2014年05月10日放送放送内容まるわかり!

“20人に1人” LGBTを知ってますか?

先月、米女優ジョディ・フォスターさんの同性婚がニュースに! 日本でも大型連休中、東京・渋谷で性的マイノリティーと支援者3000人のパレードがニュースに! こうしたことが日本で始まって20年。 でも「LGBT」、L=レズビアン、G=ゲイ、B=バイセクシュアル、T=トランスジェンダーの人たちのことはまだ十分理解されていません。
20人に1人といわれるLGBTの人たちは今どんな状況?訴えたいことは?深読み!

今週の出演者

専門家

針間 克己さん(精神科医)
村木 真紀さん(NPO法人 虹色ダイバーシティ代表)
山田 賢治(NHKアナウンサー)

 

ゲスト

金子貴俊さん(タレント)
佐伯チズ さん(美容アドバイザー)


小野 アナウンサー
今、LGBTに関するニュースが熱いんです。実は今週はブルネイという国で同性愛者の人たちに対して、同性愛者と分かったら来年から石打ちによる死刑と。
すごいところがありますね。今回は、こうしたLGBTということを考えようと思ったんですけど。
20人に1人。これ知らないだけ、気づいていないだけかもしれません。
きょうは徳永アナウンサーの基本の「き」からお願いします。

プレゼンテーション①

徳永 アナウンサー
はい、おはようございます。必ずや身近にいらっしゃいます。
で、その基本の「き」からいきましょう。性別は男女の2つではありません。
性別といっても、おもに大まかにいって3つあります、考え方。

体がどちらなのか?

自分というのものはどちらなのか?心の性です。

それから、どの性の人を愛すのか?好きになるのか?
これは、そもそも全部違います。 ちょっと見てみましょうか。
さっき出てきたジョディ・フォスターさんは、体は女性で心としても女性です。
で、愛す対象、結婚した方が女性の方ですね。

ジョディ・フォスターさんは、レズビアンと呼ばれる「L」というのがレズビアンという、こういうことでございます。
それから、ゲイの方。
いろいろありますけれども。例えばこういう方ですね。
体が男性。心も男性。で、恋をする対象が男性。

こういった方はゲイと呼ばれる方たちです。

それから、この方。レディ・ガガさん。
女性ですね、体は。認識としても女性です。
で、恋をする相手は男性に恋をすることもあれば、女性に恋することもあるんです。

ガガさんみたいな方は「B」バイセクシュアルというふうに呼ばれています。
LGBと説明しましたけど、「T」の方というのは、体と心の性をみて呼ばれます。
この2つですね。
つまり体の性と心の性というのが必ずしも一致しません。

逆になっている方を中心にトランスジェンダーというふうに呼ぶと。
全部説明するには時間がかかってしまうんですが。
いわゆる性的には少数派の皆さんというのがお分かりいただけたと思います。

山田 アナウンサー
実はね、この他にも好きになる性別、恋愛対象や性的欲求がない人をアセクシャルと呼んだり、いろんな表現方法がある。
人生いろいろ、愛もいろいろ、性もいろいろ。
島倉千代子さんが『人生いろいろ』をゲイイベントに呼ばれて歌ったそうなんです。
「男もいろいろ、女だっていろいろ咲き乱れるの」で、大きな拍手が起こったそうです。

徳永 アナウンサー
少数派の人たちがいることは分かっていただけましたが。
いろんなニュースが世界中であります。
調べてみました。LGBTワールドニュース。

さっき小野さんが言ったニュースがわりと多いんです。
ネガティブなニュースがわりと報じられることが多いですが、調べてみればポジティブなニュースというのは山のようにあったんです。それをお届けします。
まず、この話からいきましょう。結婚の話です。

同性婚を認める動きが世界中で広がっています。
最初に法律を国で認めたのはオランダで、2000年。
そこから毎年のように増えていて、今、世界16か国で。国としてOKですよ、というだけで16です。
地域で認めているところ、これ入っていませんし。
異性と同じじゃなくても、事実婚を後押しする法律を新しく作っているのはここに入ってきていませんから。
これ、どんどんと広がっているということなんですね。
それからこんな動きも3年前ありました。

国連の決議で「差別をなくそう」と世界中に呼びかけましたが、その中でちゃんとLGBTの皆さんの権利もしっかり守りましょうという呼びかけを国連は世界中にもうしています。
政治の世界、欧米を中心にこういう方々が増えています。

