12月2日

最新科学で見えた!冬の感染症対策SP

新型コロナ感染の「第3波」に入ったと指摘される中で迎えた、冬。インフルエンザやノロウイルスなどほかの感染症との同時流行の不安も募っていて、あさイチにも視聴者のみなさんから新型コロナへの疑問やお悩みなどのメール・ファックスが連日寄せられています。
その声に応えるべく実現したのが、「あさイチ」×「AI(人工知能)」による、冬の感染症対策の徹底分析です。NHKが開発したAIで、新型コロナに関する世界の論文20万本を分析。すると、世界の英知が導き出したさまざまな対策方法が導き出されました!
さらに、ことしに入ってあさイチに寄せられた15万通のメール・ファックスも、AIで徹底分析。「これを知りたい」というみなさんの声に応えるため、最新科学で裏づけられた感染症対策を具体的にお伝えしました。

論文20万本をAI分析! 新型コロナの多様な症状

世界の研究論文20万本をAIで詳しく分析すると、新型コロナウイルスが引き起こす症状が100以上になることが分かりました。
中には、関節痛や下痢など、インフルエンザ・ノロウイルスと見分けの付かない症状もあります。ふだんの自分の体調と比べて、「これは違う」という異変を感じたら、保健所やかかかりつけ医に相談することが必要です。

「飛沫感染」対策が最重要!

アメリカ・テキサスA&M大学の研究な新型コロナ感染の「第3波」に入ったと指摘される中で迎えた、冬。インフルエンザやノロウイルスなどほかの感染症との同時流行の不安も募っていて、あさイチにも視聴者のみなさんから新型コロナへの疑問やお悩みなどのメール・ファックスが連日寄せられています。どさまざまな最新研究によると、新型コロナウイルスの感染経路の中心は、物を介した「接触感染」よりも、「飛沫感染」だと分かっています。手洗い・消毒などの「接触感染」対策も大切ですが、最も重要なのは「細かい飛沫」への対策なんです。

最新研究が注目! “加湿”の感染予防パワー

いま世界の研究者の間で関心が高まっているのが、「加湿器」。上手に「加湿」すると感染のリスクを下げられると、アメリカ・イェール大学教授の岩崎さんが最新論文で報告しています。
のどの奥に備わった「線毛(せんもう)」というびっしり生えた毛のような組織が、湿度を40~60%に保った環境だと働きがよくなって、ウイルスが体内に入ったときに身体の外に押し出しやすくなるんです。また、理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳」のシミュレーションによると、湿度30%よりも湿度を60%のときの方が、空気中に漂う「細かい飛沫」の量を半分に減らせると分かりました。つまり、「加湿」して湿度を40~60%に保てば、ウイルスへのバリア機能を高められる上に、飛沫の量も減らすことができて、「ダブルの効果」で感染リスクを下げられるんです。

スキマ対策をして 「加湿集中タイム」!

家庭で理想の湿度「40~60%」を保つには、コツがあります。それを、近畿大学教授の岩前さんに教えてもらいました。

加湿のポイント「小さなスキマを防ぐ!」

岩前さんによると、部屋には小さなスキマがたくさんあって、そこから乾燥した風が入ってくるために湿度が上がりにくいとのこと。そこでおすすめなのが、スキマ対策をして「加湿集中タイム」を作ること。まずチェックすべきなのは、「ドアの下」です。特に2003年以降に建てられた住宅では、ドアの下のスキマが大きめに作られていることが多いんです。そこで、一時的にタオルなどを置くと、加湿の効率がグンとアップします。ほかにも、間仕切りやふすまの間には、一時的に細く折りたたんだ新聞紙などをつめるのがおすすめ。また、一軒家では「コンセントの穴」が空気のとおり道になっていることがあるので、ホームセンターなどで買える専用のキャップなどでふさいでおきましょう。

※スキマをふさいでいる間は、1時間に1回の換気を行ってください。
※加湿のし過ぎによるカビ・結露に注意してください。

換気のポイント「対角線上の窓を開ける」

加湿するときに気になるのが、「換気」。せっかく湿度を上げても、換気をしたら下がってしまう・・・と思うかもしれません。でも、大丈夫です!室内の湿度を一度しっかり上げると、空気中だけでなく壁や家具など部屋全体に水分が含まれます。そのため、換気によって一時的には湿度が下がっても、5分程度の換気であれば、窓を閉めるとすぐに湿度はほぼ元とおりに戻るんです。
ポイントは、対角線上にある窓を2つ開けて、空気のとおり道をつくること。部屋全体に外からの新しい空気が流れるように意識しましょう。

マスクで“重症化リスク”を下げられる!?

