2014年05月24日放送放送内容まるわかり!

地方の町が消える!? 人口減少にどう立ち向かう

世界でも例をみない勢いで少子高齢化と人口減少が進む日本。 今月、人口問題の研究グループの報告で全国の市区町村のうち896の自治体が、人口減少によって町がなくなる"消滅可能性"があると言及されました。 見えてきたのは、日本の人口減少が一気に加速するという"負のスパイラル現象"。 これまで何度も語られてきた人口減少問題ですが、打つ手はないのか、どうすれば回避できるのかなど、とことん深読みします。

今週の出演者

専門家

樋口 美雄さん(慶應義塾大学 教授)
藻谷 浩介さん(日本総研 主席研究員)
藤山 浩さん(島根県中山間地域研究センター 研究統括監)
竹田 忠(NHK解説委員)

 

ゲスト

増田 英彦さん(ますだおかだ)
早見 優さん(歌手)


徳永 アナウンサー
おはようございます。昔から人口減少とか過疎高齢化、少子なんて言っていますけど。
大分イメージとちがうと思います、皆さん。私も驚きました。
なんとなく人口減少問題というと、このイメージないですか?

若い人が刺激や仕事を求めて、地方を出て、東京に行く。

つまり高度経済成長からバブルにかけては、好きで東京に上京していたと。
若い人が減って、お年寄りの数が増えていくよねというイメージ。
で、こういうことがよく言われてきましたよね。

若い人がいないから物を買わない。店の売り上げ下がる。税金も取れない。
公共サービス・社会保障不安でさみしい限りだね、と言い続けてきたんですが。
今回の報告書は、いやいや過疎なんて言っているところは、実は次の段階にもう入り始めていますということがちゃんと書いてあります。
なにが変わったかというと、ここです。

お年寄りが減り始めた。
高齢化というと、お年寄りの数が増え続けるイメージがありますが。
今、変わってきたのは、そのお年寄り自体が減り始めた。
戦前生まれの人は、寿命を迎える人も年代的には増えてきましたが。
団塊から下の人は「俺ら、東京さ行ぐだ」と言ったまま帰って来ていないんですよ、多くの人は。
だから、お年寄りの数自体が減り始めたのが最近の動き。
で、そうなると何が起こるか?をいきます。

そうはいっても、地方の経済が回っていたのは、お年寄りが年金をもらって、それでお金を使っていたからという側面もありましたが。

お年寄りの数が減るということは、これが当てになりません。

ということは、売り上げがガタッと落ちて、お店がやっていけない。

お年寄りがいなくなるということは、病院や介護施設の経営もやっていけない。

じゃあ、そこで働いている若い人は、仕事がないので仕方なく東京へと。
実は2000年以降は、好きで行っているというよりも、むしろどうしても仕事がないから、仕方なく行っているという人も増えてきているんです。
そこで、このデータです。

消滅のおそれが将来ありますよ、というのが896。
つまりこれは、子どもを産むことが多い20代、30代の女性の人が、特に仕事を失って地方を離れているので。
このまま放っておくと、2040年にその世代の人が半分以下になりますよと。
そうすると、もう消滅に向かっていかざるを得ないかもしれませんから、今から考えましょうねというようなことなんです。
自治体ですから、さっき言ったとおり、県庁所在地も入っていると。こういうことでは、あるんですね。
番組で募集したら、地方都市の方からいっぱい声がきて。
ちょっと一部ご紹介します。こういうことです。