自分がLGBTだということをちゃんと公表して、その上で選挙で当選して政治のトップになっている方、欧米で増えています。
ざっと調べただけでも少なくともこれだけ。ちょっと調べただけでもいらっしゃいます。
このパリの前の市長のベルトラン・ドラノエさんという方は、前の仕事が国会議員でした。
テレビに出ていました。突然、自分のことをカミングアウトしました。
その後、市長選挙に出て当選しました。
訴えの中にはもちろん差別のない社会を作りたいと、自分の本にも書いていらっしゃいます。
13年市民に支援されて務めたというのもあります。
政治の世界でもいろんなことが起きていますが。
地域の活性化、この動きもあります。

ちょっとこんな話があるのを知っていましたか?
中東のイスラエルのテルアビブというところは、この絵で分かるとおり観光地。
世界中から観光客が来る土地なんですが、観光客を増やすなにか作戦はないかということで、これを新しく仕掛けました。

「世界中のLGBTの皆さん、遊びに来ませんか?」と言って、大パレードを企画して、LGBTの関する映画の映画祭も開いて一週間、大キャンペーンを組んだんです。
世界中からLGBTの人を中心に参加者がいて。
40万人ほどの町なんだそうですが、この一週間のお客さん。

国内外あわせてこれだけ。
これもあってか、テルアビブ一年間の観光の経済効果。

観光でお金がどれくらい動いたかというと。収益アップ大成功と。
それからアメリカいきましょうか。アメリカはニューヨークのお話です。

ウィリアムズバーグ地区というところは、かつては人があまり少ない。
どちらかというと、さびれたほうの町でした。ある出来事が起きます。

DJのラリー・ティーさんという方がクラブミュージックのイベントを企画しました。
この方はゲイであることを公表しています。

この地区の辺りの人たち、ゲイの皆さんの横のつながりというのが、すごく深いところで。
そのうわさを呼びまして。まずはゲイの皆さん、たくさん集まって来た。
大変ニュースになった。話題を呼んだ。

もうゲイとかそういうのは関係なく、みんな来た。
どんどんうわさがうわさを呼んで人気になってきた。
驚くのは、このイベントで終わらなくて。

今でもウィリアムズバーグというのは、アートとかおしゃれの最先端という認識があって。
今でも人がたくさん来る町になっているんだそうです。
経済効果というのは、かくのごとくあるというのは数字の面でも裏打ちされておりまして。
ニューヨークつながりでいきますよ。こんなデータがあります。

ニューヨークというのは州として同性婚を認めております。
そうすると8200組以上の方が同性婚をあげている。これ全体の1割なんですって。
考えてくださいよ。同性婚を認めるということは、結婚するカップルがグンと増えますよね?
ということはパーティをいっぱいしますよね。人たくさん来ますよね。物、売れますよね。泊まりますよね。

200億円の経済効果。
さらにアメリカ、こんなデータをまとめています。
アメリカという国で、LGBTの皆さんが一年間に買い物をする金額を全部足すとどれぐらいになるか?という計算があります。
ご覧いただきましょう。これだけの市場規模です。

実は、この市場を獲得しようという競争も企業間で始まっているほどの出来事。
世界各国いろいろ動きはあるのでございます。
以上、LGBTワールドニュースでお伝えしました。

村木 さん
これ日本でも始まっていまして。日本だと5兆円から6兆円あるといわれているんですよ。
実際、私も同性同士の結婚式に次々呼ばれるようになってきまして。
大きなホテルやテーマパークなどで結婚式がおこなわれているんです。
まあ、20人に1人ですから、もちろん会社の中にもいるんですよね。
20人に1人。日本の会社でも、社長さんや副社長さんがLGBTだというところは実際にあります。

小野 アナウンサー
実際きょうは、LGBTであることを公表していらっしゃる方々にも来ていただいています。
それで、LGBTの人たちの消費動向というか消費傾向ってあるんですか?

村木 さん
そうですね。子どもがいないことが多いので。
共働きで子供がいないことで、例えば旅行だとかフィットネスなどにお金を使う人が多いとは言われています。

金子 さん
美意識とかが高いイメージがあるんですよね?

村木 さん
美容関係の方でカミングアウトする方多いですね。

佐伯 さん
私はね、20歳から美容のほうに入っていますでしょ。
外資系だったんですけど。向こうから来るアーティスト、ファッション関係にしても化粧品関係にしても、ほとんどがそうなんですよ。
だけど物すごくお友だちになりやすいというのか。
すごくデリケートで優しいんですよね。

柳沢 さん
そうですね。
やっぱりふだん、例えば外食だとか、レジャーだとかということにすごく凝っている友人って多いと思います。

小野 アナウンサー
人気の観光地とか、そういうものあるんですか?

