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放送内容まるわかり!

2017年04月22日放送

"生涯おひとりさま"社会到来!? どうなるニッポンの未来

今月、国の調査で50歳まで1度も結婚したことのない人の割合を示す「生涯未婚率」が男性の4人に1人、女性の7人に1人となり、過去最高を更新したことがわかりました。 人生の選択肢が多様化する一方で、将来的に老後に身寄りのない人が増えるため、年金や介護などが十分対応できないリスクが懸念されています。 将来の日本はどうなるのでしょうか?"おひとりさま"がハッピーになるために、できることは?深読みします。

今週の出演者

専門家

山田 昌弘さん(中央大学 教授)
藤森 克彦さん(みずほ情報総研 主席研究員)
荒川 和久さん(博報堂 ソロ活動系男子研究プロジェクト リーダー)
藤野 優子(NHK 解説委員)

 

ゲスト

ビビる大木さん(タレント)
三田 寛子さん(女優)

今週のグラフィックレコーディング

グラフィックレコーダー
山田 夏子さん


首藤 アナウンサー
街で40、50代の方、平日昼間に聞いたんですけど、結構未婚の方に出会うんですよね。一見生き生きと楽しく仕事をされている方も、さみしいとか、将来不安だっていうふうにおっしゃるんですよね。それが意外だったんですけれども。
ゲストおふたり、身近にいらっしゃいますか?

三田 さん
ほとんど学生時代の友だちも、同窓会とかで会うと、え、結婚してないの? っていう独身の方も、生き生き仕事なさってる方、大勢いるんですよね。

ビビる大木 さん
僕は40代ですけど、周りになると、結構願望あっても、人の好きになり方がもう分かんなくなってきたっていう人がいるんです。恋愛のしかたがよく分かんないっていう人が。

首藤 アナウンサー
結婚するかしないっていうのはもちろん個人の自由かと思うんですけれども、生涯未婚の人が増えると、私たちの未来が大変なことになるかもしれないというんです。専門家を交えて、きょうは考えていきたいと思います。
さあ、まずは、38歳独身、うさぎとテレビがお友だち。田中アナウンサーのプレゼンです。


プレゼンテーション

田中 アナウンサー
おはようございます。独身でうさぎ飼ってちゃだめですか?

首藤 アナウンサー
ちょっとうさぎだけが気になるんですけど、でも、大丈夫です。

田中 アナウンサー
やっぱり、この年で結婚してないと、人間としてちょっと問題があるんじゃないかとか。

ビビる大木 さん
って思っちゃう人も出てくるんですよ、本当に。

田中 アナウンサー
被害妄想かもしれないけど。あとは、結婚してる人たちの仲間で飲んでたりすると、「結婚、家族持って一人前だよね」みたいな感じがあって、ひとこと言わせてもらうと、ほっといてほしいというのがあるんだけれども、ただ、ほっとけない問題が結構あるんで。

ビビる大木 さん
田中さんはうさぎ養ってるんですから、立派ですよ。

三田 さん
田中さん、もてすぎてね、なかなかこう、縁がなかったのかなって。

首藤 アナウンサー
皆さんの優しいフォローが(笑)。

田中 アナウンサー
ありがとうございます。すいませんでした、本当に。

「生涯未婚者」って言葉。まず、定義なんですけれども、50歳まで1度も結婚したことがない人のことをいうんですね。私よりも少し上ですけれども、ひと事じゃありません。
模型でいうと

この深読吾さん。いま47歳ですね。ちょうど青春がバブル真っただ中のところ。遊びも仕事も夢中になってきて、気付けばこの年までおひとりさまだったと。
でも、いろいろ周囲からプレッシャーがあります。結婚、まだしないの? とか。

三田 さん
親御さんから言われるのがいちばんプレッシャーとか、お友だちとかも言ってましたね。

田中 アナウンサー
三田さん、うちも結構親から言われます。そういうね、プレッシャーっていうのは結構親戚とかいろいろあるんだけど、そうじゃなくて、

私たちはここからもちょっと感じている。
確かにいま、日本はこういう問題抱えてます。

「少子高齢化」に「労働力不足」。私もこれは大変な問題だと思いますが、4年ぐらい前から、国は各自治体に補助金を出して、

街コンだとか、婚活パーティー。冒頭の東京都のもありましたけれども、ずいぶんと「婚活支援」を言ってくるなと。私から見ればですよ、税金を使ってまででも、結婚したほうがいいですよって言われてる気がします。
まずね、この言葉、聞いたことありますか?