地方都市の方からの声

埼玉県上尾市(人口23万)の方
「駅前の商店街はひっそりです。歩く人も車の通りも前より少なくなってきました。夜の一人歩きが怖い」

北海道小樽市(人口13万)の方
「頼みの若者がどんどん小樽を離れ、3人に1人が65歳以上。毎年冬になると、除雪に大変苦労します。」

福岡県遠賀町(人口2万)の方
「私の団地では、病気や高齢のために亡くなる人が増え始めています。古い団地は住民と共に朽ちていくような気がします」

山梨県南部町(人口9千人)の方
「毎日家にある町内放送を聞いていると、出産の放送より圧倒的に高齢者のお悔やみ放送が多いので、人が減っていくのを感じています」

実は私も新人の頃、島根県に赴任していて。
過疎の問題は、当然いっぱい取材してリポートも出しましたが。

実は一番縁遠いと思っている方は、ここ、東京の方です。
過疎のニュースをやると、ウチは関係ないよねという感じに映るのが東京ですよね。
今回、この「消滅」という言葉が衝撃的だったんで、報道はこっちの話ばっかりしていますけど。
今回の報告書の大きな柱は、ここだけじゃなくて。いやいや過疎が縁遠いと言っているこの東京さん、アナタもこれから大変ですよという話がちゃんと書いてあるんです。
東京です。東京は過疎とは関係ないでしょう。
だって、にぎやかだし、オリンピックもあるし、人もたくさんいるし。
というにぎやかなイメージがもちろんありますよね。
でも、これから待ち受けていることです。

地方からいっぱい若い人来ましたよね?
いつまでもその人は若いですか?
時が経つということは、この若い世代が。

これは宿命ですよね?でも、肝心要の若い人は、増えづらい。
なぜかというと、さっき申し上げたとおり地方都市は人がどんどん減っているから、いつまでも人は供給されないでしょう。
じゃあ、東京にたくさんいた若者は、子どもをどうしているの?
実はこんなデータをどんどん貼っていきます。

まず、東京は20代~30代の未婚率、日本一です。

初婚年齢も最も高いです。

子どもを作りたくなっても、待機児童ワーストワンです。

ここまでくれば分かるでしょう。
東京都は正直言って、子どもを産み育てづらいところと言わざるを得ません。

だってこのデータです。
女性が一生に産む子どもの数、出生率は1.09で断然最下位。
結婚・子育てしづらいところと言わざるを得ません。
じゃあ、地方に帰って育てようかなと思う人が出てくるかもしれませんが。

気づいたときには、もしかしたら仕事がないし、町がないかもしれませんよ。

このまま放っておくと、この人口減少は地方だけじゃなくて、日本全体をおおうので、今から考えませんか?というのが、今回の報告書の大きな柱だと。こういう訳なんですよね。

早見 さん
そういうことですよね。
全体に人口が減っていて、少子化問題になっているということは。
なんとなく今まで、あっ、地方問題だと思っているけれども。
やっぱり私たち全てに影響されるということですものねえ。

小野 アナウンサー
きょうは、地域の過疎問題にくわしい方々。それから地域の産業・地域おこしにくわしい専門家などがいらしていただいておりますので、なんでもお聞きください。
まずは、待ち受けている現実ですが。
東京はどんなことになっちゃうんでしょうか?

樋口 さん
まあ、当面やっぱり高齢者が増えてきますよね。第一次ベビーブーマーの人たちが、集団就職で地方で生まれて、そして東京で働く。
その人たちが今後、65歳以降、大体70~80となってきますから。
そうすると待機児童じゃないですけど、待機介護の人たちとかですね。
あるいは医療についても、底が不足してくるというような問題というのは、間違いなく起こってくるのではないでしょうかね。

小野 アナウンサー
ただ、地方がまず、いろんなサービスが受けられなくなってくると、みんな逃げて来るようにというか。
東京に行けばなんとかなるんじゃないかということで、だんだん集まってくるんじゃないですか?

樋口 さん
うん、それもあります。現に起っているというふうに思いますが。
それだけで問題が解決できるのか?逆に地方のほうは過疎化というかたちでですね。
みんなが移れるわけじゃないわけですね。どうしても高齢者の人たちは、今まで住んできたところに残りたいという気持ち強いですし。
また、周りがいなくなっちゃうと。
そうすると、そこで生活できるのだろうか?
というような問題が、今度起こってくるだろうと思いますね。
ライフラインも。水道であるとか、そういったものの提供もありますし。
先ほど出てきた雪の問題ですね。自分の家の周りを若い人たちが片付けてくれたとか。電球が切れたから取り替えてくれたとか。
ところが、その人たちが周りにいないというような介護難民の問題とかですね。
数えれば切りがないぐらいの問題が起こってくると。

増田 さん
じゃあ、人口的には東京でいうたら。全体的のね、国の人口減ったときに。
でも、どんどん東京に来たら、東京の人口自体はどうなるんですか?