柳沢 さん
やっぱりビーチであったりとか。
私の場合はゲイなので、そういうビーチのカルチャーが好きであったりとか。
温泉だったりとか、海外によく行くといった友人も多いと思います。

武田 さん
あと、わりと飲食関係で使うことが多いですよね。
みんなで集まって食事をしましょうとか。
あとホームパーティを開いたりとか。
そういう友人もたくさんいます。

小野 アナウンサー
じゃあ、そういうお店ですとか、観光地の中には、もうすでにLGBTの方々いらしてくださいというような動きもあるんでしょうか?

柳沢 さん
まだまだ日本だと、なかなか一緒に入れないと。
例えばホテルでダブルベッドなのか?ツインベッドなのか?
旅館でふとんが2つ並んでいてすごく離れていたりとか。
そういうのを見ると海外のほうが行きやすい、海外のほうが受け入れられやすいということで、ハワイに行ったりする方多いと思います。

小野 アナウンサー
なるほど。でも海外でも、ここは歓迎されているんだなとか、ここはそうでもないんだな、ということはないんですか?

武田 さん
それは一応しるしがあって。
今、たまたまここにレインボーウィークのしるしなんですけれども。
そういう虹色のものを。例えば国旗ですとか、そういったものにして、表示。
お店の外に出している場合は「LGBTフレンドリーのお店ですよ」という、ひとつのお店側の意思表示として出すので。
そういったところにみんなが行きやすい、というかたちです。
そういう目印があります。

山田 アナウンサー
それからトランスジェンダーの方は、男性用トイレに入ったらいいか?女性用トイレに入ったらいいか?と迷われることがあると思うんですけれども。
例えばタイでは、マークで体半分が赤、半分が男というマークをつけて「入っていいですよ」というような目印を出したり。

金子 さん
世界から見たら日本はまだまだLGBTの方は生活しづらい環境なんですか?

針間 さん
そうですね。まあ、なんというんですかね。
オープンにしなければ、そんなには困らないけれど、オープンにしづらい。
微妙な状況じゃないですかね。
ゲイ、レズビアン、バイセクシュアルの人と、トランスジェンダーの人とは、またちょっと事情がちがって。
日本はトランスジェンダーは、性同一性障害という医学的疾患という枠組みでは大分理解が進んでいると思いますね。

小野 アナウンサー
そういう医学的な枠組みでとらえられて、手術を受けて、問題を解消しようとする人たちがいたり。
そういう人たちの戸籍の変更も認められているんじゃなかったでしたっけ?

針間 さん
そうですね。日本の場合は、性同一性障害特例法というのが2003年にできまして。
それで手術をすれば戸籍の性別が変えられるんですが。
先ほど世界のほうで同性婚が進んでいるという話ですが。
世界のほうは、法律的な性別を変えるというのはもっと進んでいてですね。
そういう手術をしなくても、自分の心の性別だけで性別が変えられるという、もう時代が来ています。
実際に日本に在住しているアメリカ人やオーストラリア人の方々の英文の診断書を書いて、大使館に出したら、もうパスポート変えたという人が何人かいますんで。
へーえ、という感じですね。

徳永 アナウンサー
ツイッターのほうでも、いまご意見を受けてきていて。
例えば、これたぶん雇用者の方だと思うんですけど。
「トランスジェンダーの方を雇ったことがあるけれど、トイレをどうするか悩んだことがあります」

室井 さん
トイレで言うと、今では『だれでもトイレ』というふうに表記がされている場所もあるんですね、公共施設の中で。

山田 アナウンサー
障害がある方だったり、それから妊婦さんが入れるという。
ピクトグラム、マークありますよね。
そこに入るという方が多いですよね。トランスジェンダーの人。

真弓 さん
でも、やっぱり仕事場になってくると。その、なんていうんですかね。
着替えをする場所だったりとか。というのが更衣室の問題が出てきてしまうので。
日本で過ごしている方々の。僕もトランスジェンダーの心と体が一致していないんですけど。
そういう人たちは手術をするのが結構、大変だったりとかもするので。
手術途中とか、移行途中の人たちの更衣室の問題だとか。
あと、大きい企業になるとやっぱり社員全員じゃないですけど、その方々の理解というのがやっぱり難しくて。
僕なんかは、アルバイトをするときでも「男・女」のところに○を付けるのに抵抗がありまして。
そういう問題もあるので。面接のときに頃合いを見て、カミングアウトするだとか。
やっぱり個人店のお店でアルバイトをするという経験を今はしています。