「標準世帯」 例えば、電気の値上げとか、消費税上がりますといった時に、一般家庭でどれだけ影響がありますか。標準世帯でいうと1か月どのくらいですっていう時によく聞きます。
夫婦と子ども2人の世帯。おうちもあってという、こういう家族ですね。高度経済成長期に多かったようなおうち。お父さんが外で正社員として働いて、お母さんは専業主婦として家で子どもを育てると。
なんかね、ごめんなさいね、いちいちね。引っかかるんですよ、この「標準」。じゃあ、僕らは標準じゃないのかと。これが標準かと。ちょっといろいろあるんですが、ただ、私いちゃもん言ってるだけじゃなくて、社会保障とか、これが基になってるんですよ。

例えば、専業主婦を妻に持つ夫は、その分、国に納める税金の一部を安くしますよということだったり、年金でいいますと、サラリーマンを夫に持つ専業主婦の人は、保険料は自分で納めなくていいです、夫とか夫の会社などで分担をします、だったり。原則老後は、年金はお渡ししますよ。安定的な生活を経て、そして、老後へという。いろんな議論はありました。けれども、まだこういう制度は残っているわけです。
読吾さん、われわれ単身者、おひとりさまは、何の優遇も受けておりませんね。税金もフルでお支払いして、国をしっかりと支えているという自負は持っております。
結婚というのはそもそも誰に言われるものではない。個人の自由だ。自分は選んで独身なんだという人ももちろんいるかもしれない。ただ、きょう本当に伝えたいのは、実はここから。
35歳未満の未婚の人に向けて、国が聞きました。すると、ほぼ9割の人が同じ答えだった。

9割の人は、結婚はしたいんだって答えた。ここに行きたいんだとは答えたけど、できないんだって言っている。さあ、なんでできないのか。理由は。

35歳未満の人に聞いているんです。ちょうどバブルが崩壊して、"失われた20年"っていうのを生きてきた人たちで、いま非正規で働いている人たちも4割ほどいる。仮に正社員だとしても収入が低い。家庭を持つとか、持ち家なんていうのは夢のまた夢。
もう1つ、こういうデータもある。生涯未婚率と。男女ともにですけれども、1990年、バブルぐらいのところまでは、男女ともに5%以下ぐらいだったのが

右肩上がりに急上昇。 いま2017年、このへんですけれども、これから35年まで右肩上がりでいくと。

いまでいうと、生涯未婚率は男性4人に1人、女性7人に1人です。18年後ですね、2035年には、これが

男性は3人に1人、女性5人に1人というところまできている。つまり、経済的な理由。とにかくお金がっていって、困っている人たちがそのまま年を重ねていくと、上がりたくてもっていう、この差がどんどんできてしまうというわけです。
確かに蓄えのちゃんとある人は、蓄え、本当にいっぱいあります、稼いでますっていう人、おうちも買って、自分で老後の見通しも立っていますという人もいるかもしれませんが、なかなか経済的に厳しいという人たちがこれからお年寄りになっていくと。

生活保護を受けることになったり、孤独死してしまう人も増えるのではないかという心配の声もあります。でも、国の標準というのは、いまもこうなんですね。私から見ると、ここだけキラキラしているような気がする。
さあおひとりさまの読吾さん、私たち、婚活パーティーでも行きますか。

ビビる大木 さん
うわー、なんだかすごいことになってますね。

首藤 アナウンサー
どのくらい大変な社会が訪れるんですかね。

藤野 解説委員
先ほど、将来の未婚率が高い状態が続くと。それだけじゃなくて、これからその人たちが高齢期を迎えていくと。しかも今後、支え手がどんどん減っていく。少ない支え手で高齢者を支えていくっていうところに大きな問題があるんですよね。

