3月4日

私たちの目が危ない! 今日からできる対策編

ステイホームが続いたことでスマホやパソコンの画面を見る時間が増え、目を酷使していませんか?近年、子どもの視力の急激な低下や、大人になってからも近視が進行するなど、私たちの目がかつてない脅威にさらされていることが分かってきました。その鍵となるのが、目の奥行「眼軸(がんじく)」。近視のほとんどは、この眼軸が延びることで引き起こされているのです。さらに、近視が、白内障や緑内障のみならず、うつ病や認知症などにつながるリスクも指摘されています。
そんな“超近視時代”に、私たちは、日々の暮らしで何に気をつければよいのでしょうか。実は落とし穴の多いメガネの選び方、30センチ以内の近くを見る「近業」時間の抑え方など、最新研究の成果をもとにお伝えしました。

加速する子どもの近視 その正体は・・・目の長さ?!

京都にある小学校では、新型コロナによる休校のあと、全学年を対象に大規模な視力検査を行いました。調べたのは、角膜のカーブ、黒目や瞳孔の大きさなど10項目です。その結果、目の奥行「眼軸」が異常に延びている実態が分かってきました。近視の多くは、この眼軸が延びることによって引き起こされます。今回の検査で、眼軸が異常に延びることで近視になっている子どもの割合は、1年生で2割以上。学年が上がるにつれてその割合は増え、6年生全体では8割近くに上っていました。
眼軸が延びる原因のひとつは、目に負担をかけた生活習慣です。特に30センチ以内の極めて近い距離を見る「近業」の時間が、連続20分以上、1日合計2時間以上の場合、近視のリスクを高めることが分かっています。
新型コロナによる休校のあと視力が急激に悪化したという小学4年生の男の子とご家族に協力してもらい1日の近業時間を調べてみると、合計4時間以上だったことが分かりました。

眼軸の延びが引き起こす病気のリスク

眼軸は、眼球の成長に伴い20~25歳ごろまで延び続け、平均24ミリほどの長さで止まると言われています。しかし、大人になってからも眼軸が延び続けるケースも報告されています。大人の場合、27ミリで「強度の近視」です。眼軸が1ミリ延びることは、目の危険度が増すということなのです。
さらに、眼軸が延びることによって視神経が傷つき、緑内障や白内障、網膜剥離などの発症リスクが高くなるとも言われています。
また、認知症やうつとの関連も指摘され始めています。10年以上前から高齢者を対象に健康状態や認知機能などの調査を行っている奈良県立医科大学の緒方奈保子教授によると、視力によって認知症になるリスクに差があることが分かりました。視力が良好なグループでは、認知症が疑われる割合が5.1%だったのに対し、矯正視力が0.7未満のグループでは13.3%と、2.6倍に上っていたのです。脳が得る情報の約8割を目からの情報が占めると言われていますが、それが徐々に失われることで、脳への刺激が減り、認知機能が低下するのではないかと考えられています。

「3つの20」も意識して、目の負担を減らす!

専門家の協力のもと、近視の進行を抑えるポイントをお伝えしました。1つ目はゲームや動画見るときは、小さな画面ではなく、パソコンやテレビなど、より大きな画面に映すこと。この方法によって、自然と画面との距離をとることができ、近業の累積時間を減らすことができると言います。2つ目は「3つの20」。オーストラリアで提唱され、最近近視を抑制する効果が認められ推奨され始めている方法で、20分間近業したら、20秒間、20フィート(約6メートル)離れた場所を見ることで目を休ませるというものです。

目の負担軽減の鍵は“ラクに見える”メガネを選ぶこと!

上側が遠くが見やすく、下に行くほど徐々に近いところが見やすくなる「累進屈折力レンズ」を使ったメガネの選び方を紹介しました。境目がなく、さまざまな距離を負担なく“ラクに”見られるよう、使う人のニーズに合わせて設計されています。散歩や自動車の運転など、遠くも近くも見る時間が長い人は遠近用のレンズを、家や職場など、屋内で3~5メートルの距離を見る時間が長い人は中距離用のレンズを、パソコン作業や読書、スマートフォンやタブレット端末を見る時間が長い人は近距離用のレンズを基準に選べば、目への負担を軽減できるということでした。
眼科医の梶田雅代義さんは、新しくメガネを作るときには、“ラクに見えるメガネにしたい”と眼科医に伝えることが大切だと言います。

専門家ゲスト:梶田雅義さん(眼科医/日本眼光学学会 理事)

ゲスト:野間口徹さん

リポーター:保里小百合アナウンサー