小野 アナウンサー
受け入れる側の企業の話がちらっと出ましたけど。実は、こんな声も届いています。

視聴者の声

千葉県・40代・女性
「ほかの国の情報を聞くと、たしかに日本は遅れていると思う。世界基準など国と国とがある程度の統一見解や法規を定めてくれたらいいと思う」

小野 アナウンサー
というメールがきているんですが。
実はですね。今、日本の制度変わりつつあるんですよ。
ちょっとその情報を聞いてから、さらに議論を深めていきましょうか。

プレゼンテーション②

徳永 アナウンサー
実は近々のお話なんですよ。
日本でも大きな変化というか、最初からあるべきことなんですが。
こんなニュースがありました。
今年の7月から、この法律はもうたぶん聞いたことがある方も多いんじゃないですかね。

『男女雇用機会均等法』というものの改正ガイドライン。
つまり、こうやって解釈して守っていきましょうねというお達しが国から出るんです。
内容は変わっていないんですが。こう書いています。
実はこの法律にセクハラのことが書いてあるんですけれども。ここです。

異性だけじゃないですよ、この法律は。同性に対してもあるんだから、ちゃんと守りましょうねというのが、お達しで出ています。

ということは、もちろんLGBTの方へも配慮をしましょうね。
そうしなきゃ、もうセクハラと同じですからね。異性間の。

小野 アナウンサー
セクハラって、あれでしたよね?言われたほうは不快に感じてやめて欲しいと思ったら、それはセクハラというふうになるんでしたよね。

徳永 アナウンサー
いじめとかセクハラ、まさにそうです。
受け手が傷つくかどうかで、私たちは考えなければならない。
実はこれからのプレゼンは、きょうお越しの皆さんと一緒に作りました。
いろんなシチュエーション、こっちで用意しました。

それが、ありか?なしか?それは許せるか、やっぱりやめて欲しいか?というのを、ちょっとうかがってみようと思います。
いろんなシチュエーションを用意しましたが。
例えば職場でよくあるこんなシーンいきましょうか。

給湯室。本当にあるかどうか分かりませんが。
OLの人が良く話うわさしていますよね。
この人、気づいていませんが、この方はレズビアンです。それを公表できていません。
その上で、こう聞いたとします。

「最近、彼氏できた?」って。ガールズトークですよね。
さあ、これって許容か?やっぱり傷つくからやめて欲しいか?というのを、うかがいたいと思います。
実は、お手元に○☓の札を持っていただいています。
率直にお聞かせください。お願いします。

小野 アナウンサー
ちょっとじゃあ、☓の方からお聞きしましょうか。
明智カイトさんいいですか?

明智 さん
はい。やっぱり職場で恋愛の話とか、結婚の話とか。
彼氏がいるかとか、彼女がいるかとか。
そもそもそういう話を触れて欲しくないというか。
やっぱり仕事をしに行っているわけだから。
別にそういう恋愛の話とかをしに来ているわけではないので。
そういう話はプライベートなことは聞いて欲しくないなというふうに思っています。

柳沢 さん
やっぱりカミングアウトしていないと、こういう話題にならないように、ならないようにと、ずーっと毎日神経を使って、ストレスをためているんですね。
それがやっぱり基本的には、仕事に集中できなくなる要因になる可能性もあるので。
なるべくこういったこと。例えば「最近、恋人できた?」というふうなことに、職場が変わっていけば。
私は聞かれても、わりと大丈夫だと思うんですけれども。
彼氏彼女、男性女性と限定しなくてもいいことは、限定しなくていいんじゃないかな?というふうに思います。

室井 さん
私は、今はもうすごくオープンにしているので。
「彼氏できた?」って聞かれたら、「いや、彼女がいるんだよ」というふうにたぶん答えると思うんですね。
だけど、やっぱり話を人に伝えるまでは、ドキドキするというか。
「彼氏」という単語を聞くと、あっ、ちがうというので、ビクッというのは、もうちょっと染みついてしまっているのかなという気がします。

徳永 アナウンサー
つまり性別をわざわざ特定しなくてもいいじゃないですか?という表現を、まず言わなくてもいいんじゃないか?というくくりでいくと。
例えばこんなシチュエーションは、アウトですよね。

上司が、男性社員だけど心が女性のトランスジェンダーの人に「男のくせに」とか。

それから、例えばうわさしているときに、こういう特集を見たときに「いやいや、あり得ないよね」とか、わざわざ言うことではないんじゃないでしょうか?
それでは、こちらはどうでしょう。

ある家で、男の子同士がテレビを見ていました。
同じシチュエーションです。ゲイであることを言えていません。
この人、知りません。ある映画を見て、こう言ったとします。

「その映画、ホモの間で最近流行っているらしいよ」と。
みなさんにあげてもらいましょうか?

