「香港の不自由展」政府への抗議示す作品を日本で展示

「香港の不自由展」政府への抗議示す作品を日本で展示
香港で政府への抗議活動が続く中、アーティストたちが現地では展示できない、抗議のための作品を実名を伏せて発表する「香港の不自由展」が都内で開かれています。
香港出身のアーティストが、東京・銀座のギャラリーの協力を得て企画した展示会で、会場にはポスターや絵画、映像作品など、約30点が展示されています。
作品には香港政府への抗議の意志が込められていますが、現地では撤去されるおそれがあるとして、日本で開催されることになりました。

参加したアーティストたちは、香港では自由に表現することが難しくなってきていると感じていて、本人が特定されると今後の活動が難しくなるという理由で、全員、実名を伏せています。
作品のうち、フランスを代表する画家、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」を模した絵画は、黄色いヘルメットをかぶって立ち上がる市民を描いています。
ゴーグルやヘルメットを身に着けた女性の像は、壊れた頭の部分だけが展示されています。

香港の作家グループが抗議活動の象徴として製作した作品で、もともとは右手に雨傘、左手にスローガンの「光復香港 時代革命」と書かれた旗を持った高さ4メートルの、「Lady Liberty Hong Kong」という像でした。
企画したアーティストによると、各地のデモの現場に置かれた後、12月には、香港でよく知られる観光地でもある山の頂上に設置しましたが、翌日、親中派とみられる人物たちに撤去され、壊されたということで、残った頭の部分が展示されています。

香港出身のアーティストの男女2人は、匿名で顔を撮影しないことを条件に取材に応じました。
男性は、「香港で何が起きているのか、ニュースだけでは分からないことを展示を通して知ってほしい」と話していました。
女性は「私たちには今、自由がないし権力もお金もない。できるのはアートだけ。香港を取り戻したい。できるだけのことをしたいんです」と、涙をにじませながら訴えていました。
ギャラリーの代表の上田雄三さんは、「日本の若い人たちに、香港のアーティストたちが今の状況の中で、どう表現しようとしているのか知ってほしい」と話していました。

この展示会は、日曜日を除いて2月15日まで、東京・銀座の「ギャラリーQ」で開かれています。