10月末、アメリカ・インディアナ州で驚きの研究報告がありました。マスクをつけていると、新型コロナに感染しても、「無症状」で済む確率が上がって、しかも「免疫」も獲得できるというのです。マスクを常に着けることで、体内に入るウイルスの量が少なくなるためだといいます。では、どのようにマスクを着けると、ウイルスを吸い込む量を減らせるのか、そのポイントをお伝えしました。

  1. 表と裏を間違えないこと
  2. ワイヤーを曲げて鼻にしっかりフィットさせること
  3. あごを包むようにしっかり覆う

プリーツ(ひだ)の部分が下向きになっているのが「表」です。大手マスクメーカーによると、不織布マスクの多くは3層構造になっていて、「表」は水ぬれなどに強い丈夫な素材、「裏」はやわらかかく肌にやさしい素材だといいます。また、表裏を逆に着けると、飛沫をブロックする力が弱まるという実験結果もあります。表裏をきちんと確認しましょう。また、顔に十分フィットしていないと飛沫が素通りになる危険性があるので、注意が必要です。

「不織布マスクの再使用」に注意

「不織布マスクを洗って再使用することは可能?」という質問が、番組に多く寄せられます。慶應義塾大学教授の奥田知明さんの実験によると、洗濯機で洗剤を使って洗うと、細かい飛沫の捕集効率が40~50%に落ちることがわかりました。手洗いでも70%ほどに落ちるほか、アルコール消毒でも70~90%に落ちるということです。

「フェースシールド」の効果

理化学研究所のスーパーコンピューター、「富岳」のシミュレーションの結果によると、マスクをせずにフェースシールドだけをつけた場合、細かい飛沫を浴びると、側面から鼻や口に侵入する可能性があることがわかりました。
また、感染している人がフェースシールドをつけた場合、せきをしたときの飛沫が拡散するのを抑えられることがわかりました。フェースシールドは、本来、目を守るためにマスクと併用するものです。単体で使うのではなく、マスクとあわせて使うと効果的です。

波長222ナノメートルの紫外線

アメリカ・コロンビア大学のデービッド・ブレナー教授は、波長222ナノメートルの紫外線が、人体に安全かつウイルスの不活化(無害化)に効果があることを発見しました。広島大学の研究によれば、「波長222ナノメートルの紫外線」を約10秒間照射することで、9割近くの新型コロナウイルスを無害化できるということです。「波長222ナノメートルの紫外線」を出す装置は、現在、医療機関や公共・商業施設、交通機関などへの提供を優先しているため、個人向けの販売は行っていません。
市販されている発生装置として「紫外線UV-C」がありますが、まったく別物です。「UV-C」は人体には有毒なので、スマホの消毒など「モノ」にのみ使用するように注意してください。

低濃度オゾン発生装置

藤田医科大学の研究によれば、0.00001%という低い濃度のオゾンには、4時間で新型コロナウイルスを無害化する効果があるということです。ただし、オゾンは非常に酸化力が強いため、取り扱いには注意が必要です。オゾン発生装置は市販されていますが、製品の「有効スペース」を確認してください。狭い部屋で、有効スペースの広い製品を使うと、オゾン濃度が高くなって悪影響が出る恐れがあります。必ず「部屋の広さにあったもの」を選んでください。「大は小をかねません」。
また、直接吸い込むとのどの痛みや頭痛などを引き起こすことがあります。購入する際には、取扱説明書をよく読んで使う必要があります。

新型コロナ・インフル・ノロ 効果的な消毒法

濃度70%以上の「アルコール(エタノール)」は、「新型コロナウイルス」と「インフルエンザウイルス」に有効です。ウイルスを無害化するのには30秒必要とされているので、消毒液を手にたっぷりとつけて爪や手首までよくもみ込んでください。物をふくときは、たっぷりと吹きつけてから、布や紙タオルなどで塗り広げるようにふくことがおすすめです。

一方、「ノロウイルス」に対しては、漂白剤に含まれる「次亜塩素酸ナトリウム」が有効です。

「せっけん」での手洗いは、「新型コロナウイルス」「インフルエンザウイルス」「ノロウイルス」のいずれにも有効です。「新型コロナ」と「インフルエンザ」は、30秒洗って流すとウイルスを1万分の1以下に減らせます。「ノロ」は、せっけんでは無害化できませんが、1分間しっかり手洗いすれば洗い流すことができます。

「ビタミンD」が重症化リスクを下げると期待

ビタミンD

いま、ビタミンDが新型コロナの重症化リスクを抑えるという研究が数多く発表されています。ビタミンDは、免疫の働きを調整する栄養素で、きのこ類や青魚などに豊富に含まれています。厚生労働省によると、1日の摂取目標は8.5マイクログラムです。炒めたまいたけなら、およそ110グラムでとることができます。1日に100マイクログラムを超える量を摂取し続けると健康に悪影響が出る可能性がありますが、通常の食事でとれる量ではありません。サプリメントなどでとり過ぎることに注意してください。

検査で“陽性”となったら・・・ 今のうちに必要な準備

検査を受けて「陽性」だと分かった場合、軽症や無症状のときは「ホテルなどの宿泊料用施設」や「自宅」での療養になる可能性もありますが、基本的には「病院への入院」が必要です。
療養期間は、無症状の場合でも1週間、症状がある場合は10日以上必要になるケースが少なくありません。自治体などでは、「2週間程度の外泊を想定した準備が必要」と呼びかけています。
感染すると、食事や衣類の準備、家族やペットを面倒を誰にどのように見てもらうかといった手配を落ち着いて進める余裕がないことが多いといいます。専門家は、事前に確認しておくとパニックにならずに済むと指摘しています。
また、入院や療養の期間は、「ストレス対策」が必要という指摘もあります。本やゲーム機、タブレットのような時間つぶしになるもののほか、コーヒーやお茶など息抜きにつながるしこう品の持参を勧める病院や自治体もあります。スマホの充電器も忘れずに。

専門家ゲスト:長谷川秀樹さん(国立感染症研究所)

ゲスト:YOUさん

VTRゲスト:岩前篤さん(近畿大学建築学部 教授)

リポーター:松岡忠幸アナウンサー