藤森 さん
あともう1つ挙げられるのが、いま1人暮らしの人が増えていて、これまでは死別で1人暮らしの方が多かったんですけれども、これから増えていくのは、未婚のまま高齢期を迎えますので、配偶者だけじゃなくて、子どももいらっしゃらない。
いま、介護保険ができたとはいえ、7割の方が、要介護者抱える家族の方が、誰が主たる介護者を家族だと答えてるんです。でも、配偶者も子どももいないわけだから、家族介護っていうのはいっそう難しくなってくるだろうなと思いますね。

首藤 アナウンサー
不安の声、かなり来てるんですね。

視聴者の声

京都府・40代・女性
「認知症になった時、誰に見てもらうか、残った家や墓をどうするか、分からないことだらけ。不安だらけ」。

広島県・30代・女性
「両親の介護が入ってくると仕事もできなくなる。両親が他界したあと、私は1人。お金がないので施設も入れず、年金もない。不安しかない」。

田中 アナウンサー
ツイッターも来てますよ。未婚だという方から。

視聴者の声

「私が知っているおひとりさまの何人かは、家族を介護し続けなければいけない状況にあるんです」

田中 アナウンサー
あと、本当に生涯独身者と言ってる方ですが、しないんじゃなくて、できないんですと。

視聴者の声

「必死に働いて会社に貢献したらリストラ。低所得で結婚なんかできるか」

「独身・未婚の私にとっては、この話自体がとっても痛い話です」

首藤 アナウンサー
本当不安の声がすごくあるんですけれども、いったいどういう社会に、どんなリスクがあるっていうふうに、皆さんお考えなんでしょうか。

山田 さん
藤森さんが言ったとおり、いまの制度っていうのは、社会保障にしても、介護にしても、さらに成年後見という制度にしても、家族がいるのを前提に作られてるんです。いま1人暮らしの高齢者が増えてるんですけども、どこかにお子さんとかがいて、何かあったら駆けつけて、例えば施設に入るにはどうするとか、病院に入るにはどうするとか、いろんな判断をしてくれる人がいる。しかし今後は自分を大切にしてくれる、面倒を見てくれる、気にしてくれる家族が誰もいないまま高齢を迎える人が増えてくるんですよね。

荒川 さん

さっき、生涯未婚率で、2035年には3人に1人、女性も5人に1人と言われていますけれども、まだ3割か、まだマイノリティーかというふうに思いがちじゃないですか。

でも、実はいちばんの問題は、独身って未婚だけじゃないということなんです。離婚もあれば、死別っていうのもあって、1回結婚はしたけれども、独身に戻る方っていうのもいらっしゃる。それが、2010年時点での国の推計だと、2035年には48%、つまり日本の人口の5割が独身になるんです。半分っていったら、ほぼほぼマジョリティーになってきてるわけですよね。逆に言うと、皆さんはいま結婚してるから安心なわけではなくて、いつ何時、もしかしたら1人になる可能性があるという、私はこれをソロ社会化と言っていますがそのリスクを、皆さん1人1人が考えていかないといけない時代になってきてるなと。

首藤 アナウンサー
確かに、結婚してるからといって全然安心ではないという。

山田 さん
それに、私たちも親の介護にちょうどさしかかってくる世代で、介護とかで本当に疲れきってたり、そういうことも複雑に絡んできますよね。家族がいたからって、面倒見てもらうとか、お世話になれるというよりは、1人1人が、家族がいてもしっかり自分の老後を考えてかないと、かなり厳しいなっていうふうに思いますよね。

