困りごとのトリセツ(取扱説明書)

マルチタスクが苦手

【投稿者の対処法】

  • ◎手帳やスマートフォンを持ち歩き、覚えておくことはかならずメモをとる。
  • ◎スマートフォンのリマインダーなどのアプリを活用する。
  • ◎やりたいこと、やるべきことは、順番にひとつずつやる。
  • ◎複数の指示の優先順位は、相手や周囲の人に確認する。
  • ◆家族や周囲の人の工夫は
    • ・伝えたいことは、絵や図を描いて説明する
    • ・指示はひとつずつ出す
    • ・伝えたいことが複数あるときは、紙に書き出す
    • ・何かを伝えるときは、テレビやラジオは消す
    • ・当事者が何かをしているときは、できるだけ話しかけないようにする

●対処のポイント

  • ◎マルチタスクが苦手なこと自体を克服しようとするのではなく、一つひとつ、シングルタスクに分けて対応できるような作業環境や時間の使い方を確立していくことが、困難さを軽減するコツです。
  • ◎手帳やスマートフォンを活用し、ToDoリストを作ったり、カレンダーやリマインダーを活用したりして、一つひとつの作業を順番に処理できるようにするといいでしょう。
  • ◎やるべき仕事が増えてきて混乱しそうなときは、まとまった時間をとってタスク整理を行ったり、周囲の人に相談して、優先順位をつけてもらったりすると、落ち着いて対応しやすくなります。

印刷して使える“わたしのトリセツ” 自分の困りごとと希望する配慮を周囲の人たちに伝えるのに役立ちます

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どのような特性?

発達障害のある人の中には、複数の物事への注意の分配が難しいため、マルチタスクが苦手な人もいます。同時に複数の指示を出されると前の指示を忘れてしまったり、同時に複数の作業を抱えるとミスが起こりやすくなったりします。

逆に、一つの仕事を始めると、それを最後まで集中してやり遂げることが得意だという人もいます。

▼みなさんからの困りごと・対処法

  • No.25

    私はホームセンターで働いているのですが、一度に沢山の指示を出されると混乱してしまうので、先輩社員には紙に指示内容をメモしていただくようにしました。そしてカゴ車(商品を運ぶ為の大きな車)を使っているときにお客様の邪魔をしてしまったことがあり、またカゴ車を動かすのが下手なので、しばらくカゴ車ではなく台車で商品を運ぶことにしていただきました。まだ始めたばかりなのでなんとも言えないですが、色々配慮していただきましたので、それにこたえていけるように頑張ります!
    (ファンタジスタ 20代 男性 埼玉 当事者)

  • No.24

    軽度のADHDです。一気に「あれやって、これやって」と流れのように言われると何から手をつけたらいいのか分からずパニックになって固まってしまいます。家族から何かお願いされる時は、これを片付けてと1つだけ具体的に言ってもらうようにして、終わったら次に何をすればいいか聞くようにしています。そうすることで、集中できます。
    (あっぷるぱい 女性20代 神奈川 当事者)

  • No.23

    物事の優先順位がわからなくなって目の前のことを延々とやってしまうので、複数の用事がある時は箇条書きのメモを書いてもらうことにしています。
    (うたこ 女性20代 埼玉 当事者)

  • No.22

    私は、朝起きてからすることや夕方から寝る前にすることについて、何をどういう順序でやるのか、やるべきことをやり忘れていないか等の確認をスムーズに行うことができません。そこで、自己流で「朝起きてからやること」「寝る前にやること」のマグネットボードを作成し、終わったものはマグネットを移動させて1個ずつ順番にこなせるようにしています。
    (sana 女性30代 神奈川 当事者)

  • No.21

    最近、ASD+ADHD+LDの診断を受けた者です。口頭指示だけだと理解しにくいから、絵や図があると分かりやすいです。一つずつ指示を出してくれると忘れないです。我が子の園の連絡(持ち物や、行事の出欠確認など)は、連絡帳に記載してもらうようにお願いしました。一人で子ども2人をみるとパニックになって、子どもに当たってしまうので、夫に時短勤務をとってもらいました。
    (ぺこぽん 女性30代 秋田 当事者)

