたのかというと、戦後まもない頃です。あのGHQが「民主的な学校にしなさい」と当時の文部省に言って、全国にできていった。
それから、ボランティアなんです。どれくらいの方がいるかというと、1000万人以上といわれています。
このPTAについて、番組のネットクラブでアンケートしました。
600通近い声が寄せられまして、中には、大切だとか、やってよかったという声も半分あるんですが、もう半分の声をちょっと一部ご紹介いたします。

まず、PTAは忙しすぎる。

兵庫県・30代
「拘束時間が長すぎて、ボランティアの域を超えていました。働いている人が多く、仕事を休んで参加するにも限界があり、結局、専業主婦の負担が増え、最後は確執を生んでいました」

埼玉県・40代
「仕事をたびたび休まねばならず、上司に小言を言われたり、職場で肩身のせまい思いをしました」

大阪府・50代
「広報誌の作成を担当した4か月間。ほぼ土曜日の午後、毎週学校で作業があり、家族に迷惑を掛けました」

では、誰がやっているのか?こんなご意見が来ています。

神奈川県・60代
「クラスでPTA役員を選ぶときの気まずい雰囲気は忘れられません。しびれを切らし、誰かが引き受けるまでは、やるせない沈黙の時間が流れました」

兵庫県・50代
「役員を逃れようとする人がいるので、入学式に会場の入り口を閉鎖して、全員でくじ引きをすることにしたんですが。くじを引くのが嫌で式の途中で帰ってしまう人が出たり、当たりくじを隠して捨てる人が出ました」

愛知県・50代
「委員を決める日は、電話の線を切ってつながらないようにした人がいた」

そして、不公平だという声も。専業主婦の方と働いている方から両方来ておりまして。
まず、主婦の方の声。

石川県・40代
「最近はワーキング・マザーが多く、どうしても専業主婦に負担が多くなる。働く人を支えるために専業主婦をやっているわけではない、と言いたくなるほど不公平だ」

でも、働いている男性の方。

東京都・40代
「共働きでなくてもやっていける家庭と、共働きすることで生活ができている家庭は事情が違うんです。仕事を休んででも公平に役割を負担しろという考えは、おかしい」

小野 アナウンサー
3人のお子さんを育てるシングルマザーで、仕事もしながらPTA活動をしていらっしゃる松井さん、仕事は言い訳にならないですか?

まつい さん
15年ほどPTAの会員で、現在もPTAの会員です。
役員と各委員。役割を持つと大変だということですね。

小野 アナウンサー
そうするとどうしても引き受けられない、引き受けたくないという人は?

まつい さん
くじを捨て、こっそり会場から抜け出す。
電話線を抜いて。見ない、聞かない、何も言わない。

藤本 さん
ちょっと人ごとだと思えないですよね。
これがもうちょっとだと思うと。恐ろしいです。

文珍 さん
情報交換の場としてね、ママ友とかそういう世界というのはございますでしょう?
そういうときは便利なんですけど。
役員になるということになると、忙しくなってくる?

まつい さん
歴代やらなければいけないんですよ、PTAはこのことを。
というのを申し送りで渡されて、それをみんなで集まってなんとかやる。

小野 アナウンサー
みんなやりたくないと思っているなら、やめたらいいんじゃない?っていう声も上がってきそうな気がするんですが。

徳永 アナウンサー
そういかない世の中の事情があるんです。
歴史をひも解いてみると、PTAのお仕事って時代と共にガラッと変わってきています。
実は最初の頃はこんなこともしていました。

戦後まもない、まだ食糧難の時代。給食制度を作った。
お金を出す、料理を実際に作る、PTAが支えていて。今、学校給食が当たり前なのは、PTAのおかげと言われています。
そして、これもです。本がたくさん読める環境を作ったのは、PTAと言われています。 さらに、実は先生のお給料の一部をPTAが補てんしてあげていた時代があるんです。 まだ貧しい時代は、先生の待遇をよくしてあげたいとPTAがそれを資金面で応援していたんです。
子どもの学ぶ環境を作るために、いろいろ汗をかいてきました。
ただ高度経済成長により税金でこれらがまかなえるようになると、これをPTAが必ずしもしなくてもいいよねとなって、だんだん変わっていきます。
こういう仕事がだんだん増えてきます。

