11月9日

知らないと怖い!“オーラルフレイル”

口まわりの筋力が低下する「オーラルフレイル」。放置すると、さまざまな病気につながり、死亡や要介護のリスクが2倍以上になることがわかってきました。国は、2年前に「オーラルフレイル」に「口腔機能低下症」という病名をつけ、保険適用。番組では、具体的な検査方法や、診断された場合の対策をご紹介しました。さらに、これからの時期、感染症のリスクを上げる原因となるのが、舌の位置が通常より下がってしまう「低位舌(ていいぜつ)」。ドライマウスや睡眠時無呼吸症候群にもつながる、その実態と、舌の位置を改善するためのトレーニングをお伝えしました。さらに9時台では、コロナ禍で増加している「歯ぎしり」や「食いしばり」についてご紹介。改善のためのストレッチやマッサージ方法についてお伝えしました。

知らないと怖い!“オーラルフレイル”

「オーラルフレイル」、直訳すると「口の虚弱」。最近、食事のときにむせるようになった、硬い物が食べにくくなった、など、ささいなトラブルをきっかけ、口の筋力低下がすすみ、低栄養や誤えん性肺炎、認知症など、さまざまな全身の病気につながることがわかってきました。3年前、東京大学は、高齢者約2,000人を対象にした調査で、オーラルフレイルの人は、そうでない人に比べ、4年後の死亡リスクが2.09倍、要介護リスクが2.35倍になると発表しました。

「口腔機能低下症」は年齢とともに増加

この「オーラルフレイル」は、2年前に「口腔機能低下症」として、保険診療の対象となりました。7項目の検査のうち、3項目以上に該当すると、「口腔機能低下症」と診断されます。東京歯科大学が行った調査では、この「口腔機能低下症」にあてはまる人が、50代で約半数、年齢が高くなるにつれて急増することが分かってきました。

舌の位置が下がる“低位舌”

子どもの頃からの癖や、加齢にともなう筋力の低下によって、舌の位置が通常より下がる「低位舌(ていいぜつ)」。ベロにギザギザの歯形がある人は低位舌の可能性があるといいます。低位舌になると、ドライマウスや睡眠時無呼吸症候群など、さまざまな病気につながると指摘されています。ベロの正しい位置は、つばを飲んだときに、一瞬、ベロが上あごにくっつくその場所。ふだんからの意識づけや、舌を支える筋肉「舌骨上筋群」を鍛えるトレーニングで改善できるといいます。

“舌骨上筋群”を鍛えるトレーニング

あいうべ体操

(1)口を大きく「あ~い~う~べ~」と動かす
(2)「べ~」のときに、ベロを突き出して下に伸ばす
(3)目標は1日30回。動作はゆっくりと、大げさなぐらい口を大きく動かすのがポイント。

シャキア・エクササイズ

(1)仰向けで肩は床につけたまま、頭だけ上げて足の指を10秒間見る。
(2)これを3回で1セット
(3)目標は1日3セット。首の具合の悪いときは無理をしない。

ふだんの食事の姿勢を見直す

背筋を伸ばし、あごをひいて、下を向いて食事をする。
食事に限らず、普段から姿勢を正すことで、舌骨上筋群など、口まわりの筋力が鍛えられる。

食いしばり・歯ぎしりの影響

口まわりのトラブルとしてことしに入って増えているのが、食いしばり・歯ぎしり。歯科医師の小見山道さんによると、食いしばり・歯ぎしりは自分で気づきずらく、あごや頭の痛みを訴えて来院した人の原因を探ると、食いしばり・歯ぎしりをしていることが多いといいます。その原因は、かつてない状況によるストレスや外出自粛で体を動かさないこと。放っておくと、さまざまな問題を引き起こすので、要注意。

自分でできる食いしばり・歯ぎしりチェック

自分が食いしばり・歯ぎしりをしているか、簡単にチェックする方法があります。普通、上下の歯は、唇を閉じた状態で2~3ミリ離れています。唇を閉じた状態で歯を離したほうが楽であれば、問題ないですが、歯が触れているほうが楽であれば、接触癖あり。食いしばり・歯ぎしりをしている可能性があります。

ことしから保険適用になった睡眠時の食いしばり・歯ぎしり検査

夜中は無意識のため、自分が食いしばりや歯ぎしりをしているのか分かりません。そこでことしから、寝ている間の状態を調べる検査が保険適用になりました。あごを支える筋肉の上につけて眠るだけで、食いしばりや歯ぎしりの回数、強さを計測できます。この検査によって、あごや頭の痛みなどの原因がはっきりし、適切な治療方針を立てることができます。

お家ですぐにできる改善方法!

食いしばり・歯ぎしりには、自宅ですぐにできる改善方法があります。
(1)~(3)を朝晩繰り返すだけ!

(1)あごを支える筋肉「咬筋(こうきん)」のマッサージ
エラの角から2~3センチ斜め上、軽くかみしめると筋肉が膨らむところが咬筋。そこを人さし指を使って円を描くように8秒間マッサージ。

(2)あごを支える筋肉「側頭筋」のマッサージ
こめかみに人さし指を置き、軽く筋肉がふくらむところが側頭筋。そこを人さし指を使って円を描くように8秒間マッサージ。

(3)口を大きく開けるストレッチ(痛みを感じたら、無理をしないでください)
口を大きく開けながら上を向いて、最大限開いたところで5秒カウント。3回繰り返す。

専門家ゲスト:上田貴之さん(歯科医師・東京歯科大学主任教授)、斎藤一郎さん(歯科医師・鶴見大学歯学部教授)、小見山道さん(歯科医師・日本大学松戸歯学部教授)

ゲスト:青木さやかさん

VTRゲスト:片平治人さん(睡眠歯科クリニック院長)、島田淳さん(デンタルクリニック理事長)

リポーター:中川安奈アナウンサー