  • No.20

    複数の作業を頼まれるとパニックになりがち。この手の悩みに対しては「メモをとれ」「ToDoリストを作ったら」とアドバイスされることが多いですが、昔の私は自分の書いた文字が上手く読み込めないので無理でした。自分の記憶はビジュアル重視で出来ていて、覚え書きした文章の内容とその時の記憶(主に映像)が同一場面のものだと結びつかないようです。覚え書きを「初めて見るもの、初めて知る事柄」と自分に言い聞かせて読むようにしたところ、無事に読めるようになりました。
    (ムーンストーン 女性50代 東京都 当事者)

  • No.19

    仕事場において、得意な業務が1〜2個なら集中して業務が出来る。しかし、業務が3個以上同時に入ると、何から手をつけて良いかわからなくてパニックになる。期日が分かっていても、複数掛け持ちするだけで混乱してしまう。紙などに、現在手をつけている業務を書き出し、何が必要なのか纏める。また、優先順位を決め、順番に業務を1〜2個ずつ進められるよう工夫する。
    (成求沢中 男性20代 京都府 当事者)

  • No.18

    「これをやった後にこれをやって、その後にこれで、その後にこれね!」と、指示を出された作業があったとき、せっかく1つ目に取り掛かっていても、声をかけられた途端に全て忘れてしまう。メモに書いても、メモしたことさえ、忘れてしまう。自分の特性を話し、指示は一つずつ出してもらうこと、制限時間をもうけ、確認してもらうことで、自分にとって働きやすい環境を実現できた。自分で解決できない問題も、人の力を借りることで解決できる。
    (特別支援専門家庭教師りぃ先生 女性20代 千葉 当事者)

  • No.17

    何かしている時(考えている時)に話しかけられると、それだけで頭が真っ白になります。出かける準備をしている時に話しかけられるのが、一番困っていました。出かける段取りを考えながら、返事をする、ということができません。相手に「返事ができない」と伝える練習をしています。家族も、準備をしている時は声をかけないように気をつけてくれます。
    (まぐ 女性20代 北海道 当事者)

  • No.16

    複数の用事が重なったり仕事を同時進行したりするときに、どれから手をつけていいのかわからず、考えるのに非常に時間がかかります。その結果順位づけを間違えて、重要事項や緊急を要していることを後回しにしてしまい、仕事の相手や周りに多大な迷惑をかけてしまいます。最近はToDoリストを近くにいる人に聞いてもらい、順番を決めてもらうようにしています。
    (Tirol 女性40代 岩手 当事者)

  • No.15

    複数の物事があっても、一つのことしか考えることができないので同時には対処できません。急ぎのものを先に対処しようとすると、頭が混乱し、処理スピードが遅くなり、ありえないミスを犯してしまいます。突然、電話がかかってくるので対応がうまくできません。電話が終わったあと、今まで何をしていたのか分からなくなります。ミスが生まれる原因になります。
    (ロンリーウルフ 男性40代 福岡 当事者)

  • No.14

    ToDoを表に書いて、いったん預ける、やるべきことが積み重なると、次々と別の仕事が浮かんできてどれも終わらない。表ソフトに、思いついた物は書き留めておくと、一旦気になってしょうがないのが、少し落ち着く。これで今の取り組みに集中できる。
    (仕事人 女性50代 大阪府 当事者)

  • No.13

    ADHDは短期記憶の能力が低いため、思いついたことや言われたことなどを、別のことを考えると忘れてしまいます。この状況を改善するため、私はいつもメモ帳を持ち歩いて、必要なことは何でもメモをする癖を付けています。このメモ帳を切り離して、一定の所に貼って、朝起きたら必ず見るようにしています。また、一つのことに集中すると、ほかの物事に注意を払えないという特徴もあります。私は勉強をする際、一つの教科に熱中してしまい、他の科目に手を着けられないということがよくありました。これを改善するために、私はスマホなどについているタイマーで、一科目を勉強する時間から寝る時間まで、決まった時間に音が鳴るようにしています。こうして一つに集中すること無く、時間を有効活用しています。
    (O3 女性10代 長野 当事者)

  • No.12

    一番困ることは、短期記憶のなさです。電話を受けてもその内容が記憶出来ないので、相手の名前、用件、伝言等全て記憶するのは無理。メモすればと思われるかもしれませんが、聞き取りとメモを取るという2つのことはまた困難なのです。メモしても、その場所、意味が自分で分からなくなるのです。
    (成績はオール5 女性40代 熊本 当事者)