樋口 さん
だから、その人口の移動がどうなるか?ということになると思うんですね。
今、出たように、東京の出生率は低いですから。
そこに今までは、外から人がどんどん入ってきて、ということでしたけど。
やっぱり入ってくる人たちも減ってくるだろうと。
それと人口ピラミッドという、こういうものですね。

これ、日本全体の人口構成の変化ということですが。特にそういったものが。
地方と東京辺りでアンバランスになってくるというような可能性というのがあるんじゃないかと。

藻谷 さん
東京の最大の問題は、子ども産まれていないことなんです。
大阪も実はそうなんですけど。ちょっとマシですけど。
要するに、人間2人、大人2人いると、平均で子どもさんが1人しかいない。
これ、例えば皆さんがいろんな物をたくさん持っているんだけど、一世帯で物が半分になると思ってください。
二世帯で4分1。三世帯目にはほとんど8分の1。
ひどい例えだけど、どんどんどんどん海に雪を投げ込んでいるように溶けてなくなってしまうわけですね。
それは、今まで地方にたくさん若い人がいたので、状況を察してきて補ってきているのですが。
実は、64歳以下はもう東京でも15年前から減っているんですわ。
それに東京は、私は2周目の危機に入ったと思うんですね。
この50年でガーッと、どんどん若い世代が入って来たのはいいんだけど。
それが今いっせいに、今度は世代が変わって、年老い始めているわけでしょう。
そこのホント問題なんですね。だからやっぱり規模の経済でガーッとやると、必ず反動が来ると。
しかも、これだけ大きいと暮らしも、本当は。例えば東京のお父さんが夜8時に家に帰っているか?というと問題で。
6割以上帰っていないんですね。それは大きすぎる。

増田 さん
東京で働いている人らも、将来は田舎のほうに行ってのんびりしたいと思っている人もたくさんいてるわけじゃないですか?実際されている人もいてるし。
でも、その行く場所もなくなるのは、つらいですよね。
だから地方をね。なんらかのかたちで整備してね。
田舎暮らしとか、農業とか、しやすい状況を作ったら。ねえ?

樋口 さん
まさにそうだと思いますよ。
他の国、じゃあどうなっているのか?ということを考えるとですね。
やっぱり欧米でも、例えばニューヨークだとか、パリだとか、やっぱり人口が増えているんですね。
増えているんですけど、そのもの自身、人口規模が非常に小さいですから。
東京だと首都圏というふうに数えますと、3500万人ほどいるんですが。
例えばニューヨーク辺りでも2200万人とか。

小野 アナウンサー
でも、夢を大志を抱いて、東京に行くぞとか、ニューヨークに行くぞとか、パリで一旗あげるぞという人は、どこの国にもいるんじゃないんですか?

樋口 さん
いますけど、地元に残る人も多いということですよね。
やっぱり産業のほうも地方での分散といいますか、それを進めているというところもあってですね。
今まで、仕事のあるところに人のほうが移動することによって、就職してきた。
ある意味では、失業率とか地域間のミスマッチと言いますけど。
それを解消してきたというところがあるんですね。
むしろ人のいるところに仕事を作っていくという発想じゃなくて。仕事のあるところに。

小野 アナウンサー
なんか先生。それ、ふつうのことをおっしゃっているような気がするんです。
仕事があるところに人間が行くのは、当たり前じゃないですか?