武田 さん
すごい微妙な問題なんですけれども。
ゲイというのは、まだいいんです。
なぜならゲイカルチャーとか、ゲイ文化という言葉があるように、ゲイのほうが肯定的にとらえられるんですね。
ところが、ホモというと。ホモとかオカマという言葉がありますが。
侮べつ的ないじめのときに「アイツ、ホモじゃねえ?」とか。
「オカマみたい」とかというように使われるので、あまり使って欲しくない。
それでちょっと傷つく人もいるので。それは、ちょっとデリケートな問題なのですけども。
でも存在としてあるので。言葉狩りみたいなことはしたくないですけど。
ゲイだったらまだ存在としてあるけれども。できるだけそういう表現をするときは「ゲイなの?」と。
例えば聞きたくなったら「ゲイなの?」とか。
あと、レズとかレズビアンとかという問題もそうなんですけども。
「レズなの?」というと、ちょっとやっぱりそれも侮べつ的な表現になるので、傷つく人は多いので。「レズビアンなんですか?」とか。
ビアンという言い方はまだOKなんです。本当に微妙なんですけども。

真弓 さん
僕の場合は、今の皆さんの反応見ていてもそうなんですけど。
それが侮べつ的だとか、こっちが使われて、ちょっとイヤだというのが浸透していないのが僕は分かっているので。
だから、そういうふうに言われても、確かに流行っているのはそのとおりだしとか。
そういう感じですかね。

徳永 アナウンサー
もうひとつ、いきましょうか。
この番組を見て、月曜日会社で絶対こういう会話あると思うんです。

「20人に1人って、ウチの部署だと誰だろう?」上司がみんなの前で言った。
その中に隠している、言えていない方がいたとします。
これって、ありなのか?いや、つらいのか?そのあたりをお聞きしたいんです。札をお願いします。

柳沢 さん
やっぱりすごく言うには勇気がいることなので。
あぶり出す、探し出すようなことだと本当に厳しいなと感じます。

明智 さん
せっかくやっぱりこういうふうな番組で取り上げてもらったんだから、積極的に職場とか、身近なところで、LGBTの話題を取り上げてもらって、もっと身近なものとして認知して欲しいなと思ったので、○にしました。

針間 さん
やっぱり聞くのってすごく難しい問題で。僕、精神科で普通に臨床しているんですけど。
初診で来て「自分、うつです」とか「眠れないんです」とか言う人がいるんですよ。
だけど、ゲイだろうなと思うんですよ。
わざわざ遠いところからウチ来て、本当はゲイでうつで来ているんだろうなというんだけど。
ゲイですか?とは聞かないですね。本人が3回目、4回目で「実は...」と言うのをじっと待つという。
やっぱり本人が言いたくなるときというのを待つ、のがやっぱりいいのかな?と思います。

佐伯 さん
でも私ね、日本人の一番悪いところだと思うんですけど。
なんでそういうことを聞くのか?ということをふくめて言ってあげると、言いやすいほうもあるし、言わないでおこうということもできると思うんですよ。
だから、こういうことがあって。今までそういうふうに失礼があったかもしれないしって。
安心してみんなと一緒にコミュニケーションとっていきたいので。
もしそういう人がいるんだったら、この際みんなではっきり理解し合おうよということで、こういうことを聞きますと言われたら、私、言いやすいと思うんですよね。
だから、聞くほうの問題の提言の仕方があると思いますよね。

山田 アナウンサー
いかに肯定的にとらえるか?という。
「誰だ?」という。まあ、犯人捜しみたいな表現ではなくて。
いるんだよねと肯定的にとらえられると。柳沢さん、いいですよね?

柳沢 さん
そうですね。普通に働きたいって、他の人と変わらないように働きたい、というふうに思っているだけなので。
本当にそれが自然になるような。
先ほどのお話のコミュニケーションがあるとすごく助かると思います。

小野 アナウンサー
ただちょっと難しいと思うのは、例えばですよ。
「最近、恋人できた?」というケースは、きっと何か月か前に「彼氏いるの?」という会話があったような気がするじゃありませんか?
「いないよ」と、そのときサラッと返されていたら、相手がそうだとは絶対思わないと思うんです。
打ち明けてもらえているかどうかで、こんなに受け手の印象が変わるかと思うと。
ちょっと正直、お付き合いすることに、ためらいや怖さを感じるところがあるんですが?

