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NHK総合 毎週土曜 午前8:15〜9:28

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放送内容まるわかり!

2017年04月15日放送

熊本地震1年 避難生活どう支える?

熊本地震から1年を迎える今月、「みなし仮設」に1人で暮らす13人が亡くなっていたことが判明。中には「孤独死」の高齢者もいると見られています。 今も約4万人が仮設住宅での暮らしを余儀なくされていていますが、特に高齢者は自宅再建の見通しが立てられなかったり、仮設住宅で周囲の目が行き届かず孤立するなど、生活再建に向けて様々な課題を抱えています。"災害弱者"である高齢者をどう支えていけば良いか?考えます。

今週の出演者

専門家

室﨑 益輝さん(兵庫県立大学 防災教育研究センター長)
高林 秀明さん(熊本学園大学 教授)
国崎 信江さん(危機管理アドバイザー)
山﨑 登(NHK 解説委員)

 

ゲスト

田村 亮さん(タレント)
SHELLYさん(タレント)

今週のグラフィックレコーディング

グラフィックレコーダー
山田 夏子さん


首藤 アナウンサー
熊本地震からきのうで1年。きょう注目するのは、こちらの数字。

4万4721人。
これは先月末の時点で、熊本県内で仮設住宅で暮らしている人の数なんですね。これだけの数の方がまだ仮住まいされている。

SHELLY さん
まだまだいっぱいいらっしゃるんですね。

首藤 アナウンサー
そうですよね。地震から1年たって見えてきた課題があります。徳永アナウンサーのプレゼンです。


プレゼンテーション

徳永 アナウンサー
おはようございます。今週私も取材に行きまして、現地の方と話すと、その課題は、これです。

首藤 アナウンサー
「孤立」。

徳永 アナウンサー
閉じこもりがちになって孤独死につながるっていう問題が、阪神・淡路大震災以降ずっと震災のたびに言われているんですが、熊本でもこれが起きかねない、もしかしたら起き始めているんじゃないか、防ぎたいっていう声、あちこちで聞きました。
状況をちょっと整理してみますね。いま4万4000人、「仮設暮らし」と言いましたが、大きく分けて2つあります。

1つは、よく見るプレハブの仮設住宅。よく見ません?ニュースで。

SHELLY さん
はい。東北でも。

徳永 アナウンサー
プレハブの仮の住まいです。家賃はかかりません。入居は原則は2年間なんですけど、だいたい延びることが過去の震災でも多いです。とりあえずここに入ってもらって、ここに住みながら次の暮らしの計画を立ててくださいねという仮の住まいなんです。
いまどんな状態なのかというのを知りたくて、行ってきました。

私の尊敬する方。田原八十八(たはら・やそはち)さんという方でございます。

SHELLY さん
八十八さん。すてきな名前。

徳永 アナウンサー
やそちゃんでございます。

SHELLY さん
やそちゃん(笑)。

徳永 アナウンサー
半年前、益城町から深読みを生放送した時にご出演いただいて、久々にお会いしてきました。八十八さんがいま気にしていらっしゃるのは、孤立すること。この仮設から孤独死を出さないこと。本当に心配しているというふうにおっしゃっていました。
案内してもらったんですが、まず目に留まったのがこれ。

仮設にはだいたいこういう交流施設、集会所が必ず作られます。「みんなの家」って書いてあったんですけど、気になったのは、貼り紙がめちゃくちゃあるんです。例えば、きょうは喫茶やります、カフェやります。大学生が来てくれたり、生協の人が来てくれたり、社会福祉協議会が来ます。あした花見します、今度いちご狩りしますって、イベントがたくさんある。さまざまな団体が、孤立をさせてはいけないんだって援助に入って、イベントめじろ押しだったのが印象に残りました。
取材した日は、生協の方がここで臨時の喫茶店を開く。

しゃべりに来てくださいよって言ってたんですけど、拡声機持って、「皆さん、10時からコーヒーが飲めます。そこのお父さん」「出てきてくださいよ、皆さん。しゃべりましょう」。結構近い距離でもおっしゃってた。ただ、それぐらいみんな危機感持ってる。何日か見えないだけで命を落としてた方っていう事例も、実際熊本でも起きてるそうなので、声をかけてる。
八十八さんは、これを受け入れるのはもちろんのこと、

ご自身でも活動してます。朝9時半になると、全戸点検。

首藤 アナウンサー
すべて?すべてのおうち?