藻谷 さん
いや、アメリカなんかでは、先生おっしゃっているように。
例えば皆さんがよくベンチャーで、マイクロソフトだとかですね。
いろんなシリコンバレーとか、全部ニューヨークとまったく関係ないですよね。
つまりシリコンバレーをつくるのに、ニューヨークに行かなくちゃいけないとか、そういう人はいませんでした。
マイクロソフトがあれば、ニューメキシコでやっていて。
そして生まれ故郷のシアトル。なんのITもないところで、会社をつくる。
シリコンバレーというのは、サンフランシスコから2時間くらい行ったようなところですね。
サンノゼ辺りで勝手につくる。いずれも自分が住みたいところ仕事を作っている。

藤山 さん
いや、ホントね。日本ぐらいですよ。今、田舎の人口が減って困っている先進国は。
むしろ田園回帰です。ヨーロッパでもアメリカでも、はっきりそうです。
イングランドなんか30年前から田園回帰にふれていますから。
むしろ田舎のほうが人口が増えている。
成功したら、スキあらば田舎に帰ろうと、みんな思っているわけです。

竹田 解説委員
日本が特に人口の移動が激しすぎるんですよね。
ずっと生まれ育って、自分がずっとこの地域にいるという人よりも。
もう会社から要するに転勤命じられて、もうどこでも行きますというのが日本のサラリーマンは当たり前でしょう。
でも欧米なんていくと、全然そんなことないですから。そうですよね?

樋口 さん
まさにどこで仕事をして、どこで住むのかというようなことを選んでいるというようなことがあって。特に会社のほうが命じて。
例えば移動するというのは、本当にトップのほうの一部の人たちです、欧米の場合。しかも、いろんな選択があって。
もう前もって、その地域に行って、住んでみるとか。あるいは家族連れてって学校どうなっているんだろう?調べたうえで。
じゃあ、それに応じるのかどうか?というようなことを、やっているわけですね。

小野 アナウンサー
なんだか日本の暮らしが欧米化したんだと思っていたんですけど。
江戸時代から現代までの変化は、一言でいえば、欧米化とか西洋化とか言うじゃありませんか?
だから、仕事があるところに人が行くというスタイルだと思っていたものが、ちがうんですか?

樋口 さん
それと、仕事がやっぱり日本の場合に東京に集中して来ているということもありますね。
ひとつは地方の雇用を今まで誰が作ってきたのか?というと、かなり財政に依存してきたというところがあるわけですね。
政府がお金出して。公務員、公共事業、そして今の年金とかいうようなもので雇用を作ってきた。
ここ財政を変えると。いつまでもこれ続けられないよね、というようなかたちで。その影響が出てきている。 あるいはグローバル化というと、日本の今まで、地方で工場を立地してきたというようなところが、海外に工場を移そうというようなことになりますから。
地方にとっては、その分だけ雇用が減る。
または逆に、海外の企業が日本に来るときには、東京にやっぱり大多数が来ているというようなことになります。

藻谷 さん
ただ、それが結局。地方がダメになったので、東京だけが栄えると、日本人は天びんみたいに思う人がどうしてもいるんですが。
先ほど徳永アナウンサーもおっしゃっていたように、実はそうではない。
日本全体の人口がもうどんどん減っていきますので。あらためて、総数ですけれども。

ごらんのとおり総人口が減るだろうと。
さらに先ほどのVTRの中では、減るといっても、お年寄りが4割以上になってしまって。
いわゆる現役世代の人がもっと激しく減ると。
こうしますとね、外国の会社からみますと、日本にいろんな支店とか置く会社が減るわけですね。
いろんなセンターは人口増えているところに置きましょうということで、中国だとか、東南アジアだとか、シンガポールとかに置くというのがどんどん増えていく。東京の人はなんだか地方衰えて自分が栄えるみたいに思っていますが。
外国からみますと一緒に沈んでいく。
現に高齢化率。人口に占める65歳以上の方の比率でいうと、日本全体25%、4人に1人が高齢者世界一ですが。
首都圏も20%、5人に1人の方が高齢者です。
ちなみにアメリカだと、国全体でまだ12%ぐらいですから8人に1人ですね。
12%のアメリカからみると、5人に1人の高齢者の首都圏というのは、えらいお年寄りの多いところだねと。
実際、海外から戻って来た方は思うと思います。