村木 さん
でも、たぶんウチの会社にはいないよと考えてしゃべるのと、いるかもしれないと思ってしゃべるのでは、ちょっとちがうと思うんですよね。
当たり前にいるもんや、と思ってしゃべったほうが、たぶん受け入れやすいんじゃないかなと思います。

金子 さん
そうですね。
いると思ったら言葉使いも気をつけますもんね。

小野 アナウンサー
いや、でもやっぱり1人も具体的に知らなかったときに、本当に想像力だけでそこまで思いやりというものが持てるものでしょうか?

室井 さん
そこはなんかお互いの歩み寄りというか、必要なのかなと思っていて。
「彼氏できた?」と聞かれて「いや、恋人なんだよ」というふうに聞かれた側も返しをするということから。
「彼氏じゃなくて恋人ってどういうことなんだろう?」と、たぶんその受けとった方は思われるので。
彼氏というものではないけれども、大切な人がいる。
つまりそれは男性じゃないかもしれないな、というようなふうにつながっていくと思うんですよね。

小野 アナウンサー
やっぱり仲良くなれば打ち明けられるものなんですか?
そうじゃなくて、やっぱり仲良くなったからといってそんな簡単じゃないよと。

真弓 さん
仲いいからこそ言えないとか。
やっぱり友達として失いたくない人は、打ち明けたときに離れていってしまう恐怖というのが。
最初の頃、最初の頃って言い方あれですけど。
僕もすごい揺れているときとか、自分を認められていないときは、それを言ったら絶対的に切られてしまうというか。
拒否反応を起こされてしまうというイメージが僕らも小っちゃいときから植えつけられているものなので。
大事になれば、友だちとして深くなればなるほど。
まあ、もっと言えば好きな人とか、愛してしまった人に対してのほうが、カミングアウトしづらい時期というのが、やっぱりありますね。

室井 さん
私で言うと、同僚だったりとか、それから恋人だったりとかには伝えられることはできたんですね。
だけど一番最後にカミングアウトした相手というのが、実は両親で。
ずっともう言えなかったんですね。
で、私、去年パートナーと同性婚のパーティをしたんですけれども。
そのパーティをすると決まったときに、初めて、じゃあ親に言わなきゃな、本当にというような感じ。
やっぱり一番近い存在で、一番自分のことを知っているからこそ、そんなの受け入れられないと言われたらどうしよう?というのはすごい思いましたね。

真弓 さん
僕も一番最後は親でしたね。
やっぱり悲しませてしまうというのが、一番自分の中にあって。
で、言ったときに母親。まあ、父親もそうですけど。
僕、女の子として生まれて。「元気な女の子ですよ」って言われるじゃないですか?病院で。
そのときに当たり前に無意識に思い描いていた親としての夢があると思うんですよ。
それを全部うばってしまうような気が僕はずっとしていて。
それをずっと解消できずに、どんどんどんどん年齢が上がっていくんですけど。
そのときに、でもそんなことより笑顔で暮らしているほうが親にとってはいいのかな?という考えに自分が変わったときに。まあ、言わなきゃなというのと。
そういうタイミングでカミングアウト。
でも、やっぱり個人差はあるので。いまだに言えていない方もたくさんいますし。

金子 さん
カミングアウトしてみて、親との距離ってなんか変わりました?

真弓 さん
最初は1回は、バンって離れましたね。
だけど、やっぱりまわりが認めてくれていること。
僕がこうやって外に出ていることっていうのを親が見て。
まあ、だんだん安心してくれて。今は仲よくなっています、はい。

小野 アナウンサー
言うのは言ったほうがいいということなんですか?

真弓 さん
いちがいには言えない。

武田 さん
環境にもよるし。言いやすい。
ウチの場合は、親に言ったときに「安心した」って言われたんですね。
「あなた、別にそんなに女の子の友だち多いのに、なんで結婚しないのだろう?とずっと思っていたけれど。ああ、ゲイだったら、まあ、しょうがないよね」というふうに受け止めてもらえる親だったから、言えたんですけど。やっぱりその人の。
だから全員がカミングアウトしなきゃいけないとも思わないし。
カミングアウトできる人はしてもいいけれど、それを強制することはできないなというふうに。

小野 アナウンサー
例えばひとつ職場にひるがえって考えたときに、相手の人が共鳴してくれるとは限らないということですよね。
LGBTの人が自分はそうです、と言ってくれるとは限らない。

村木 さん
親に言えない状態では、やっぱり職場にも言いにくいですね。
ハードルが高いです。

金子 さん
実際にカミングアウトするのとしないのとでは、どっちが生活しやすいんですか?