例えばこれ、家庭教育学級。子どもの幸せのためには、親が勉強会を開いて、子育てなどのノウハウを一緒に分かち合いましょう、勉強しましょうという会が学校で放課後などによくおこなわれるんですね。
こういったものを自主的に主催したり、企画するのがPTAの仕事にもなってきた。 ひいては子どもの環境のよさにつながっていくと。
それからよく見ませんか?休みの日に、朝。学校の周りの清掃活動も子どもの学ぶ環境を整えてあげるためいうことで、今も続いている。
そうしていくと、PTAにみんな頼り始めます。
実はいろんなところがPTAにお仕事を頼み始めます。

例えば町内会。今、町内会の組織率減っていてですね。なかなか人も減っていて。
となりの人が誰だかわからない時代になってくると、お祭りの運営とかも大変になってきます。
子どものためだからお願いしますよ、PTAさん。
町内会と一緒になってやりましょうとPTAに助けを求めているところも実際あるんですね。

小野 アナウンサー
子どもも喜ぶかもしれないと思えばこそですね。

徳永 アナウンサー
そして警察。物騒な事件はどうしても後を絶ちません。
防犯の活動、警察もしています。
でもパトロールを全部職員でまかなうわけには、なかなかいきません。限られているんで。
子どものためですから、お手伝いいただけませんか?

震災から3年迎えました。
今週も地震が大きなのがありました。防災の機運高まっています。訓練の数も増えています。
消防もがんばっているんですが、消防団の確保も大変なぐらいな時代です。
学校まわりのことはお手伝いくださいよ。

自治体も今、職員減っていて大変です。
実は7年前から、地域の人たちが竹馬とかいろんなことを子どもたちに教えるという『放課後子ども教室』という事業を自治体が主催してやっているんですが。
まあ、自治体もいろいろ大変ですので、実質やっていただくのは、PTAの出番じゃございませんか、よろしくおねがいしますよ。
ということで、実は善意ということで、断りづらいPTAがほとんど引き受けているのが現状でして。
荷がどんどん重くなっています。
じゃあ、ずっと元気か?というと、眉にご注目。

藤本 さん
あっ、疲れちゃった。

徳永 アナウンサー
そう。荷が重いんです。
荷が重いだけではないんです。支えている人が減っているんです。
だって少子化ということは、親も減りますから。そもそもの人数が減ります。
実質PTAを大きく支えてくれていた専業主婦の方は、このご時世です。女性も働きましょうと減っていく。
このままでは、支えきれなくなってしまうかもしれない。

そんなところまで来ています。

まつい さん
断れないというのは、善意だからなんですよ。
子どもたちのためになる、地域のためになる。いいことなんだから、逃げないでやりましょう。逃げたらけしからん。子育てやその地域のことを放棄する気ですか?というプレッシャーがすごくある。
それで、やめたいんだけどやめられない。逃げたいんだけど逃げられない。 なによりも周りの圧力というよりも、子育てをしている保護者の人たちの内側に子どものためになることをやりたいという。
できることなら、やりたい。それで荷がすごく重くなっちゃって。大変になっていますよ。

小野 アナウンサー
必要な活動にしぼるというのが、いいんじゃないんですか?

山本 さん
PTAって、親なんだから子どものために平等に義務を負いましょうというのが基本になっているんですね。
これはもう戦後に文部省が示したとおり、平等の義務を負いましょうとなっているんですけれども。
ボランティアって、平等の義務を負ってやるものですか?というところが問題なんです。僕は三本の矢と言っているんですけれども、やらないといけないという義務感。
それから、やらされているという強制感。働いている人がこれだけ割合が増えている中で、やらない人がいるという不公平感。
平等の義務の中にそういった考えが。
だから、僕は平等の義務をやめましょう。やりたい人がやりましょうとやると、変わるんじゃないかな?って今、自分のところではやっています。