その根源は結局、大人2人に子どもが1人しか産まれないところに、日本中の若い人のざっくり3人に1人を集めているという。
このやり方自体が、国を挙げて回らないように回らないように自分を追い込んでいるんですね。
例えて言うと、人はお金じゃないんだけど。
お金を散々集めておきながら、半分、全部他のところに投資して、失ってしまっている謎のファンドみたいな。
そんな感じがあるわけ。
人はお金じゃないんだけど、例えて言うとそういうことが。

早見 さん
その例え、なんかとても怖いですね。
ホント悪いファンドですよね、それは。

樋口 さん
ここへ出てきた、我われがシュミレーションしているのは、現状のまま続いたらどうなるのか?ということでして。
こうならないで欲しいというふうに思ったシュミレーションでもあるんですね。

小野 アナウンサー
なんだか先生、めいってきました。
でも、ちょっとこちらをご覧ください。

こんなデータがあります。
ある調査によると、リーマンショックや東日本大震災以降、地方へ出たい若者という、都会から地方へ出たいという若者が増えている。
相談件数がこんなに増えていると。
でも、一方で。メールでは。

視聴者の声

神奈川県・30代・女性
「田舎に移住したいと主人と話したりしますが、行った先で仕事が見つかるか、ちゃんと稼げて生活できるかが不安」

小野 アナウンサー
要はですね、さっきのここから出てきた人たちが帰りたいと思っても、もうこの町が消滅していたら、どうしようもない。
なんとかこちらを、人口減少を食い止めなくては、という手立てについて少し前向きにこのあと話してみたいと思います。
その前にまず、徳永アナウンサーのこんなプレゼンです。


プレゼンテーション②

徳永 アナウンサー
はい。自治体というのは、地方を中心に、なんとか帰って来て欲しいと本当に涙ぐましい努力を昔も今もやっております。

で、なにか考えるキッカケになればと思って、2つの話をご紹介します。
大体、地方に住みたいなと思う人が気にするのは、仕事あるかな?と。
それから子育てしやすいのかしら?の2つなんですけれども。
こっちからいきたいと思います。
実はですね。今、全国のいくつかの自治体が、これ取り入れようかなと注目しているものがあります。

それは、物すごく税金をかけて箱物をつくるわけではなく、これです、ネウボラ。

これですね、北欧のフィンランドで昔からある仕組みなんですって。
ネウボラというのは、地元のフィンランドの言葉でアドバイスの場。

これ、実際の写真で。要は保健師さんがいるんですよ。
ここに、妊娠したら女性の人は、子どもが学校に上がるまで、いつでもなんでも悩みを相談して、全部私が聞くからと。
一人の人が原則ずっと聞いてくれる。しかも何回聞いてもタダ、という仕組みです。

つまり担当がコロコロ変わるというのではなくて、切れ目のないサポートをずっとしますという制度が当たり前のようにあるんです。
で、なんでもいいんです。例えば保健師さんですから、これはあります。

妊娠したら、体調不安定になりますから。
ちょっとしたことで健康のアドバイスをしてもらえる。
それから産んだ後は、大変なんですね。

子どもが泣き止まない、夜泣きもあります。
こういった子どもの仕方も相談できます。
で、子ども大きくなると、こんなことも心配です。

叱り方はこれでいいのか?とか育児の仕方も気になるわけです。これも聞いてくれます。
果ては、こんな悩みも。

夫、どうしょうかしら?みたいなことも。
なぜかというと、保健師が離婚の相談おかしいでしょう?って、実は1人でやらないんですよ。

この人が人脈を自分で仕事として持っていて。
例えば最悪こういう話が出てきたら、法律の専門家を仲介してくれたり、カウンセラー紹介してくれたり、病院や、果てはママの仲間の紹介してくれるという。
こちら国の政策としてやっている。
日本だと、どうしてもこれ全部ちゃんとやっていますけど。
窓口がどこかバラバラだし。情報の共有もなにもないのが、正直言って現状なんですけれども。
今、これを取り入れよう。これを参考に、もっと便利な子育ての町をつくろうという自治体が。
番組がちょっと調べただけで、5つの自治体がこれ検討しているということなんだそうです。

樋口 さん
やっぱりワンストップサービスということですよね。
それによって、一ヶ所に行けば、いろいろなものを相談できる。
しかもいろんな専門家がいるということですから。