徳永 アナウンサー
見て回ります。まず、郵便受け。ちゃんと郵便物取ってるか。あとはね、洗濯物はふだんどおり出てるか。とりわけ1人暮らしのお年寄りが何人かいらっしゃいます。

必ずピンポンを押して、元気?

SHELLY さん
やそちゃん。偉いですね。

徳永 アナウンサー
ただ、こうやって会ってると、ひやりしたケースっていっぱいあるんですって、みんなおっしゃる。
例えば、こちらの方は腸閉塞になって、ある日は、ずっと3時間ぐらい家で痛い痛いっていうのが分かった。別の方は、軒先で倒れてた。インフルエンザで熱が出てた。あと少しで危なかった。助かってよかったねっていう話もしてくれた。別の方は、狭心症の発作で倒れられた。たまたま薬飲むのを忘れていた。
八十八さんは、いま、どのお年寄りがどの病院にかかってて、朝昼晩どんな薬飲んでるかっていうのを1回まとめなきゃって聞き取りを始めたとこです。それぐらい危機感があるとおっしゃってました。 この仮設、各地にあるんですが、どれぐらいの人が住んでるか。実は4万じゃないんです。

首藤 アナウンサー
1万?

徳永 アナウンサー
でも、さっき4万だって言いましたよね。

田村 さん
3万人は?

徳永 アナウンサー
実はもう1つ、こちらなんです。

もともとあるアパートやマンションなどの賃貸住宅。

これをニュースで「みなし仮設」って呼ぶの、聞いたことないです?

SHELLY さん
聞いたことありますけど。

徳永 アナウンサー
これだけの人が、みなし仮設に。

田村 さん
多いんだ。

徳永 アナウンサー
プレハブに住んでる方の3倍近い方が、元からあるアパートやマンションなどに住んでいらっしゃる。このみなし仮設ってどういうものか、整理しますね。
仮設住宅、プレハブで作るには時間がかかります。避難所暮らしも大変でしょう。まずは皆さんで賃貸住宅を借りてください。あとから行政が家賃を一定程度出しますからって、先に入ってもらう。これ、東日本大震災以降本格的に始まった取り組みで、今回の熊本でも使われました。特長は、これです。

首藤 アナウンサー
「早く生活再建できる」。

徳永 アナウンサー
熊本地震のあと、テント張ったり、車中泊の方、たくさんいらっしゃいましたよね。とにかく早く生活再建をできるから、これをどんどん進めたんですよ。
でも、1年たちました。いまどうなってるのか。こっちも孤立は深刻だといいます。それを肌で感じてらっしゃるのは、きょうお越しの熊本の高林先生。大学で先生をしていらっしゃいますが、一方でこれをしていらっしゃいます。

SHELLY さん
支援員?

徳永 アナウンサー
震災直後から、被災者の方を支援する活動をするグループがあるんですが、高林さん、その一員でもいらっしゃいます。いま、各地のみなし仮設に入っていらっしゃる方を1軒1軒回って、健康状態や悩みなどの聞き取りをしていらっしゃいます。そうすると、仮設住宅の方よりも深刻なケースというのもいくつか見えてきたんです。

SHELLY さん
でも、アパート・マンションだったらいっぱい住んでる人がいるから、孤独になるっていうのが...?

徳永 アナウンサー
そこです。僕も誤解してました。いくつか見ますね。こんな事例です。

SHELLY さん
えー、なんで?

田村 さん
急に引っ越してきたからってことですか?