  • No.11

    小売店で働くADHDです。AとBの作業を同時にこなしたり、報連相の適度なタイミング、優先順位をつけて物事を片付けていくことが苦手です。最近、上司に障害のことを相談しました。けれどADHDという言葉はださずに、苦手な作業があること、精一杯頑張っても至らないところがあること、△△というフォローをしてほしいこと、以上の3点を、冗談を交えながら伝えました。恐らく上司はそれを「個性」として受け取りましたが、フォローのおかげでミスやパニックになることは減りました。
    (ひのきお 女性20代 兵庫 当事者)

  • No.10

    一工程ずつに自分が何分かかるのか把握する。歯磨き洗顔に20分、化粧に15分、朝食に15分、着替えに……「急いでなんとかなる」事は絶対にないから。
    (セロカ 女性30代 東京都 当事者)

  • No.9

    私は人の話を聞いている途中、別の何かに意識が集中してよく時間が飛びます。学校などで大事な連絡を聞いていないこともよくあります。大事な連絡は時間を開けて繰り返し言って欲しいです。
    (回文 女性20代 奈良 当事者)

  • No.8

    私は幼少期に高機能自閉症と診断されました。周囲の物が気になり、その物で頭がいっぱいになるという話。私は目や耳に入らずとも頭の中でふと疑問が持ち上がり、それに頭を抱えていましたが、それについて理解するまで調べてしまうのが一番効果的でした。症状の直接的な解決にはなりませんでしたが、様々な情報が手に入る上に何度も同じことを考えずに済みました。
    (半匠 男性10代 東京都 当事者)

  • No.7

    ADHDなので、うっかりミスは付き物でした。特に考えごとをしながら何かすると、高確率でミスをします。マインドフルネスで心を「今ここ」に置くようにして、丁寧な所作を心がけることでうっかりミスを減らしています。
    (あずマン 男性50代 東京都 当事者)

  • No.6

    何かをしようと思って動いて、振り返るだけでも何をしたかったのか忘れてしまったり、2つ以上の用事を済ませようとして1つは覚えていても2つめを忘れたり、ひどい時には全部忘れてしまったりします。今はスマホを常時手に持って、「リマインダー」アプリでしようとした事をメモしたりして対処しています。スマホを持てない時は付箋に箇条書きしていってすぐ見られるようにしています。
    (大阪のさっちゃん 女性30代 大阪府 当事者)

  • No.5

    私は出かける時の準備をしながら、会話したり別のことを考えたりすることができません。話しかけられるとパニックになり、調子が悪い時だと叫びだしてしまいます。だから私が出かける準備をしている時には、家族は私を一人にしておいてくれています。一人になると視覚的にも聴覚的にも集中を妨げられないので、とても楽です。また、会話しながら考えることも苦手です。会話中に考える必要に迫られると、会話にも思考にも集中できません。会話中に私が考えだすと、私をよく知っている人たちは私の顔つきでわかるらしく、何も言わず待っていてくれたり、考えてる?などと聞いてくれたりして助かっています。
    (インコ 女性20代 北海道 当事者)

  • No.4

    何かをしている時に話しかけられると、軽いパニックになり、今していた事を忘れたりする。また、話しかけられても気がつかないこともあるので、無視したと勘違いされてしまう。そんな時は、視覚に入って目を合わせて話しかけられると気がつく。周りの音を全て拾ってしまうので、無意識に聞かないようになっているので、自分に話しかけられた言葉も周りの雑音と同じ扱いになる。はっきりと、自分に向かって話していると理解出来ないと反応できない。背中から声をかけられた場合は特にわからない。
    (かな 女性40代 山口 当事者)

  • No.3

    一度に複数の指示を受けると、頭が混乱します。ワーキングメモリーが少ないため、一つの作業しかこなすことが出来ません。一つの作業を行っていると、以前に受けた他の指示を忘れてしまい、その忘れた指示を又聞くこととなります。結果、同じことを何度も聞くこととなり、指導者を怒らせるととなり、信用を失います。大学院の修士課程でこのことが起こり、結果、担当教授に見放されました。希望の研究職に就けませんでした。現在、無職。
    (IAさん 男性40代 神奈川 当事者)