竹田 解説委員
だから日本も母子手帳があるんだから。
本当はこれだって、目指そうと思えば目指せるはずなんですよね?
あれはもともと、ドイツの病院でおこなわれていたのを日本が輸入してきたんですけど。
日本独自に改良して全国版にして。
これは他国からも、海外からも非常にいい制度だと参考にされているぐらい、日本の母子手帳って本来は優れているんです。
これはさらに、それをもっともっとバージョンアップしたような話なんですね。

樋口 さん
それと、父親もこういったものにやっぱり参加するような仕組みにしていかないと、まずいんじゃないですかね?
子育ては全部、母親ですという時代でもないでしょうし。

早見 さん
ママネットワークってよく聞きますけど。
実は、お父さんもいろいろな悩みをかかえていて。でも反対に、相談しにくい立場なんですよね。
こういうところがあるとすごくいいと思いますね。

藻谷 さん
日本では従来ですね、こういう話をすると。画面をごらんになっている方も必ずね。
「それは個人がやっていた」とか、特にお年の方、男性の方が思う人多いと思います。
で、あなたがそう思って、個人がやればいいと思った結果が、東京の出生率1.1なんですよね。
つまり田舎にもある程度、そういう支えがあるんですけれども。
東京はないですよね。「お前がやれ」と言って、いくらいばっていても現実にないから1.1なんです。
実は、フィンランドも出生率が非常に下がって、物すごく厳しい状態になったんですね。
それでこういうことを一生懸命取り入れて、見事に出生率が回復してきました。
なんか「産め産め」と言っていれば産むと思う人もいるのかもしれませんが、そんなものないんでして。
実際、産むと大変だから、産めなくなるわけで。これを社会全体で。
要するに教育と同じで、個人が勝手にやればいいんだ、学校なんかいらないみたいな議論に近いですね。
個人でやるというのは。

徳永 アナウンサー
そして次にこちら、仕事の話ですけれども。
もちろん、特効薬はないので。
我々どこを紹介しようかな?と思って。
こういった話をするときに、ほぼ必ず出てくる町の話をしたいと思います。
題して、これです。

"コロンブスのたまご"みたいな発想を出してみようかと。
パイオニアがあります、地域活性化の。ここです。

島根県の隠岐諸島の中に海士町(あまちょう)という。
島前(どうぜん)というんですが、こっち。その中に海士町というのがあります。
ここの話をしたいと思います。これ知っています?

さざえが入ったレトルトカレーです。
隠岐の人は、ふつうに入れるんです。昔からです。
実はかつては「こんなもの商品になるわけがない」と言う人もいたんですが。
あえて外の人。人口が減ってきたので、外の人を取り入れて。
「なにかアイデア出して」と募ったら「これ、商品にできるんじゃないですか?」と。で、作ってみたら売れた。
そして、地元の物をもっと使うと、いろいろ雇用ができるんじゃないか?と動き始めたんです。
この方がいます。

山内さんという町長さんがいるんですが。
この方が、人口が本当に減ってしまって、収入も税収もないというピンチになったときに、発想したんです。
地元の物を商品になるべくするために、もっと知恵を出そうと。
なにかないかと?さざえカレーみたいなことはできないか?とやっていきました。
いろいろあったんです。

例えば塩。
海水を塩にして売れば。海女の塩といって売ったら、売れまして。
それから、これ。

ナマコ。すごく隠岐もおいしいんですけど。干しナマコにすれば。
つまり「乾燥させれば、長持ちするから、もっと売れるんじゃないですか?」と言って。
これやってみたら、中国にも輸出できるようになった。
つまり、商売がどんどん増えていくんですね。
ということは、商売が増えるということは、加工場とか、発送の仕事に人が必要だから。
若い人が出ようかなと思った人が思いとどまる。
それどころか人手が欲しくなる。
で、話題を呼びますから、外からも問い合わせが来て移住する人も増えてくる。
今、どれぐらいかというと。

海士町の人口って今、2400人ほどなんですが。
そのうち、この10年で437人の方が本土から来ている。
ということにも、つながっています。
これだけいれば、子どもを産み育てるサイクルができていく、という仕組みでもあります。
こういった話があるとうことなんです。

藤山 さん
実は、島根ではすごいことが起こっていまして。

もうちょっと細かい単位で見ていると実は結構、いま島根の"田舎の田舎"で子どもが増えている。
これは白いところは、都市だったりというところも含まれているんですが。
島根県の中山間地の田舎の中で3分の1を超えるところで、実は子どもが増え始めていて。

増田 さん
これは全国的にも珍しいことなんですか?