早川 解説委員
保護者の側からすると、子どもを学校に人質に取られているという感覚があるんですよね。
本来PTAというのは、任意団体で任意参加が建前なんですけれども。
子どもが入学すると、先ほど、まついさんがおっしゃったように自動的に加入するという仕組みになっている学校も多いんですね。
だから強制加入なんじゃないか?というふうに思われがちなんですけれども。
その一方で任意なんだけれども、PTAに入らないと子どもに何か不利益が起きちゃうんじゃないかと。
例えば子どもが学校でいじめられるんじゃないかとか、あるいは先生に低い点数付けられるんじゃないか、というような心配もあって、なかなか抜け出すということが難しいというところもあるんですね。
嫌々参加しているという部分が結構強いということですね。

岸 さん
ただね、例えばさっき家庭教育って話がありましたが、僕も家庭教育学級部長という役員をやったことがあるんですよ。
これは自分で選んだんです。
なぜ選んだかというと。家庭教育の、例えば講座が誰を講師に選ぶか?というのは、自分たちで考えられるわけですよ。
つまり学びたい人を選べる。それは非常にメリットありました。
つまり、自分がどうやったら楽しめるか?で、先ほど解説委員がおっしゃったように、あくまでも社会教育関係団体なんで。お金を払って入会するか、退会するかもまったく自由なわけです。
ただ、そのことがほとんど知らされていないんですね。
または規約に書いていない。入ってみて初めて、規約見るなんて人が大半だと思います。

まつい さん
ただ本来は、PTAって自動的に加入させられてしまうという現状あるんですけど。
まあ、ボランティアで任意の団体なので。嫌だったらば、無理だったらば、入らなくてもいい場所なんですね。

小野 アナウンサー
皆さんはPTAはあった方がいいとお思いですか?それとも、やめたらとお思いですか?

藤本 さん
あったほうがいいと思いますけど。負担がちょっと。

文珍 さん
そりゃあ、あったほうがいいんですけどね。
そんなに忙しいと困るよなぁ。

小野 アナウンサー
一方、こんな声も届いています。

千葉県・50代・女性
「PTAの活動を通じて、子どもたちの様子をいろいろ知ることができた。
普段あまり関わり合いを持たない方たちとも知り合い、子どもたちの安全や地域との関わりなどを一緒に考えることができたのもよかったと思う」

東京都・50代・男性
「PTAは保護者にとって義務のイメージばかり大きくなっていると感じます。参加すればやりがいのある有意義な活動なので、必要なのは保護者が学校に行きたくなる仕組みづくりではないでしょうか」

まつい さん
私は、よかったです。地元に友だちができて。
漫画の貸し借りをしたりとか、アイドルの話をしたりとか。お母さんになってから、そういう学生時代のときのノリで、みんなでお茶を飲んで盛りあがったりとか、っていう友だちが強制的にシステムとして行けばできる。
なかなか、「お茶飲みに行きましょうよ」とか誘えないんですが、「この役割になったから、いったん集まりましょう」と言うと、そこでお茶をいれて「何が好き?」とか話をしたり。それでまあ、子育てのリラックス。

文珍 さん
子育てをやる中で、悩みなんかを共有できるとか、相談できるということもある?

まつい さん
あります、あります。先生のうわさ話をしたり。
あの先生はそういうふうに見られているけれども、実はこういういいことがあるんだよ。 じゃあ、安心みたいなね。
情報交換の場所として、すごく私は役に立ったんですね。

小野 アナウンサー
では、一体どんなPTAだったら、うまくいくのか?このプレゼンをご覧いただいてから話を続けましょう。


プレゼンテーション②

徳永 アナウンサー
2つご紹介します。2つには共通点があります。

できるだけ不幸な人をつくらないようにしましょうというのを狙いました。
具体的に言うと、さっきのプレゼンで、不平不満の吹き出しがありましたよね。
忙しすぎる。押しつけあいだ。不公平だ。
ただ、こういう声をなるべく減らそうと動いた2つのPTAをご紹介してまいります。

1つ目です。
東京都大田区の嶺町小学校というところのPTAは、PTAならぬこれを目指していると言っていいでしょう。

藤本 さん
PTO?