藤森 さん
そうですね。その点で言うと、老後のリスク、ここにあるように、大きく言って3つあると思うんですね。

これは高齢の1人暮らしの方が抱えるリスクですが、1つは先ほど言った介護。家族介護がこれまで中心でやってきた国が、家族がいない人が増えていく。2つ目に、貧困の問題。配偶者がいれば、失業したり、病気になったりした時に、配偶者がやりくりすることができますが、高齢の1人暮らしの方っていうのは貧困のリスクが高くて、男性は3割、それから、女性は5割弱の方が貧困に陥ってるという統計が出ています。
それから、もう1つは孤立のリスク。1人暮らしの、特に男性ですが、高齢の1人暮らしの男性の6人に1人が、会話頻度が2週間に1回以下ということが出ているんですね。ほとんど会話をしていないっていうのと近い状況です。

山田 さん
さらに、私が昔「パラサイト・シングル」って言ったんですが、独身者の若い人は、大部分は親と同居してるんです。いま中年で親と同居している人、独身、未婚者が増え始めてきて、つまり、親が亡くなった時にいきなり、高齢になった時に1人になってしまう。
独身者といっても、中年ぐらいだったら60、70ぐらいの親が一緒にいて、生活しているところに、親が亡くなってしまったとたんに、いきなり孤立が来てしまうっていうのが、1つ大きな問題としてあると思います。

藤森 さん
あと、いま中年層、40代、50代で未婚の人が増えているんです。この世代の人口は95年から2010年にかけて1割ぐらい減ってるのに、未婚者の人数は1.9倍増えてます。
未婚者を、1人暮らしと親と同居する人に分けると、親と同居する人っていうのが2.3倍、1人暮らしの方は1.7倍なので、親と同居する未婚者の方々が増えていて、なぜ親と同居してるかというと、1つの大きな特徴は介護の問題。親の介護を抱えている方々が、親と同居する中年の未婚者では多いということがあります。

視聴者の声

「生涯未婚は社会保障、税収などに影響を及ぼします。どんな手段を使ってでもカップルを作る工夫が必要と感じます」

「将来へ向けての貯蓄をできないなら、四の五の言わずにマッチングしてもらって結婚すべき。昔の見合い結婚と同じだと思えばいいのでは」。

首藤 アナウンサー
反対意見もあるんですよ。

視聴者の声

東京都・40代・女性
「両親の結婚がよいものと思えず、家族というものに夢を抱けずにきました」。

愛知県・40代・女性
「結婚で幸せになるとは思わないし、結婚で不幸になる人もたくさんいます。あえて二者択一で選ばなくていいのではないでしょうか」。

田中 アナウンサー
ツイッターもですね、結構ありますよ。

視聴者の声

「結婚している人のネガティブ発言が多すぎます」

「いまの結婚制度は縛りがきつすぎるんじゃないの。ツイッターみたいに緩くつながる社会ができたらいいんじゃないの」

「結婚していてもさみしい人はたくさんいますよ」

ビビる大木 さん
僕、38で結婚して、まだ結婚4年ですけど、して思ったのは、みんな結婚してて、例えば幸せな気持ちがあるのに、人に言う時は、「いやあ、家帰ると大変なんだよ」って、日本の男性の、幸せな気持ちを人に伝えないっていうとこがちょっとあるんで、独身の方がたぶんそれで、あいつ結婚しても、そんなにいい思いしてないらしいよっていう勝手な印象を持っちゃってることも、ちょっとあるんじゃないかなと思ったんです。みんなネタでね、おもしろく、自分が苦しいとか、窮屈だっていうことを言っちゃうんですよ。

山田 さん
そうですね。最近若い人たちで恋愛離れが起こってる。親を見てると楽しそうに思えない。
50代、60代の人は、親は見合い結婚だからしょうがない。われわれは、恋愛結婚したら一生ラブラブで過ごせると思っていた。でも恋愛結婚したはずなのに、あまりラブラブではない。一緒に出かけないし、手もつながないのを見ていると、というのがありますよね。

三田 さん
責任感じますね、親は。子どもの前でなかなかラブラブっていうわけに、親はいかなかったりね。でも、よく結婚は墓場だって言う人がいたり、バラ色だって、いろんな表現のしかたがありますけど、私なんか、結婚することによって喜びは倍になり、苦しみは半分になると思って結婚しましたけど、両方倍になるんですけど。