徳永 アナウンサー
プレハブの仮設は、言ってみれば、みんな家の被害を受けたって誰でも分かるんですね。だって、仮設住宅だから。そうすると、隣に行けば同じ悩みをすぐしゃべれるんですが、これ、みなし仮設って書いてないんですよ。

田村 さん
隣に普通に、被災されてない方もいらっしゃるってことですね。

徳永 アナウンサー
隣の人がみなし仮設で来たのか、たまたま引っ越してきたのかが分かんない。生協の人とか社会福祉協議会の人も、みなし仮設の人が、どこにいるのかが分からないんです。役所も個人情報をそんなにひけらかすわけにいかないから。だから、話し相手がいないっていうケースが多い。お仕事がある人や、学校があるお子さんは、そこに行ってしゃべる人がいるんですが、とりわけ1人暮らしのお年寄りで親戚の少ない方は、本当に話す方がいないっていう話を聞きました。
そしたら、こういうことになります。もう1つ。

田村 さん
さっきみたいな、チラシみたいなんが、集まる場所がないってことですもんね。

徳永 アナウンサー
そう。情報が入らない。制度を知らない方も多かったそうです。1つご紹介すると、家の壊れ方によっては、熊本というのは医療費の自己負担が免除される制度があるんですよね。それ、知らずに、持病があるのに、お金かかるからって言って行ってなかった方もいた。でも、こんな制度あるんですよって支援員の方が言って、一緒に病院行ったっていうケースもありました。高林さんたちもずっと回ってるんですが、全部の方にはまだ会えていないのが実情なんです。

SHELLY さん
3万人以上いらっしゃるから。

田村 さん
いろんなとこにいるわけでしょ。同じところに住んでくれりゃ、また話違いますけど。

徳永 アナウンサー
最後に深刻なニュース、今月ありました。

熊本県が発表したんですが、みなし仮設に住んでいる1人暮らしの方で、13人の方がもう亡くなっているというのが分かった。NHKが独自に調べたところ、この中には孤独死の方もいらっしゃったということだそうです。これがいま1年たった現状と。

首藤 アナウンサー
せっかく地震で生き残っても、1年で13人の方が亡くなられているという。高林さん、回られていて、何がいちばん大変ですか?

高林 さん
私は、益城町のみなし仮設を訪問している地域支え合いセンターのよか隊ネットという団体のスタッフになって、支援員として訪問しているんですけども、この半年間で1400世帯全部を回ろうということで、毎日2人ひと組で回ってきた。いま、全部に一応訪問はできたんです。ただ、会うことができたのが約790世帯で、まだ600世帯の方には、留守だったということで会えなかったんですよね。ですから、この留守である方がどんな健康状態なのか、どんな生活をされてるのかっていうところが、スタッフの共通の心配ということなんですよね。

それと、お会いできた790世帯のうちなんですけども、継続的な支援を必要とする方がだいたい35%。3世帯に1世帯は継続的な支援が必要だと。例えば1人暮らしのお年寄りで、話し相手がいないとか、持病があるんだけども、医者にかかっていない。そのまま放置しているとか、さまざまな理由で、定期的に、場合によっては頻繁に支援が必要な人たちがこれだけいると。
この人たちに頻繁に訪問しなきゃいけないんですけども、そこもなかなか難しいと。15人ほどのスタッフで訪問してきましたけども、継続訪問というのも本当は必要なんだけども、まだ行けないという世帯が多くあります。

首藤 アナウンサー
みなし仮設って、よかれと思って始まったんですよね、そもそも。

山﨑 解説委員
みなし仮設っていうのは、東日本大震災から本格的に導入されるようになりました。どうしてかっていうと、従来のプレハブの仮設住宅を作るためには、広い敷地がいるんです。大きな災害になると、それだけの広い敷地を確保するのがまず大変ですよね。それから、水道を引いたり、下水を引いたり、電気を引いたりするインフラの整備も必要で、どうしても時間がかかる。なるべく避難所から早く生活環境のいいところに移して生活してもらうために、みなし仮設というのがあった。それから、街の中のアパートですから、自分で場所を選べるので、自由度も広がるんですよね。で、みなし仮設を導入することになったんですが、やってみたら、周囲から孤立してしまって、情報が入らない人たちが出てきた。仮設住宅っていうのは長屋のような建物ですから、みんなで、大変だったよね、これからも頑張りましょうって話しながら避難生活を送ることができるんですが、みなし仮設は街の中に点のように入り込んでしまっている。