藻谷 さん
確かめなければいけないのですが。
全国の一部の田舎で起きているんですが。特に島根県が優れていると思います。
というのは、島根県は日本で一番最初に、高齢化率が20を越えて、3割を超えたところです。
で、最も早くからなんとかしなきゃいけないと思って。
そういう取り組みをやるぞというのが、皆さんの気がつかないところで、ずいぶん前から始まっていまして。
その成果がこんなに出ているとは。

小野 アナウンサー
ですが。特産品をつくろうというのは、全国どこの自治体、市町村でもやっていると思うんです。
どこだって人口減少を食い止めるには、とか。
高齢化で若者が減っている、なんとかしなきゃ、特産品だとか。やっていると思うんですけど。
これが人口減少につながるか?というとやっぱり。

早見 さん
どうちがうんでしょう?他の地域と。

小野 アナウンサー
そうなんです。そこが知りたいです。

藤山 さん
ただ、皆さんあまりにもホームランをねらい過ぎなんですね。ガーンと。
で、我々こういう全部の人口分析からすると。

毎年、今よりも1%ずつ定住者を増やせば、実はきちっと人口は保てるし、子どもの数も保てるんですね。
だから、100人で1人。あるいは1000人の村だと、10人増やせばいいんです。
それを毎年続けることが大切なんです。

藻谷 さん
1000人の村だと10人だから、3家族。
400人ぐらいの集落だと、毎年1家族、4人家族が移り住んで来てくれるだけで実は人口は維持できる。

樋口 さん
あれですか?子どもが増えているというのは、出生率が上がっているということなんですか?
それとも、他の地域から人が移るようになってきていると?

藤山 さん
両方ですね、島根の場合。もちろん入って来るのが多くて。
あと、島根は出生率が1.68で全国2位ですね。東京よりかなり高い。

早見 さん
それは、特産物がヒットしただけではなくて、なにか子育てをしやすい要因とかあるんですか?

藤山 さん
そうですね。今やはり2011年以降、特に都市の若い夫婦が。
本当にこれから子どもをどこで育てようか?というので、田舎。田舎に来るなら、中途半端な田舎の都会ではなくて、山間部とか島といったところで。
そういう人や自然とか、伝統のつながりがあるところで住み始める、というのが非常に新しい現象です。

藻谷 さん
皆さん、仕事とおっしゃるんですけれども。
実は、田舎のさらに地方都市ではなくて、本当の過疎地ですね。
そこには本当に、耕作放棄地がたくさんありまして。
ある程度、例えば年収100万、200万の農業収入を得ようと思えば、まじめに努力をすれば得られます。
かつ、教えてくれるいろんな農業法人も。田舎ほど実は、農業が法人化していましてね。
東京の人はそう思っていないでしょうけど。
集落ごとに法人になっていて、人を雇っているケース多いんです。
そういうところで雇われて。100万、200万そんな収入じゃあ食えないでしょう。夫婦で働いて300万。
地方では家賃が非常に安いですから。
山間過疎地では、家賃を計算すると1000円の時給で東京で働いているよりも、年収300万円で地方で、ほぼ家賃タダで暮らしている人のほうが、ずっと豊かな生活をしている例が多いと思うんですよね。

樋口 さん
まさに我々の主張。
創成会議のほうでも出したのは、自治体によって全然動きというのはちがうんですね。
ある以上は、それぞれの自治体で実態をちゃんと見てくださいと。
それに応じた対策というのを考えてくださいという。
なんとなく不都合なものは見たくないというのがありますからね。

小野 アナウンサー
でも、その対策を考えるうえで、ひとつポイントで出てきたのは「目指せ1%」あんまり大きく振りかぶらないで1%を目指してみてはどうか?