徳永 アナウンサー
はい。まあ、Oというのは、突然の日本語ですいません。

応援団。つまり子どもの応援団という本来の主旨に立ち返ろうじゃないか、というのをやっています。
やっている方をご紹介します。

山本さんです。会長さんになって、とにかく恒例行事が多いとか、とにかくポストが多くて選ぶのが大変、苦労するとかいうのを、変えようじゃないかということで。

もう強制なるべくしない。なるべく自由にできるときに手を上げてもらおう。
それから企画も前例にとらわれずに、アイデアをその都度出しましょうって、募集をおかけになったんです。

子どもが喜ぶ企画はないですか?思いついたのは、大鬼ごっこ大会。

藤本 さん
なにそれ、超楽しそう。

徳永 アナウンサー
あの、他のテレビ局でやっていますよね?あれをモチーフにした大会をお休みの日に開いたらこんなに参加した。
保護者の方、手伝いに来た方が180人も。自分から手を上げたんだそうなんですね?

山本 さん
準備期間は、わずか1ヶ月なんです。
参加したい人にメールで募集をかけて、登録してもらったんですね。いろんな鬼役だとか、受付だとかね。救護班とか。
そういうのを具体的に何人足りません、あと5人足りません、10人足りません、というのをどんどん呼びかけていったら、当日180人集まったと。

小野 アナウンサー
強制をやめるということが、どうしてできたんですか?

山本 さん
1年交代で、大体委員さんが変わるので、「はい、これをやってください。これをやってきたんです」と渡されて。準備期間も考えている暇もなく。もうやらないといけないという活動なんですよね。
それを本当に必要なのかというのを見直したときに、これいらないよね、あれいらないよね。じゃあ、こんなことができるよね。ということで。
やっぱりリーダーが「やめてもいいんだよ」って一つ言うと、空気感は変わってくるんですよね。例えばベルマークというのがあるんですけれども。
これ仕事を休んで、ベルマーク活動に参加しているお母さんなんかがいて。「こんなんだったら私、お金払うわよ」と。まあ、時給に換算するとすごくね。100円以下なんで。

「じゃあ、いったんやめよう」と提案したんです。
でも、やっぱり子どもたちのためにベルマーク集めてなにか送りたいというお母さんたちもいて。そういう人たちが募集をかけたらですね、25人集まったんです。
で、楽しく今やっているんですけれども。
じゃあ、名前も付けようということで。『ベルママ』という名前を付けてですね。 ベルばら世代なので。歌をつくったりして、楽しく活動をしているという。

文珍 さん
うん、それは「タスカル」ですね。

まつい さん
そんなカッコいい会長さんがいっぱいいれば、問題はすぐ解決ですよね。

早川 解説委員
山本さんのようなタイプの方が結構、最近出始めているんですよね。
例えば恒例行事をやめましょうということをやったらね。例えば子どもがいるから、なかなか子育てで忙しいから参加できません、なんていうことがあるんだけれども。託児が好きな人もいるわけですよね。
だから託児を自分たちが請け負いますよ、ということをやってくれると、子どもを連れて来て、子どもを別の人にあずけて活動するということもできるようになったりとか。いろいろ工夫次第ではできるようになるんですね。

徳永 アナウンサー
今、カッコいいとおっしゃいましたが。もう1人カッコいい人がいるんで、紹介させてください。わかりますよね。この流れ見たら。

小野 アナウンサー
絶対もう一方のゲストですね。

徳永 アナウンサー
千葉県習志野市の秋津小学校というところ。28年前からPTAを変えようという先がけなんですって。有名なところです。

こっちは、「O」というかこうです。

小野 アナウンサー
PTCA?

徳永 アナウンサー
今日のゲスト、岸さんがやっていらっしゃったことをご説明します。

28年前当時、親たちは疲れ切っていました。
「お金払っている主役なんだからもっとメリットを!」ということで、手を加えます。

例えばほんの一例ですが、運動会の準備だけではなくて競技の内容をもっと楽しめるように参加したとか。
空き教室を使って、今で言うカルチャースクール。パソコン教室とか、歌の勉強会とか。
空き教室を活用って、今では当たり前ですけど28年前ですからね。まだ言われてもいない頃に始めた。
そうすると何が起きていたかというと、

学校って今はもうなかなか地域の人、門を閉ざして入れないところですが。
サークルの活動は30を超えました。つまり花壇とか使えば、趣味の園芸できますよね。
いろんなメニューがどんどんできていって。この2万人というのは、延べ年間2万人の大人が通っています。
特徴的なのは、卒業したら普通は学校に関わらなくなるんですが、子どものいない人も含めてみんな通うようになっていく。
「C」はこれです。

コミュニティ。もう1つ加えましょうというのが、この取り組みです。

小野 アナウンサー
どういう人たちが加わっているんですか?