田村 さん
ぱって見ても分かんないわけですもんね、普通の人は。

山﨑 解説委員
そう。それをね、いま高林先生たちがやっていらっしゃるような活動で、どうやって線としてつないで、つながりを作っていくかっていうのが、いま大きな課題になってるんですね。

田村 さん
僕、ことしの2月、益城町のほうへ行ったんですけど、仮設住宅のほうを見て、まだ多いなと思ってたんですけど、それよりも3倍あるって考えると、まだまだだなってよけい感じましたね。

国崎 さん
仮設ですと、支援する側も支援しやすいんですね。みなし仮設の場合には、点在してるので、どこに呼びかけていいか分からないという支援者の声もあります。
益城町では、避難所でコミュニティーがすごくよくできていたところがあって、そこは、みなし仮設に入った方も、プレハブの仮設住宅に入られた方も、いまだに声かけて、交流してる。そういった意味では、避難所からのコミュニティーがあるところはそういったつながりができているんですが、そうでないとぷちっと切れてしまうっていうのがいまの現状だと思いますね。

室﨑 さん
すぐに生活再建ができるという意味では、みなし仮設は、すごくメリットがあるわけですね。けれども、実はその裏側に、孤立をするっていうか、つながりが切れてしまうという問題をはらんでいる。そこを、高林先生みたいに一生懸命線でつなぐ努力をするんですけれども、固まりがある応急仮設だと、例えば自治会長さんが毎日毎日見て歩いたりして、つなぎやすいんですけど、点でいる人ってつなげないですよね。そのつなぐのを、いったいどういうことでつないでいくかということだと思う。

首藤 アナウンサー
コミュニティーがない人、実際は多いと思うんですけど、どうやってつなぐ努力をされているんですかね。

高林 さん
実際に支援員が訪問してるってこともあるんですけども、その中で、気になる方がいらっしゃると。介護が必要なんだけども、まだそういうサービスを受けてない。そういう点では、そこの地域のケアマネージャーさんに紹介して、ご本人が希望するならつないでいくとか、地域のいろんな集会所で集まりがあれば、例えばカラオケの交流会に参加してもらうとか、そういう形でいろんなつながりを作っていくという、そういうサポートは支援員たちがしているわけですけども。

山﨑 解説委員
過去にも苦い経験があるんですよ。阪神・淡路大震災で、仮設住宅の中で誰にもみとられずに亡くなる孤独死の方が200人以上出て、大きな社会問題になった。どうしてかっていうと、避難所って、近所の人が集まって暮らすじゃないですか。そこから、一気に仮設住宅作って、みんな一緒に入ればいいんだけれども、できた順番から、高齢の方から入っていただきましょうか、あっちの避難所からここへ、こっちの避難所からここへっていうと、いままでのつながりから切れちゃった高齢者が入るわけですよね。
そうすると、昼間はまだいいんだけれども、夜になって1人でぽつんといると、家族を失って、仕事を失って、家を失って、将来どうしたらいいだろうといって、どんどん落ち込んでいって、引きこもりになったり、中にはアルコールに頼ってしまう人も出たんですね。何日かたって訪ねてみたら、亡くなっているということが起きたんです。これは高齢者が多かったんです。
住まいは生活のよりどころですから、とても大事なことなんですけれども、でも、住まいだけあれば、復興できるかっていうと、そうじゃないと。とりわけ高齢者は、コミュニティーに支えられて、気持ちが前向きになりながら、少しずつ復興にいくんです。インフラだけで地域と人の復興が進むわけじゃないってことを私たちは学んできたんで、そのノウハウを持ってるボランティアとかNPOに、東日本大震災とか熊本地震で、もっとその知恵を生かしてもらう取り組みが必要ですね。