ビビる大木 さん
結果、両方倍(笑)。

三田 さん
でも、それで、人生ってこんなに味わい深いんだ。春夏秋冬、私なんか年齢的に秋にさしかかって、これから冬を迎えていく人生を、やっぱり味わっていく。生かされてる中で、自分がいろんな勉強をすることが味わいで、すごく喜びに変わって、生きがいになったりして、年齢とともに自分の考え方も、子どもができて、子どもから学んで、母親として、人間として1つアップしたり、逆に子どもができない時に、私は子どもができない女性としての苦しみを抱えながら考えることとか、いいことばっかりじゃないって、これが、でも、人生って味わいなんだなって思いますし、前向きに考えないと。日々のニュース見ててもそうですけど、あんまりつらいことばっかり抱えちゃうと、先が見えてこなくなりますよね。

首藤 アナウンサー
三田さんのような方が近くにいたら、また違うのかもしれない。

ビビる大木 さん
昔みたいに、近所とか友人に世話を焼く人って減ったんですか? やっぱり。

山田 さん
減ったというよりも、先ほど言った、非正規が増えているっていうのは多いんですよね。だから、なかなか非正規の人を結婚相手にどうですかって紹介できなくなってるんですよね。
見合いを研究している社会学の人もいるんですけれども、昔は紹介できるような人が、胸張って紹介できる人がたくさんいたんだけれども、最近は、近所に胸張って紹介できるような人がなかなかいないっていうのがありますね。

三田 さん
お見合いおばちゃまみたいな方もいなくなったり、あと、人と関わることが何となく昔より薄くなってる感じはありますよね。

首藤 アナウンサー
荒川さん、独身研究家でいらっしゃるんです。

荒川 さん
独身を研究すると、同時に既婚者も研究するので、結局全体を研究することになるんですけど、一方で、いまの若者が恋愛離れとか、草食化とか、絶食化とか、恋愛のしかたを知らないとか、言われますよね。データでも最近は7割が彼氏とか彼女がいないということが言われたりして、7割もいないのかってみんな驚かれるじゃないですか。
でも実際

「出生動向調査」を追っていくと、1982年からずっと、婚約者とか恋人がいる割合っていうので、18歳から34歳の若者なんですけど、あまり変わってないんですよ。

三田 さん
だって、彼氏いるのって聞かれて、いないって言いにくくて、いなくても、いるとか言っちゃう時あるじゃないですか。だから、意外とこうなんですね。

荒川 さん
実際問題、そんなにいまの若者だけの問題ではなくて、だいたい昔から、つきあってる人なんて3割ぐらいしかいなくて、よく考えたら、クラスの中で3割ってそんなものじゃないですか。バレンタインにチョコレートもらうのなんてだいたい3割以下ですよ。だから、いまの若者だけの問題じゃないのかなっていう話は1つあるし、これが、さっきの知り合うきっかけにもたぶんつながってくるんだと思うんですけど、じゃあなんであんなに結婚できてたのかという話なんですけど、これですよ。

お見合いがこの当時までは25%近くまであったわけです。それがどんどんなくなって、5%以下です。その代わりに出てきたのが、職場とか仕事で結婚する職場結婚で、それがお見合いの代替だったんです。だから、職場で恋愛結婚したんだって威張るお父さんがいたとしても、あれは社会的お見合いシステムで、ある意味、お膳立て結婚なんですよ。

三田 さん
えー、でも、社内恋愛禁止とか、職場結婚禁止みたいな時もありませんでした?

首藤 アナウンサー
こういう議論を聞いてくると、「標準的な世帯」というのを、どう考えていったらいいのか。
ちょっとずれがあるかなって感じるんです。視聴者からも、「生涯未婚を悪としないで、それでも福祉や生活が成り立つ制度に変えていく時代なのではないでしょうか」とあります。

藤野 解説委員
いろんな多様な形態があると思うんです。家族じゃなくてもね。1人でいる人だって、介護が必要なお年寄りを抱えたり、さまざまなケースがある。あと、LGBTの問題とかね。
いろんな、家族だったり、家族を超えた関係があるので、1人1人の人生のリスクに対応した個人単位の社会保障だったり、税のシステムに早く変えていって、社会で支えると。リスクをどう支え合うかっていうことを構想していかなきゃいけないと思うんですよね。