岸 さん
もともとはね。PTAで、今までの話は保護者の話が多いんですけど。
実は「T」がいるわけですよ。

小野 アナウンサー
先生。ティチャー。

岸 さん
先生だけじゃなくて、実は職員さんね。給食の方とか、事務職員さんとかも含めて会員なんですね。
そうすると同じ会費を払っている。そういう方のメリットは何なのか?と。地域によって、じゃっかん違うのかもしれませんが。
正確には「保護者と教職員の会」って訳さないと、まずいんです。
特に僕ら保護者側から見るとですね、先生のメリット何なんだろう?と。
やっぱり忙しいんですよ。またはクラブ活動のスポーツ系。特に小学校は女性の先生が多いから、なかなかスポーツ指導できない。平均年齢もだんだん上がってくると。
そこで、じゃあ、お父さん参加しようよと。お父さんはスポーツが好きだとか、パソコンが好きだとか、物作りが好きだとかね。
やっぱりお父さんの特徴を活かしたもので。
引っ張り出し作戦というのをやったの。飼育小屋は作るわ、合同運動会一緒にやろうとかですね。そのような話がどんどんできて。
それをPTAを中心に上手にサークルにしていったんです。パソコンサークルとかね。

小野 アナウンサー
地域の人とおっしゃっるのは、まったく関係ない人も?

岸 さん
例えば先ほどあった『放課後子ども教室』というのをやっているんですけれども。
ミサンガ教室やりたいという。
OLの独身の人がね、講師役でやって来て。母校にですよ。

小野 アナウンサー
誰でも入って来られることへの不安というものはないんですか?

岸 さん
それはですね。やっぱり伝統、長い間の中で名前と顔がわかる関係性をつくるので。
むしろ不審者が入りにくくなっている。
だから、むしろ安全なんです。
それと、学校だけが安全というのは、ありえなくて。学校が安全であることは、地域も安全なんですね。それと活動してきて感じたのは、みんな我が子を守ろうと思うんですよ。
だけど、実は我が子を犯罪者にしないんだよというところまで行かないと、犯罪社会はなくならない。

小野 アナウンサー
どういう意味ですか?

岸 さん
自分の子どもに限って犯罪しないに決まっていると思い込んでいる親が多くて。かつ、自分の子どもだけ守ろうとするんです。
でも、自分の子どもが加害者になる可能性もあるわけなんです。
だから、となりの子どもも私の子ども、という関係性をPTAを通して作っていけばね。みんなが子どもを共有できるし、親同士も分かり合えるし。
場合によっては、子どもさんのいない若い夫婦であるとか、またはOLさんとか、独身の学生とか。または孫と暮らしたいけれども、別居しているおじいちゃんとか、おばあちゃんとかいるわけですよ。そういう人はさみしいわけですよ。
だけど、地域の孫と運動会で一緒に玉入れできたなんていうと。地域の子もかわいいよね。そういう方が増えれば、増えるほど安全性が高くなる。

文珍 さん
そういうのって、昔からある地域全体で子育てをしていきましょうということと。
で、子育てをする中で自分たちが逆に学ぶことが多いというような、そういう関係ですよね?

岸 さん
そうです。大正琴のおばあちゃんがね、僕らのサークルにあるんですが。学校に誘われて校内音楽会に参加するようになったんです。
そうしたらね、血圧が安定してきたんで最近薬飲まなくなったっていうんです。「子どもの笑顔が薬だね」と言いだしたんです。