首藤 アナウンサー
過去の教訓っていっぱいあると思うんですけど、生かされづらいんですかね。

室﨑 さん
1つは伝える努力ですよね。神戸の経験を東日本に伝え、東日本の経験を熊本に伝える。場合によっては国だとか行政もサポートしながら、教訓を伝えるプロセスで支援員のスキルを磨いていく。支援員が、閉ざされた扉をどうすれば開けられるのか。どうやって話してもらえるような状況にするかっていうのは、努力がいるんですよね。毎日ポストの中を見てたりとか、電気のガスメーターが動いてるだとかね。そういう中で、元気にしてるかどうかを考えながら、ちょっと顔を出された瞬間にぱっと声をかけるというようなことをしないといけないんです。

首藤 アナウンサー
あんまり外に出ない人の気持ちはどういうところにあるんですか?

室﨑 さん
被害を受けたことによって、よけい孤立感深めるっていうことで、人にもよるんですけど、できるだけ関わりたくないっていう。ボランティアの人が来て、毎回毎回、どんどん扉をたたくのをね、うるさいなと思ってる人もいるんですよ。

国崎 さん
阪神・淡路大震災からの課題をしっかりと捉えて、同じことを繰り返さないようにということで、例えば益城ですと、地域支え合いセンターで、よか隊ネットの皆様であったりとか、各仮設団地に支援する団体の方を置いて、自治会も設置して、関連死をなくすために巡回をしたり、イベントやりましょうって、頑張ってこられたんです。ところが、イベントやりますよと言っても、ほっといてくれというか、はいはい、分かりましたって。どこまで踏み込んでいいのかというのも、現場では難しい。女性はイベントにわりと出てこられるんですが、1人暮らしの男性がなかなか出てこないというところが傾向としてあります。

首藤 アナウンサー
1人暮らしの男性。年代は?

高林 さん
阪神・淡路大震災でも、仮設住宅で孤独死が頻繁に起こっていたので、私も地震から2年の段階で調査に入ったんですよね。その時、50代とか60代前半とか、もっと若い40代とか、壮年層と言われる人たちが多かったんですね。男性が特にまた多かったんですよ。
1つは、いままで不安定な仕事を転々としてきて、もう50代、60代前半になって、体がだいぶ弱ってきて病気も抱えていると。本当はもっと老いはあとから来るんですけど、早く老いてるような状況があって、病気の中で、相談相手もいないとか、身内もいないとか、そういう中で1人、みとられること亡くなっていくという孤独死があったんですよね。
今回熊本でも、61歳の方がプレハブ仮設で亡くなって、死後4日か5日たって見つかった。高齢者もそうなんですけども、比較的若い年齢層の人たち、なかなか声をかけても出てこられないっていうのはある。そのあたりをどう支援していくかっていうことがいま課題になってます。

首藤 アナウンサー
どうやったら救えますかね?

田村 さん
僕も40代。確かに、自分、まだ大丈夫、大丈夫。それよりもお年寄りのとこ行ってあげてって、たぶんそういう断り方しそうな気しますね。

首藤 アナウンサー
本当は助けてって言いたいけど、もしかしたら声が出せない、出しづらい。

田村 さん
大丈夫って、どっかで思いたいっていう自分もいるのかも分かんないですね。

SHELLY さん
男の人って、特に40代、50代だと、家族がいたりとか、それこそ自分で家を建てたら倒壊しちゃってなんていう、すごいショックを受けてても、人に相談できない。女の人は人にしゃべってストレスを発散することに慣れてるけど、男の人はカウンセリングみたいなものもなかなか受けづらいとかっていうのも聞くので、その世代の男の人は、全部もしかしたら自分で抱えちゃうんですかね?

