困りごとのトリセツ(取扱説明書)

どんな服を着たら
いいのかわからない

【投稿者の対処法】

  • ◎色はモノトーン、無地でシンプルな服を選ぶようにする。
  • ◎服を買うときに、店員にコーディネートを相談する。
  • ◎ファッション雑誌を参考にする。

●対処のポイント

  • ◎「季節や場面ごとに着る服を何パターンか決めておく」「上下セットでコーディネートのパターンを決めておく」など、あまり複雑に考えなくて済み、かつ同じ服ばかりにならないように、自分なりの服装のルールやパターンを決めておくと、服装選びに悩みにくくなるという人が多いです。
  • ◎買い物の際に、店員さんや一緒に買物をする友人に「こういう場面で着るのに自然な服装を探している」「シンプルで着回しのしやすい服を教えてほしい」「自分の体型にあった服のサイズを教えてほしい」など、具体的な悩みごとを伝えてアドバイスを求めると、自分に合った服装を見つけやすくなるでしょう。
  • ◎冠婚葬祭などの大事な場面では信頼できる人に服装をチェックしてもらうなど、第三者に客観的なアドバイスをもらうような習慣づけをするといいでしょう。

印刷して使える“わたしのトリセツ” 自分の困りごとと希望する配慮を周囲の人たちに伝えるのに役立ちます

コチラから(PDF)

どのような特性?

発達障害のある人の中には、他人から見た自分の見た目の印象や、場面に応じて望ましいとされている服装や振る舞いなどを想像することが難しく、服装選びに困ってしまう人もいます。また、限定的・反復的なパターンがある方が安心するため、同じ服や同じ色の服を好んで着る場合もあり、そのため、様々なパーツを組み合わせたり一部のパーツを柔軟に変えてみたりといった複雑なコーディネートが難しいこともあるようです。

一般的な対策

個人の好みもありますが、フォーマルな組み合わせ、インフォーマルな用途別の服装や組み合わせをご家族や支援者に相談し、スマホの写真にとっておくなどの工夫も考えられます。

▼みなさんからの困りごと・対処法

  • No.12

    自分が気をつけていることは、自分の好みよりも、周囲に「似合うね!」と褒められた服装を心がける、カラフルにし過ぎない、などです。今はファッション雑誌をわざわざ購入しなくてもインターネットで自分の体型と似た一般人のコーディネートが閲覧できます。それを参考にしつつ「これなら自分に似合いそうだ」と思ったものを少しずつワードローブに取り入れています。
    (ぴんぴく 女性20代 山形 当事者)

  • No.11

    自閉症スペクトラム、アスペルガーの診断を受けています。28歳の社会人です。「暑いから半袖、寒いから長袖、もっと寒いなら上着がいる」といった、気温に応じた服装の判断すらできないので、毎日、天気予報をもとに家族に教えてもらっています。仕事では、毎日同じ色のスーツ(3着持っています)を着ています。決めなくていいので、とても楽です。
    (祥子 女性20代 福岡 当事者)

  • No.10

    広汎性発達障害と診断されています。昔は、親から服装の組み合わせがおかしいと常々指摘されました。今は参考になりそうな情報が多いので、基本的に上下で色が対照になる組み合わせで選んでいます。新規に購入する際は、店員の意見も伺っています。
    (風月 男性30代 千葉 当事者)

  • No.9

    なんとなく好みのお店だけ見つけて、開店と同時くらいの空いている時間に店員さんに「コーディネートが苦手でちょっと教えて欲しいんですが…」と聞きます。いつも履いている靴やカバンの色を言って「どんな色が合いますかね?」と聞くと教えてくれたりするので、助かっています。
    (さくら 女性30代 宮城 当事者)

  • No.8

    いったん、自分の好みを一切排除して、ファッション誌を読み、カラー診断や流行りの骨格診断などを受けて組み合わせを練習してゆく。そのあとで肌触りなどの好みを選んでいます。「オフィスカジュアル」「スーツじゃないけどきちんとした服装」などといった表現はいまだによくわからない。
    (セロリー子 女性30代 大阪府 当事者)

  • No.7

    昔、「一個一個の服はかわいいけど、組み合わせがダサいよね」と言われた。とりあえず、無地でシンプルなものを買うようにした。特に、白や黒を多く買うようにした。そのかわり、アクセサリー・バックの色は、白・黒以外の色にしている。もし、どうしてもデザイン性の服が着たかったら、全身で一着だけにする!そして、ほかのところを白か黒かデニムにすると決めました。そうすると、すっごく楽です。
    (まりお 女性10代 山梨 当事者)

  • No.6

    大学に入って私服になったときファッション雑誌のような派手な服を買ったら、親にことごとくリサイクルショップに新品のまま売られてしまった。その後は大人しめの服を着ているが、着まわしの融通がなかなか利かずに同じ組み合わせばかり着ている。
    (カナッペ♀ 女性40代 東京都 当事者)

  • No.5

    働いた自分へのご褒美に買ったブランド品のアクセサリーが、どう身に付けていいか分からず、たくさんタンスの肥やしになっている。
    (カナッペ♀ 女性40代 東京都 当事者)