山本 さん
うちでは「子どもたちに笑顔、大人たちに感動」というキャッチフレーズかかげているんですけど。子どもの笑顔を見ると大人は感動するんですね。
先ほど、その地域という話がありましたけど。地域には人材があふれているんですよ。で、うちでホームページを立ち上げようと思って、専門家に頼んだら10万円かかると言われて。ウェブマスターいませんか?という募集をかけたら専門家いたんですね。それで、その人にボランティアやってもらっています。
去年ですね、子ども祭りでお化け屋敷を企画したんです。
そうしたらですね、照明さんがいたり、暗幕屋さんがいて。カーテン足りないから家から黒いカーテン持って来るよ、というので真っ暗になったんです。冷房は20℃以下ぐらいに下げて、もうひんやり。
それで、カツラを持って模造紙の後ろに隠れてですね。こうやったら本当に生首を持っているように映し出して。そしたら大人気で、40分待ちですよ。

藤本 さん
ええーっ、すごい。

早川 解説委員

こういうふうにね、普段から地域といい関係ができていると、学校ってすごく力を発揮するんですね。
例えばこの、東日本大震災の被災地でこんなことがあったんですけれども。 学校に設けられた避難所に地域住民による自治組織がスムーズに立ち上がったのかどうかをたずねたんですけれども。
これ宮城県の場合です。地域の人たちがボランティアとして事業の手伝いをする学校支援地域本部というのがあるんですけれども。
これは、PTAが中心メンバーであったり、あるいはPTAの元経験者というのが中心になったりして活動しているんですけれども。
この人たち、こういう学校支援地域本部のあったところでは、避難所運営がスムーズにいったというのは95%なんですね。
それに引きかえ、なしというところでは、避難所運営がうまくいったが35%と。
うまくいかなかった。むしろ、ぎくしゃくしましたよ。混乱がありましたよ。 というのは40%ぐらいあるんです。

小野 アナウンサー
こんな声が届いています。
「シングルで2人の子育て中です。非正規雇用ですが、土日や夜なら協力できるのに。土日に集まりを開けないのは今の状況にそぐわないのでは?」
そして「職を失わないため、生きるためだけでも必死なのに、くじで委員会の委員長を引いてしまい、苦しんでいる知人がいます」という声が届いていたりしています。

岸 さん
僕らのときは、まだ学校週5日制が導入される前ということもあって、会議がみんな土曜日に移行したんですよ。
それから、あえてクラブ活動を土曜日に移行してもらって父親が参加しやすいようにしたんです。
つまり、PとTが同じ立場できちっと話し合いをすればですね、実は先生も助かることは受け入れてくれるんですね。先生の仕事って授業することですから。放課後残ったり、休日無給出勤することじゃないから。
だから、保護者が先生の権利もきちっと認めた上で、共通に大切なのは子どものことですから。だから子どものことを中心に。先生にもメリットがあって、保護者も楽しめること。例えば将棋やりたいと思ったら将棋クラブ入ればね、大人も楽しめるわけですよ。おじいちゃんも来られるわけですから。

小野 アナウンサー
うちのPTAも変えたい!と思っていらっしゃる方に一番最初にやるべきこと。まず何から手を付けたらいいんでしょう?

岸 さん
やはり同じような気持ちの人、たくさんいるということですよね。
だから僕みたいにちょっと元気な人がですね。やっぱり声を上げる。

まつい さん
まず私、男の人にたくさん参加してほしいかなという思いがすごくあって。
男の人たちはやっぱり今日いらしてくれた、スーパーなすてきなカッコいい会長さん、経験者、会長さんみたいな感じで。
システムを作る、変えるのが本当に上手なんですね。

山本 さん
あとは広報ですね。うちではプロモーションビデオも作って、みんな参加しようよということで。
PTO楽しいよ、みんなひとつずつ、ちょっとでもいいから。
まあ、6年間。1回ではできないかもしれないけれども、ちょっとずつみんなで助け合ってシェアすれば、大変だった活動も楽しくできるよということをみんなに伝えていきたいなと思っています。

文珍 さん
子どもたちから見て、いい大人の集団だなあと思えるような会がいいですね。

山本 さん
楽しむ大人の背中を見て、子どもが楽しく育っていけばいいなと思います。

まつい さん
だからこそ、今いっぱい、いっぱいだっていう人を逃がしてあげる。
逃がしてあげるために余裕がある人は、おせっかいでやります、やりますって。あたしやりますって、手を上げてみるのがいいと思います。

小野 アナウンサー
ありがとうございました。


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