田村 さん
かも分かんないですね。気持ち分からんでもないし。

山﨑 解説委員
いろんなボランティア、NPOの皆さんを取材してみると、お茶飲みに来ませんかって言うと、男性の方なかなか出てこなかったりするんだけれども、将棋大会やりますとかね。マージャン大会やりますとかね。

室﨑 さん
マージャンの大きなパイを仮設住宅の集会室に寄贈するんです。マージャン大会だと男性出てくるんですよ。

田村 さん
俺も動きます(笑)。お茶やったらちょっと、うーん、って。マージャンだったら行きます。

室﨑 さん
その人その人に応じた、イベントというかな、例えば、みんなで少し焼酎でも飲みながら、そういう会やりましょうかっていうと出てくる方もおられるし。だから、それぞれの抱えてる問題、その人の身になって声をかけるっていう努力も必要。ただ、それをやろうと思うと、支援する人がいっぱいいないとできないですよね。
だから、今回熊本でもね、東日本の教訓を学んで、いろんな方がいろんな形で取り組みもしてるし、イベントがいっぱい行われている。それでも、みんなの支え合いの網からこぼれる人が出てくる。そこをどうするかというのがとても大切なところですね。

山﨑 解説委員
ちょっと見ていただきたいんですが、
これ、日本の高齢化率です。いま災害のあとの避難生活をどういうふうに支えるかっていうことを決めてる法律は、災害救助法っていう法律なんです。これ、昭和22年にできたんです。この時代は高齢化率4.8%。ところが、阪神・淡路大震災の時で十数%、いま27%。つまり、元気な被災者がたくさんいる時に決めた枠組みとか支援のしかたが、合わなくなってきてるんですよ。元気な人がいっぱいいると、例えば避難所でもって、床に段ボール敷いて毛布1枚でも、みんな元気に復興に向かえたかもしれない。でも、3人に1人が65歳以上ってことになると、プライバシーのない中で、ああいう生活が、災害のあと1週間、10日はしょうがないかもしれないけれども、1か月も2か月も3か月も続くとなると、これはもしかすると行政が作ってる二次災害じゃないかっていう観点も私はあるんだと思うんです。
熊本地震で亡くなった人が220人を超えましたけれども、家が壊れたとかで亡くなった直接死は50人。その3倍以上の人が地震のあとに、ストレスとか疲労とか持病の悪化とか、いろんな理由で亡くなってるんですね。つまり、この人たちは地震で生き残った人たち。避難生活をもう少し考えることができれば、もっと死者を減らすことができるんじゃないかっていうことは、熊本地震が投げかけている1つの問題意識だと思いますね。

高林 さん
車中泊も今回多かったですけども、非常に避難時期が過酷な状況だったんですよね。みなし仮設っていうのは、そういう中で避難所に長くいられなかった人たちが、とりあえず普通に近い生活環境を求めて入ったんですよ。例えばぜんそくの方が、避難所は非常にほこりが多いし、いられないと。あるいは糖尿病の方は、避難所の食事が合いませんから、早く移りたいと。例えば障害のある子どもさんがいる家庭とか、いろんな事情を抱えた方が、とりあえずみなし仮設に入った。
私も、みなし仮設ってある程度皆さんの生活落ち着いてるんじゃないかなと思って、10月から訪問を始めたんですけど、訪問してみるとそれぞれに、特に健康状態が悪い。いろんな病気や障害、それが地震のあとに発症したり、あるいは、持病が悪化したりとか。先ほどの孤立とか情報が届かないっていうこともありますけども、健康状態が悪いと。ここは非常に私は深刻だなと見ているんですけども。

田村 さん
みなし仮設っていうのは、どっか1棟とか、ひとフロアみたいな、ずばって県とか自治体が借りて、っていうんはだめなんですか?

山﨑 解説委員
街の中にあるアパートで、ワンフロア全部空いてるところがあればそういうことはできますけれども、空いてる部屋を探すと、こっちのマンションにひと部屋、こっちのアパートにひと部屋ってならざるを得ないですね。

田村 さん
それ用に用意しとくわけにはいかないですもんね、確かに。

山﨑 解説委員
でも、見回りをすぐスタートさせることはできますよね。あと、いったんみなし仮設に入ったけれども、プレハブの仮設ができて、そっちに近所の人たちがいっぱい集まって暮らしてるなら、引っ越したいっていうことを可能にすることも、私はできるんじゃないかという気がしますけどね。