柳沢 さん
なかなか、もうしてしまった後なんで比べにくいわけで。
ただ、やっぱり私の場合は、職場でカミングアウトしていると、実は逆に入って来ないんですね、ネガティブなことが。
昔、していなかったときには、私のことをゲイだと思っていない人が「いや、アイツこっちらしいよ」とか、そういう話が入って来て、傷ついていたんですけれども。
今は、まわりが気を使って言わなくなったので。逆になかなか入らなくなっています。
ただ、やっぱりすごく考えて。それこそ自殺を考えるような方もいらっしゃって。
本当に根深い問題じゃないかなと。

山田 アナウンサー
特に子どもの頃ね。いじめや、からかいってね?
明智さん、結構受けることってありますもんね。

明智 さん
はい。私は中学とかにいじめを受けていて。
19歳のときに自殺未遂をしたんですけども。
最近のやはり私が代表しているホワイトリボン・キャンペーンで大規模な調査をしたところ、当事者の7割ぐらいの方がなんらかのそういういじめの被害を受けているという調査結果が出まして。
当事者のほとんどの人が、子どもの頃になんらかの被害を受けているということが調査結果でも明らかになりました。

針間 さん
性同一性障害に対しても、ちょっと僕、調査をしたことがありまして。

自殺を考えたことがある人は62%で。
実際、自殺未遂、自傷行為、リストカットとかですね。
あと薬のまとめ飲みなんかをした人も結構います。v で、僕じゃないですけど、日高先生という先生が、ゲイとバイセクシュアル男性に調査をしても、やっぱり6割以上の人が自殺を考えたことがあって。
なおかつ自殺未遂のリスクが一般の男性より6倍高いという、そういうデータもありますね。

村木 さん
会社の中に当たり前に20人に1人いて。
そういう人たちが働きにくいと感じているのは、やっぱり会社にとっては損失だと思うんですよね。
働きにくいなぁと思っていたら、やっぱり辞めちゃう人もいると思うんです。
そういう人を減らすためにも、なにか会社がアクションを起こすことが大事なんじゃないかなと思うんですよね。
例えば「ウチの会社では差別しませんよ」と言ったり。
LGBTってホント知らない方が多いので、会社の中で勉強会をしたりですね。

小野 アナウンサー
会社のそもそも、NHKだとエントリーシートと言うんですけど。履歴書ですよね?
応募書類みたいなものに、そもそも「男性ですか?女性ですか?」しか書いていなかったりするじゃありませんか?

村木 さん
そこ、大きなハードルです。
トランスジェンダーの方も、実はLGBTの方も就職や転職のときに困難を感じるという人がすごく多いんです。
トランスジェンダーだと7割ぐらいが「困難を感じる」と回答しているんですね。

針間 さん
トランスジェンダーは、見た目の問題があるので就職活動しにくいというのは、割と分かりやすいんですけども。
こういう話をすると「ゲイ、レズビアンは言わなきゃ分からないじゃないか」というツッコミが時々入るんですけど。
大学生でゲイ、レズビアンで就職活動している人なんかに聞きますとですね。
就職活動って結構、自分を見つめるじゃないですか。
で、「あなたは大学時代なにをしましたか?」とか「あなたはどんな人ですか?」みたいなすごく突きつめた質問をする中で。
やっぱりそのゲイ、レズビアンという自分のアイデンティティーの問題が隠したまま就職活動というのは、非常にしづらいという話は聞きますね。

村木 さん
学生さんの面から見ても。どこが働きやすいのか分からないというのは、すごく悩んでいます。
ただ、それって会社からしたらすごく有能な人材を逃しているかもしれないんですね。

小野 アナウンサー
そうですね。優秀な人材、来ないな、来ないなと思っている会社の人は、ひょっとしたらなにから始めたらいいとおっしゃいますか?