藤森 さん
さっきの標準世帯で大事なのは、正社員がいて、正社員の場合は生活給込みの賃金というのは払えるから、教育費だとか住宅費とか、ちょうど50代前半がピークになるように給料をもらえてるわけですよね。女性のほうが専業主婦だったら、育児・介護を担う。
日本の社会保障っていうのは、家族で担う、家族の役割が非常に大きかったから、国際的に見ると、日本の社会保障制度って結構安上がりの制度だったんです。社会保障の、GDPの社会指数の割合っていうのをとると、高齢化率、日本は世界でナンバー1なんですが、そのわりには社会保障はそれほど支出規模は多くない。
これから、標準世帯がいま減っていって、家族っていうのはこれからも重要な社会の構成単位になるとは思うんですが、それでもなお単身世帯が増えたり、いろんな標準世帯以外の世帯が増えるわけですね。いろんな世帯の生活上のさまざまなリスクに対応した公的な社会保障を充実させていくことが必要だとは思いますね。

山田 さん
標準世帯の中でも、正社員っていうのが1つポイントなわけですよ。いまの60代、70代の人は正社員だったんですけども、いまは結婚しても非正規社員であるっていう場合が結構増えてきたんですね。さっき年金で優遇ってありましたけれども、優遇ないんですよ。夫が非正規社員の場合は。議論は始まってるんですけれども、正規と非正規の差っていうのは大きいので、なかなか非正規社員の人が結婚しにくいっていうのは、本人の問題っていうよりも、制度的な問題っていうのがすごく大きいんです。

藤森 さん
賃金が年齢によって上がらないわけですよね。そうすると、将来子どもを持った時の教育費をどうする、住宅どうするっていう問題が非正規の方々にはあって、それを自助努力でというのも、努力って自分で乗り越えられる範囲で努力するんだけど、自分の自己責任というにはハードルが高いというふうに思いますね。

藤野 解説委員
私がこれからの社会保障を考える上でポイントだなと思うのが、正社員じゃない人たちが増えてきて、現役世代の持ち家率も下がってきてるわけです。ところが、いまの社会保障の制度って、年を取ったら、ご夫婦で住まいがあって、そこで年金を基に生活していくという設計のスタイルのままなんですよ。しかしこれから年金もだんだん実質目減りしていくと、家持ってない人が年金の中から家賃を払えなくなることもある。その時に、住宅の保障をどう強化していくのかも、新しい制度を考える上でのポイントになってくると思います。

荒川 さん
そもそも結婚って、1人だったら大変だけども、2人合わせることによって、寄り添って助け合って生きるための仕組みだったわけです。お金がないから結婚できないって実は本末転倒で、お金がないから結婚するんです。

山田 さん
それが、欧米だったら成り立つんですよ。それはなぜかっていうと、欧米は原則として、学校を卒業したら1人暮らしなんですよね。そうしたら、2人で結婚なり同棲なりをするんですけれども、日本は、若い人の未婚者の8割は親と同居してるんです。親と同居してるほうが生活しやすいわけです。だから、結婚すると貧乏になっちゃうから、親と同居していたほうがましということになるんですね、経済的に言えば。

三田 さん
昔って、「神田川」の歌の世界みたいに、本当にお金がない2人が頑張ってみたいなところがありましたけど、いま、貪欲になるんですかね。結婚したら、もっとこうっていうふうに。

山田 さん
親と同居している人が増えたっていうのは大きいですね。「神田川」の時は、地方から都会にたくさん1人暮らしの人が出てきたので、結婚が早かったんです。親と同居しないと、欧米のように、同棲とかそういうことが増えるわけですよね。2人のほうがいいんです。あと、シェアハウスとかが増えるわけですよね。

藤森 さん
親と同居せざるを得ない人っていうのが増えていて、1つは介護の話であり、もう1つは家賃の話ですね。非正規の方が住まざるを得ないっていう方もいるから、本当はもう少し支援があれば、結婚っていう選択肢も思うかもしれないけど、いまの現状だとなかなかできないという。だから、公的なサポートが僕は必要なとこだと思いますね。