首藤 アナウンサー
いまは移れないんですかね、そこは。

室﨑 さん
それは行政しだいですよね。例えば東北でも、仮設でどんどん転居する人が出て、空き家が出てきたら、みなし仮設から仮設に移動するということのサポートをしている。むしろ被災者にとってみたらそのほうがいいわけですよ。孤立してる人、孤立するために体調崩す人であれば、孤立しないところにもう1度移っていただくという発想だってありうると思うので。

首藤 アナウンサー
そうですね。では、これまでの議論をちょっと整理してみたいと思います。


グラフィックレコーディング

徳永 アナウンサー
はい。先週から始まりましたグラフィックレコーダー。どんどん描いてます。

SHELLY さん
いつの間に。

徳永 アナウンサー
熊本の野菜を取り寄せて食べているという山田夏子さん。

こんなに描いてます。
最初のほうの課題は、みなし仮設について

住まいさえあればいいんですかっていう専門家の皆さんの言葉。
そして、1人になりがちな人の像がだんだん見えてきて、私も亮さんも頭痛い

男性。我慢。50~60代。

マージャンなら来る。 ちょっと耳痛いツイート来ましたよ。

視聴者の声

「変なところで男のプライドが邪魔をする」

「もっと誰かに頼っていいんだけど、総じて男は孤立したがる」。

徳永 アナウンサー
共感がすごい来てます。
東北や近畿の方から。震災を経験したと思われる方からです。

視聴者の声

「盛岡では、市と民間団体が連携し補い合って復興支援センターを作り、みなし仮設戸別訪問、見守りしていますよ。いまも続いてますよ」

「陸前高田で被災しました。内陸で暮らしていますが、早く帰りたいです」

「福島の相馬で仮設の高齢女性を支援してきました。費用は自前です。支えるほうも現実は厳しい」。

「阪神淡路の被災者の身内は、生活普通に戻るまで10年はかかりました。気軽に復興とかは言えませんね」

徳永 アナウンサー
そして、やっぱりこれ、僕も気になりました。

視聴者の声

「東京で起きたらどうするの?」。

「せめて従来の町内会が機能していて、いざという時の連携があるといいですね」。

「南海トラフも近いと聞くし、ひと事じゃない」。

SHELLY さん
本当。

徳永 アナウンサー
そうです。こういったコミュニティーの問題、自分のこととして考えなきゃいけないんじゃないかと気付き始めてる人がどうやら増えてきてます。

首藤 アナウンサー
私自身も反省を言うと、育児と仕事とで時間がないなんて言いながら、コミュニティー、自治会とかの活動になかなか参加できてないっていうのがあるんですけど、どうですか? 

SHELLY さん
災害の準備っていうと、お水買ったでしょ、一応食料も準備してるし、家族の写真、大事なはんこなんかもある場所分かってるって、そっちばっかり考えて。自分の家族を守ることだけ。でも、コミュニティーとどういうふうに情報交換するのかとか、へたすると、ご近所さんの顔、別の場所ですれ違っても分からないかもしれない。

田村 さん
2ブロック先はほぼ分かんないですね。1ブロックが、ぎりぎり。家族構成まで分かってないんで、もし何かあった時に、誰がいないとか気付けないかも分かんないです。

首藤 アナウンサー
そうですよね。いけないと分かっていながらも。

山﨑 解説委員
人を助けるのは人ですからね。地域のコミュニティーっていうのを、自分からも入っていくようにしなくちゃいけないし、地域で作っていくことが大事だと思います。
防災訓練に人が集まるところって、お祭りもにぎやかだし、それから、イベントをやってもにぎやかなんですよ。地域の力っていうのは防災だけじゃなくて、地域の活性化にも影響するんだと思いますね。

田村 さん
うちの実家のほうが、母が1人暮らしで。だけど、そこの住宅地は40年ぐらいみんなつきあいがあるから、あそこには誰住んでるとか把握してるんで。そういうのが分かってるのはすごいなとは思いますけどね。