  • No.2

    前の職場では(レストラン)、一つの指示を終えると記憶が飛んでしまい、次の指示を一々聞きに戻って怒られた。メニュー作りで覚える事は多いし、スピードと量を要求され、体力的に持たなかった。それを指導の名目で、パワハラの標的(怒鳴る、シフトを減らす、無視する)にされてしまった。
    (宇宙人さん 男性20代 東京都 当事者)

  • No.1

    私の対処法は、とりあえず他の仕事は置いて、やらねばならない作業をやる!と脳内で宣言します。まわりにも「今これだけやります」と宣言すると、まわりも意識します。作業が終わったら、自分にご褒美設定をします。おやつとか。淡々と作業し、成果を他の人とチェックします。
    (びびさん 女性40代 神奈川 当事者)

  • No.7

    マルチタスクが苦手なのに、一つのことをやるのは飽きてしまうのと、本来の楽観性で、なぜかマルチタスクをやっても何とかなるだろうと、手をつけてしまい、結局すべて中途半端になります。苦手と覚悟を決めて、時間を決めて、この時間まではこれだけ、あるいはこれが終わるまではこれだけしかしない、と自分で決めてやるしかないと思います。
    (うだ 女性40代 神奈川 当事者の家族・親族)

  • No.6

    宿題やった?お風呂は?歯磨きした?明日の準備していないの?と一気にまくし立てるような言い方をするとパニックと癇癪を起こし、何一つ出来なくなるので、一つ終えられたら次を伝えるようにしています。また、やってほしいことの間に、本人のやりたいことを挟んであげるようにしています。
    (じゅんまま 女性40代 東京都 当事者の家族・親族)

  • No.5

    一度に指示を2つ以上出すと最後に出た指示のみ行ってしまう。口頭指示がとにかく苦手。指示はメモ(指示書)に書いて欲しい。欲を言えば「絵・写真」で指示が欲しい。本人からの説明も、言葉での説明は語彙のなさや助詞をうまく使いこなせない為、とても時間がかかるが、絵を書かせて説明させると、とてもスムーズにコミュニケーションができ、本人も相手もイライラが減ることがわかった。
    (パンプルムース 女性40代 静岡 当事者の家族・親族)

  • No.4

    テレビがついていると、特別に興味のある番組でなくても、すぐに没頭してかじりつきで見てしまい、同時には洗濯物もたためません。家事に支障をきたすので、結婚した時から我が家にはテレビを置いていません。テレビは解決ですが、SNSの投稿記事などを、延々と朝まで読み続けてしまい、パソコンを開くのが怖いです。昨年5月に、現在小4の娘が発達障害と診断された際、「お母さんにも、お父さんにも、特性がありますね。」と指摘され、いろいろと腑に落ちました。娘にガミガミ言ってしまいますが、自分も一人でいると、やらなくてはいけないことの途中で、脱線して、何かを読みふけってしまったり、考え事に没入してしまって、仕事がはかどりません。隣で誰かに声をかけ続けてもらえたらなあ。
    (桃子 女性40代 栃木 当事者の家族・親族)

  • No.3

    発達障害の人に頼みごとをするときは、一つずつ。もし複数頼みたければ、紙にリストにして渡してあげる。また具体的な指示があると助かる。
    (IAさん 男性40代 神奈川 当事者)

  • No.2

    ASDの夫は、大切な話をしていても、チラチラテレビを見たりして集中できません。ASDに気付いてからは、大切な話をするときはテレビやラジオは消すようにしています。
    (みっちよ 女性40代 埼玉 当事者の家族・親族)

  • No.1

    手順の多いことを説明するときは、ひとつずつ話す。折り紙、書字などは隣で同じ向きになり、ゆっくりお手本を示します。
    (ACO 女性40代 北海道 当事者の家族・親族)

  • No.1

    ワーキングメモリーが低く、またADHDで、視覚優位特性があります。事細かに説明されればされるほど理解できなくなります。大雑把に言ってもらえば多少は分かりますが、頭に残らないし勘違いが起こります。パッと見て全体を理解したいから、イラストで説明してほしいです。
    (めい 女性30代 埼玉 当事者)