山田 さん
北ヨーロッパで出生率が回復したのは、若い人たちへ住宅を供給したからです。結局、結婚をしてどこに住むかっていうのは最大の問題なわけで、その時に、出生率が回復した北ヨーロッパでは、安く若い人たちに良質な住宅を供給したっていうのがあるんです。

荒川 さん
年収が低くても結婚してる人はある一定数いて、300万円の年収がなければ結婚する資格がないという「300万円の壁」みたいな言われ方をする場合もあるんですけど、300万未満でも、30代、40代合わせて200万人は結婚してるわけですよ。例えば地方に住んでる場合、親の敷地に住居が用意されてるとか、地方に住んでる人たちはそういうところが恵まれてたりするので、低年収での結婚が実現できてるっていうところもある。

首藤 アナウンサー
ちょっとここで、ここまでの議論を振り返ってみたいと思います。田中さん、お願いします。


グラフィックレコーディング

グラフィックレコーダー
山田 夏子さん

田中 アナウンサー
これまでの議論を見ますと、

おひとりさまが増えるとどのぐらい大変になるのっていうところから始まりました。生涯未婚の方が増えていくことで、

様々な不安があるのでは、ということがありました。

今後を考えていくとき、、標準世帯っていう、この基準がまずどうなのっていう意見、結構来てます。「おひとりさまが生きやすい社会というのは、高齢者みんなが生きやすい社会ですよね。標準世帯じゃなくて、モデルを何パターンか作って社会保障費を試算したほうが、制度が高まるんじゃないでしょうか」。
例えばLGBTの問題とか、いろんな選択肢を考えたほうがいいんじゃないですかっていう声が。結構、このままでいいのかなっていう意見が多かったですね。

首藤 アナウンサー
後半このあと、今のツイッターにあったような「いろんなおひとり様」が生きやすい社会、をどう作るのか、つまり「多様な社会」のあり方を考えたいと思うのですが。

三田 さん
いろんな形があるから、多様性って大事ですよね。頭を柔らかくしてね。

ビビる大木 さん
僕、ちょっと分かんないですけど、単純に、いまこの制度だと、私は、僕は生きていくの苦しいなっていう人が、そういうルールづくりに参加しないと。幸せ満々な人が制度作ってても、いまいち、自分のことじゃないから。制度に提案が、うまく。だから違うんだよって言われちゃうことにしかならないから。そうですよね。

山田 さん
そうなんです。例えば江戸時代などは、結婚しない人も結構多かったんですけれども、家の中で、おいとか、きょうだいの子どもに面倒を見てもらったりとか、さらに、お寺に入るとか、そういうことでシステムができてたんです。でも、日本は戦後になると、ほんとんどの人が結婚しちゃう社会にいったんなってしまったので、1人になった人がどういうふうに生活してったらいいのか、人とつながりを作りながら生活してったらいいのかっていうモデルがないまま、いまを迎えてしまったんですね。

ビビる大木 さん
まだうまく回ってた70年代、80年代でおひとりさまだった人は、どうだったんですか?

山田 さん
いまの80歳で結婚してない人は2、3%なんですね。残った数パーセントの人たちは施設に入るなりっていうことで、十分間に合ったんですね。

首藤 アナウンサー
新たな支えが必要なのではという声も。東京都70代の男性「いままでの『家族』ではもうやっていけないのではないですか。全く違った『新しい絆』を構築していくしかなさそうだ」。

藤野 解説委員
家族で支え合うっていうのが限界の時代になってきていて、家族はあるけれども、いろんな関係があって、断ち切られた人もいる。地域の中とか社会の中、もちろん個人の単位で考えれば、友人とどういうふうにこれから自分に起こりうるリスクを想定して、いざという時に助け合える。そういう環境を作っておくことが大事ですよね。