首藤 アナウンサー
ただ、本当に1人暮らしの男性とかを救えますかね?出ていかない人を。

室﨑 さん
熊本でもね、もともとコミュニティーがしっかりしているところは、自治会長さんが、みんなどこに行ってるか、仮設の場所と電話番号、全部知ってるんですよ。で、きょうはどうですかって聞いたりね、今度パーティーやるから来ませんかって何度も声かけたら、みんなが出てくる。それはまさに、元からあるコミュニティーがばらばらになる人をつないでいるので、日常のコミュニティー活動ってとても大切ですよね。
あるいはそこがちゃんとできてなくても、避難所でしっかりコミュニティーを作ったところもある。そういうところも、みんながどこに行ったかとか、そこでグループになった人が同じ仮設に入ってたりするので、いろんな段階でコミュニティーを作っておくってとても大切だと思うんですよね。

首藤 アナウンサー
避難所からスタートできるんですかね? 助けてってなかなか言いだせない、特にあの絵でいうと、男性。いると思うんですけど。

国崎 さん
つながりというのは、直接対面するつながりもあれば、今後の超高齢化社会を考えて、東日本大震災の被災地の陸前高田市は、巡回したあとに具合悪くなって、その時に助けを呼びさえすれば救われた命もあるということで、始めた取り組みがある。例えば血圧のデータを毎日、陸前高田市ではなく、盛岡市で医療関係者の方がチェックして、異常がないかっていうことを測ったりとか、あと、緊急通報ボタンをプレハブ仮設に置いたりとか、具合が悪くなった時に誰かとつながっている。または、119通報にすぐつながるボタンもあったりとか、いろんなシステムを入れたりもしているんですね。そういった誰かとつながってる安心感というのも、IT化というところも使って、できるかもしれないですね。

SHELLY さん
私の身近なところでいうと、子どもが生まれてから、区から定期的にメールが来るんですよ。いま月齢的にこんなことで悩んでませんか、こんなこと大変じゃないですかって。本当、そうそうそうって思うんですよね。
そういうやり方で、みなし仮設の人たちの、例えばメールアドレス全部登録するの難しいかもしれないですけど、今度こういうイベントありますよとか、こういう支援することできますよっていう情報共有ができるといいですよね。

室﨑 さん
みなし仮設の場合、どの方がどこに住んでるかという情報を、なかなかつかめない。だから、そこは行政がサポートをして、リストを作るだとか、その情報を元の自治会長さんに渡すとか、情報をみんなで共有化しないといけないと思うんですよね。いま見えなくなってるので、見えるようにしてあげないといけないと思うんです。

山﨑 解説委員
災害を、自分のことに考えるというお話がありましたけれども、こんな取り組みもあるんです。

「HUG」、避難所運営ゲームっていいますけれども、静岡県が作りました。避難所って、行きさえすればみんな何でもやってくれるって思ってる人が多いんじゃないですか?

SHELLY さん
そうですね。食べ物が運ばれてきたりとか。

山﨑 解説委員
でもね、避難所の運営は、基本的に避難した人たちがやるのが原則なんです。それを分かってもらおうっていうゲームで、例えばあなたが避難所の責任者になった時に、おむつが足りないって人がいましたが、どうしたらいいですかとかね。高齢者がたくさん来ました。体の不自由な人もいます。ボランティアの駐車場を作ってくれませんかっていう問い合わせが来てるけども、どうしましょうかっていうことをみんなで考えながら、災害が起きた時にどうするかってことをシミュレーションしてみようっていう、こんなゲームもあるんですよ。

田村 さん
1回やっておくと、違ったりするんですよね、何でも。

首藤 アナウンサー
ただ、こういうところにも出てこない男性はどうしたらいいですか?

室﨑 さん
先ほど山崎さんが、住まいだけでいいのかって言われたでしょ。僕はね、仕事がいると思う。単に自分のお金を増やすってことではなくて、社会とのつながりを。だから、仮設住宅の道路の清掃だとか、花壇のお世話だとか、あるいはもっといろんな意味での。そういう役割をちゃんと与えたら、わりあい男性はね、よし、俺がって出てきてくれる。

首藤 アナウンサー
頑張ろうかと。

室﨑 さん
僕は、そういう役割を与えてあげるっていうこと、とても必要だと思います。

首藤 アナウンサー
皆さん、どうもありがとうございました。

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