村木 さん
実はですね。こんなものがありまして。

アライというのがあります。会社の中でなにをしたらいいか?
当事者は言わなきゃ分からないですけども。
この人は見ることができるんです。
これはですね、英語でして。
LGBTについて理解してサポートするよと言う人ですね。
私たち研修終わったあとに、こんなステッカーを配っていて。

これを自分の名札とかに貼ってくださいとお願いをしているんですね。
アライさんを見える化するということです。
このアライは、アライアンスといって「同盟」という英語の略ですね。
これをかかげるということは、私はLGBTについて理解して、サポートしたいと思っていますよという。仲間ですということです。
例えば差別的な言動があったら「そんなん、あかんのちゃうん?」と軽いツッコミを入れてくれること。
それがあるだけで、大分気持ちが楽になります。
かなり特別なことをしなきゃいけないわけではなくて。
ちょっとなにか会社の中でやりにくいなというハードルをちょっとだけ下げてあげることで、当事者もハッピーになるし、そうじゃない人もハッピーになれると思うんですよね。

武田 さん
ただレインボーだけだと当事者だと思われるといけないので。
レインボーを付けていると、当事者だと思われてしまうのがイヤな人もいるわけで。
例えばストレートの方が、これを付けていたら、やっぱりゲイかもしれないと思って。
ゲイの人はそういう目で見ちゃう、声掛けちゃう、ナンパしちゃおうという。
それはイヤじゃないですか、やっぱりストレートの人からすると。
それを避けるために、別のまたアライというマークだとか。
そういったものを作ったほうがレインボーと区別したほうがいいかと。

金子 さん
ステッカー以外にそういうふうにアピールする方法というのはないんですか?
ふだん身に付けるとか?

佐伯 さん
赤い羽根とか青い羽根とか。ピンバッチみたいなものとか。

村木 さん
そうですね。ピンクのトライアングルを付ける人たちもいますね。
それは昔、ナチスで同性愛者が虐殺されたときに付けられたマークなんですが。
でも、そういう歴史を知りながらもサポートするというマークですね。
やっぱりアライの人がカミングアウトして、自分で話して欲しいんですね。
LGBTに関して、なにかポジティブな気持ちを持ってるというのを、外に向かって話して欲しい。
それが当事者にうれしいと思います。

柳沢 さん
実際に大規模な企業の人事担当者が一堂に集まって、どうやったら人事の人たちがアライになれるんだろう?というのを大きな電機メーカーで開いたり、とかということがありました。
今年も11月に100規模でやることなので。
少しずつ日本の企業も動いていると思います。

小野 アナウンサー
企業の場合は、まず人事担当者がアライというのを例えば貼ってあげる。

村木 さん
はい。そうなると当事者がなにか問題を感じたときに、この人だったら相談できるかもと思えるんですね。
誰に相談したらいいか分からない。アライの人も外から見えないんです。
この人、理解あると分からないので。アライだと言ってくれたら、なにかのときに相談できる。
それが大事だと思います。

金子 さん
そういう意味ではあれですね。
企業もそうですけど、学校の先生とかもアライになって欲しいですね。

山田 アナウンサー
そうですね。宝塚大学の日高教授に聞いたところ、授業にLGBTについて取り入れた経験のある先生って14%しかいない。先生も知らないんですよ。
そういう中で、例えばこういう本を読んだらいいんではないか?というのを。

奈良の教職員組合なんですけど。
お父さん同士のカップルが子育てをしてハッピーになりますよと。
いろんな家族のあり方があっていいんだよということを読み聞かせで伝えるということもやったりしているんです。

小野 アナウンサー
ツイッターいろいろきています。
「カミングアウトするまでより、カミングアウトしてから後のほうが課題は山積みだと思う。そこをもっとくわしく知りたい」とおっしゃっていますが。
なにかひと言、これを言っておきたいということありますか?

柳沢 さん
カミングアウトすると、カミングアウトされた人がよく私たち言うんですけど。
バトンを受け取ったことになる。
秘密であったり、デリケートなことを受け取ったことになる。
で、それをやっぱり押しつけてしまうのが、すごくイヤだと当事者も思うし。受け取った側のことを受け取られたストレートな人がどうやって伝えたらいいのか?というのが、次の課題じゃないかなというふうに思っています。

武田 さん
あと、もうひとつ。
カミングアウトしたくない人と一緒に歩いているときに、僕と一緒に歩いていると、自動的にカミングアウトしてしまうことになるので。
その人たちとの接し方。
カミングアウトしたくない人との接し方も僕たちは考えなければいけなくなりますね。

小野 アナウンサー
アライのマーク欲しいです、という声いっぱいきています。
これ手作りでもいいんですよね?
自分で虹の絵を描いて「アライ」って書くとか。

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