三田 さん
助けてもらうだけじゃなく、自分も助けて、みんなが力を合わせてというのが大事ですよね。

荒川 さん
家族や地域、あるいは職場とかって、ちょっと前までは揺るがない安定したコミュニティーだったんですね。昔、会社が家族みたいなものだって言って、終身雇用だし、ちゃんと最後まで面倒見ていた。でも、いま会社にそんな体力がなくなってきている。いま、地域っていうコミュニティーも、隣の人が誰かも知らなかったり。また一方で、家族も、お父さん、お母さん、子どもっていう最小単位で暮らしてるので、助け合いっていっても、3人とか4人でやんなきゃいけない。どんどん苦しくなってるのに、それを家族だけでって続けていくと、家族が家族のために頑張ったあげく、家族が全員共倒れになる可能性もあるんですよね。

藤森 さん
だから、家族にあまり重い負担をかけてしまうと、これからも大事な単位となる家族自身が壊れていってしまうおそれがある。たぶんやらなきゃいけないのは、これから社会保険だとか、介護保険も厳しくなる中、親の介護のためになかなか結婚が難しい人に対してもちゃんと社会的にサポートしていくこと。そのためには地域づくりってとても大事ですが、いま都会では、隣のマンションとか団地で、人間関係が乏しいところって珍しくない。
地方のほうではそれでもコミュニティーがあって、例えば古民家や、どぶの掃除だとか、お祭りみたいな行事など、日常的に手間暇かかって面倒くさいことを、みんな集まって定期的に行うことでコミュニティーを作っている。都市ではそういう面倒くさいことってお金で買えちゃいますよね。でも、その面倒くさいことを共有し、人間関係を築いていくことが今後大都市圏でも必要になってくると思うんです。若い人たちだってこれからそこで長い間生きていくわけだから、地域のいろんな問題の当事者となる。そういうところで、人々がもっと話をしたり、自主的に参加したりするような、その場を作ることが大切です。婚活を税金使ってやるよりも、コミュニティー作りにもっと人々が参画するような仕組みを作ることが大切だと思います。もちろんとても難しいことなんですが。

田中 アナウンサー
多様性でいうと、ちょっとツイッター来てるんで、いいですか。

視聴者の声

「夫婦じゃなきゃだめなんですか。今後は男女問わず複数の友だちで共同生活とかも考えられると思います」

30代・女性
「女性といま同棲しています。できるなら結婚という形をとりたいです。多様化する家族のあり方を認めてほしいです」

「私は同性愛者で、このため結婚ができません。このような理由で結婚できない人もいるんです。それを分かってください」

荒川 さん
その話と同じなんですけど、家族っていう何かっていうことを、もう1回概念から考えたほうがいいと思うんです。いままで血縁関係があることが家族だとされてたと思うんですけども、だとすると、未婚の人とか独身の人とか、全然関係ないという話になる。ソロっていうか、独身の人と家族を分断してしまってるのがいまの時代だと思うんです。
そうじゃなくて、血縁じゃなくて、考え方でつながるっていうような。例えば、同じ価値観だったり、考え方だったり、同じことに興味を持ってる人たちが、緩やかに考え方でつながって、家族の範囲を広げてく。「拡張家族」的な概念というか、これからはそういったコミュニティーが必要になってくるんじゃないかな。

山田 さん
それがなかなか日本で広がらないのは、日本人ってリスクがすごく苦手で、保障が欲しいんです。だから、家族になればきっと保障されるに違いないと思って婚活してる人が多いんですけれども、でも、家族であっても保障がない場合は結構出てきてるよっていうことと。

荒川 さん
そうですね。でも、保障を願って家族を持って、家族だけが最後のセーフティーネットって思っちゃうことが、それが逆にまたリスクになるので。

藤野 解説委員
だから、社会保障も強化していかなきゃいけないし、家族っていろんな形があるし、さっきツイッターのご意見もあったし、いろんな人たちの価値観、生き方を認め合って、その人たちもみんなで受け止めていく。その中でそれぞれの人たちができること、リスクにどう対応していくのかっていうのを、つながりを持って考えていくことが大事だと思います。

首藤 アナウンサー
皆さん、きょうはありがとうございました。

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