  • No.4

    「カジュアルな服装で学校に行きなさい」と親から言われました。カジュアルな服とは?曖昧な表現がとても苦手です。
    (ルナ 女性10代 東京都 当事者)

  • No.3

    色の取り合わせがわからなくて服の組み合わせができずに、毎朝親に手伝ってもらっている。
    (りん 女性40代 山形 当事者)

  • No.2

    私は服装に無頓着でよく母から服装のことで怒られます。よく「ましな恰好をしなさい」や「季節感のある格好をしなさい」と言われますが、どのような服装をすればいいのかよくわかりません。持っている服でコーディネートし、例を示してほしいです。
    (ゆりこ 女性20代 大阪府 当事者)

  • No.1

    私は服の選び方が全く分からず、「どうすれば普通の格好ができるのか」とずっと考えていました。最近分かった服を着る時のルールは、色は、ネイビーと白を基調とする(あまりビビットなものは着ない)。無地だと合わせやすい。柄物を着るときは上か下かどちらかにする。靴は、黒のヒールと、1万円くらいのスニーカー(色は白か、黒)があれば大丈夫。私は「普通」とはなんなのか、「普通研究」をしてきた当事者です。あたりまえのことであっても、やり方一つひとつマニュアルがあったらいいのにといつも思っています。
    (ゆずさん 男性20代 秋田 当事者)

  • No.6

    中学生女子の親です。好きなものしか着ない小学生時代でしたが、親が教えるのではなく、憧れの近所の少し年上のお姉さんに、柄と無地、下は黒など簡単なポイントを教えてもらってから随分良くなりました。またコーディネートのゲームをする事で考え方の幅が広がった感じがします。
    (雫 女性50代 埼玉 当事者の家族・親族)

  • No.5

    感覚過敏のために着られる服に制限があり、数少ない服を着まわしていましたが、そのうち、素材や寸法などで自分の着心地が良いものは何かというのをデータ的に研究して、それを通販サイトで(細かい素材や寸法について掲載されているので)チェックして購入し、試着してみてだめだったら返品…を繰り返していました。そのうちに、このブランドであれば大丈夫、など見極めができて、服のバリエーションが増えていきました。
    (うだ 女性50代 神奈川 当事者の家族・親族)

  • No.4

    小学3年生の息子です。診断は広汎性発達障害と自閉症スペクトラムです。小学生になり、息子の服装の切り替えが難しくなりました。夏から冬になる時は、なかなか長袖長ズボンになりたがらない。一度着てしまえば、何の躊躇もなく着るのですが、そこに行き着くまで、毎朝説得する必要があり、とても大変です。季節感が全く掴めないのです。汗をかいても、そのまま着ています。
    (エリー 女性40代 東京都 当事者の家族・親族)

  • No.3

    最近子どもに凸凹があるとわかった母です。以前は洋服ダンスやクローゼットにしまっていた洋服をクローゼットはまず扉を開けて見えるようにする。タンスに入れてあったものも見えるようにハンガーラックにかけて種類別にハンガーにかけておいています。
    (もんちゃん 女性40代 愛知 当事者の家族・親族)

  • No.2

    我が家の息子(中2)も服選びが出来ず、寒い地域なのに下着の上にカーディガンを着ていってしまい、学校で体調が悪くなることが何回もありました。そこで、数字が得意という特性からチェストに番号シールを貼りました。1パンツ、2シャツ、3服、4ズボン、5羽織もの。1〜4は毎日必ず着るもの、5は心配なら着てよし、としました。男の子なので洋服の種類も少なかったためか、分かりやすくなったようです。また片付ける時の指示も簡潔明瞭になりました。
    (ふっきー 女性30代 長野 当事者の家族・親族)

  • No.1

    どんな服を着たらいいか分からない。娘はファッション雑誌の真似をして高価な服やアクセサリーや化粧品を買いますが、販売員におだてられたとしか思えない彼女には似合わない「ガラクタ」を買い集め困っています。大学入学から40代後半になっても派手好きは直りません。
    (ママゴン 女性70代 東京都 当事者の家族・親族)

  • No.1

    ASD当事者です。子どもの頃、自分がどんな服装をしていたかをよく覚えていません。ただ、不潔と思われていたし自覚していたように思います。自分は汚いからみじめだと思ってはいても、それを自主的に直すということに頭が回りませんでした。一方で自分なりのこだわりもあり、自分がこうと決めたものに対して別なものを押し付けられそうになると激しく抵抗する場面もありました。親御さんや周囲の親しい関係の人にお願いです。当人がこだわりを持って服を選んでいることは尊重しつつ、清潔感や場にそぐわないなどの問題で気づいていないときには、「こうした方がいいよ」などと伝えたりして、気づかせてあげてほしいです。とくにまだ成人前のお子さん(当事者)をお持ちの親御さんは、身ぎれいにすることが習慣になるようにするなど、気にかけてほしいのです。こだわりは、触覚過敏からくるものもありますし、同じ絵柄に固執することもあります。よくその辺を話し合いながら、当人にとって良い方法を探っていってほしいと思います。
    (むー 女性40代 千葉 当事者)