竹田 解説委員
1%というのは、人だけじゃなくて他の部分にも掛かってきているわけですね?

藤山 さん
そうですね。1%増やせばいいということは、所得を1%伸ばせばいいんです。
所得をどこから取るかというと、所得とほぼ等しい額を外から買っているんですね。
企業とか地方公共団体ふくめて。それを置きかえていけばいい。
1%、食べ物にしてもエネルギーにしても学校の机にしても、外から買っていた物を中で地産地消にしていけば。
たとえば、学校で使う机も自分たちで作っちゃうわけです。
山にいっぱい木があるわけですから。あるいは、さざえカレーみたいなものにしていけばいいんでしょ?
そのほうが東京の人も旅したら面白いじゃないですか。
どこ行っても同じよりも。1%、1%、1%でいけます。

小野 アナウンサー
海外に行ってしまった企業を呼び戻してきたら、ドカンと雇用が生まれて、もっと効果的にものが運んだりするんじゃないか?ということは?

藻谷 さん
いや、それは今は、日本ではなくアジア。
それも中国から、さらに東南アジアに移っている途上国のやり方です。
今、世界の貿易を見ますとね。日本は、アジアに対しては黒字なんです。
逆だと思っている方いますけどね。中国とかアジアから日本は儲けています。そのお金を油代払って。
もう1個は、フランスやイタリアからたくさん地産地消品を買い込んで、ワインだとかチーズだとか。
フランスに対して5000億円以上の赤字です。
で、なにが言いたいか?というと、日本の島根県辺りには小さい、小さいフランスの田舎みたいなところが、もうできていまして。
そういうところでは、地産地消のお酒だとかを逆にフランスに輸出して、儲けていたり。
実は、大きい工場がボンときて、みんな工場で働くって実際いないです。
友だちにもそんなに。そうではなくて、本当に山奥で自分でワイナリーとかをしたりしている人が、生活を成り立たせて外貨をかせぐ。
いわゆる田舎を救うのではなくて。
地方に人材を投入して、今まで活かしていなかった資源を活かすと、実は食べられる。

小野 アナウンサー
カギをにぎるのは何ですか?人ですか?

樋口 さん
リーダーがいるかどうか?というのは、決定的になると思いますね。

小野 アナウンサー
でも、リーダーって。例えば外から経営コンサルタント呼ぶとか、そういうことですか?

樋口 さん
いやいや、先ほどの町長さんもそうでしたけど。
まずは、その中ですね。その自治体の中に、町の中にそういう人材がいるかどうか。
その人たちが頑張るというのもありますし。
時には外から、まさに別の視点を持った人に来てもらって、というようなこともあるとお思いますね。

早見 さん
そうすると、もしかしてシリコンバレーみたいなところがポッとできちゃうかもしれないですよね。

藻谷 さん
藤山先生が島根県の一番端のほうの大変、自然の豊かなところにお住まいになって。
リーダーというか、地域のアドバイザーみたいなことをされているわけですよ。
こういう方が、実は東京の人が知らないところで、地方に増えていて。
周りがだんだん変わっていきますよね?

藤山 さん
いや、どんどん島根も小さなパン屋さんとかね。
レストランとか。すごく女性が頑張っているんです。
そういう、いわば小さな焚き火をたくさん作って、いろどっていくと。
今までは大きな焚き火をねらい過ぎたんですね。
ぜひ、東京と地方はケンカしないで、助け合うような関係になって欲しいですね。パートナーとして。
例えば東京でもいろんなね、地震の不安なんか。

"疎開保険"というのを始めている自治体があるんですね。鳥取県の智頭町ですけど。
いざとなったら、こちらに逃げてきていいよと。その代わり、保険かけて、そのお金を保険料を東京に住んでいる人が智頭町に払う。
そういうパートナーなっている。こんなこともふくめて考えていただけたらと思います。

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