困りごとのトリセツ(取扱説明書)

自分の思いを
伝えられない

【投稿者の対処法】

  • ◎伝えたいことは、手紙やメールに書く。
  • ◎コミュニケーションを筆談でおこなう。
  • ◎大事な話は紙に整理して書き、それを相手にも見てもらいながら話す。

●対処のポイント

  • ◎自分にとって思いを伝えやすい方法がどれかを理解することが大切です。口頭で伝える、文章にまとめる、図表やイラストにまとめるなど、人によって得意な伝え方はさまざまです。その上で、自分が伝えやすい方法で相手とコミュニケーションさせてもらうよう、相談するといいでしょう。
  • ◎自分の考えをまとめるのに比較的時間がかかるという人もいます。その場合は、考えをまとめるためのまとまった時間を確保したり、「考えをまとめる時間がほしいので、別の機会に話させてほしい」など、相手とコミュニケーションを取るタイミングを相談したりするといいでしょう。

印刷して使える“わたしのトリセツ” 自分の困りごとと希望する配慮を周囲の人たちに伝えるのに役立ちます

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どのような特性?

発達障害のある人の中には、自分の気持ちや意見を言葉で表現することが難しかったり、受け取る情報量が多すぎてうまく言葉にまとめ上げられなかったりするために、他人に自分の思いを伝えられないで困っている人もいます。

また、そもそも発達障害のない人との感覚の違いが大きいため、自分の感覚を説明しても周囲の人に理解してもらえないということも少なくありません。「やっぱり伝わらないのか」という経験から、ますます他人に伝えようという意欲や勇気を持ちにくくなる場合もあります。

一般的な対策

対処法の一つとして、自分の感じたことや考えに関連するものを単語レベルでメモし、それらを「マインドマップ」のようなもので整理して、後で説明するといった方法も考えられます。

▼みなさんからの困りごと・対処法

  • No.11

    私は、人としゃべるのが苦手で、なかなか自分の思いを言葉に表現することができませんでした。歴史が好きなのでNHKの番組をオンデマンドで見て、そこで出演者の方が話されていることを見て4時間かけてすべてノートに書きました。それを2年ぐらいつづけると少し話せるようになりました。
    (カープさん 男性50代 広島 当事者)

  • No.10

    先生から「頑張ってたね」と言われたのですが、私はすぐに返事をせずに考え込んでいました。すぐに言葉が出てこない癖みたいなものと、考え込んでしまう癖のせいで勘違いされてしまいました。こんな時の対処法として、「ちょっと待ってください」や「少し考えています」などと発言するようにしています。
    (まんまるちゃん 女性10代 大阪府 当事者)

  • No.9

    困っているという感覚を自覚するのが難しいことに加え、言語化に時間がかかるため、上手く相談ができません。日々の生活の中でつまずきに気付いた時に、すぐに手帳にメモするようにしています。また、(なるべく)毎日日記をつけ、自分の様子を少し客観的、長期的に把握するようにしています。良かったこと、悪かったこと、これからしたいことの三つの項目に沿って書いています。
    (わらび 女性20代 茨城 当事者)

  • No.8

    当事者です。話をすることが大好きなのに、思っていることが上手く伝えられないのが困りごとです。だからよく溜め込んでは具合が悪くなったりもします。対処法として、日記帳に体調の様子や出来事を書いて、彼やお友達や支援センターの人に話しています。
    (美保 女性20代 愛知 当事者)

  • No.7

    電話だと全然ダメなので、直接会うのですが、初対面の人とは全然話せないので、伝えられずに終わることも多いです。前もって文章にして読み上げるとうまくいきます。初対面でこんがらがるとずっとダメなので、苦労します。最近はアプリを使って、伝えたりします。
    (ちよこ 女性50代 静岡 当事者)

  • No.6

    何かを説明する時、どんな形容詞や擬音語で表現すれば良いのかがわからない。自分なりに、時間をかけて相手に伝わるように分かりやすくまとめた文章も、相手にとっては複雑だったり、ちんぷんかんぷんな説明に感じるようでなかなか理解されない。人間誰でも人それぞれ語彙力や知識の差があるのを忘れて、会話をしてしまい、説明や理解に時間がかかる。
    (砂時計 女性10代 滋賀 当事者)

  • No.5

    恋人に「貴方の気持ちが分からない」と訴えたところ「勉強しろ、もっと考えろ」と返されました。面と向かっていてもいつも一緒にいるひとの気持ちですら分からないのに、離れてていたら分かるわけないよ……というのが感想です。そして人の感情が読めないので、それを読むことにもかなりのリソースを割くので、常に頭はフル回転で疲れます。
    (☆るり☆ 女性40代 三重 当事者)

  • No.4

    その場で上手に話すことが難しい場合、前もって文書にして、それを読み上げたり相手に直接見せると伝わりやすいことがあります。私は自分用と相手用と、二部準備しておきます。相手には、話すのが苦手であることを一言伝えて、理解を得ることも大事です。「うまく話せないけれど何も考えていないわけじゃない」と、一言用意しておくと、相手も受け止めてくれやすいと思います。
    (むー 女性40代 千葉 当事者)

  • No.3

    自分がなんでこんなに大変なのか、言葉や文章にするのがとても大変です。みなさんどうやって日々の困りごとを言葉や文章にしていますか?
    (作業所で障害者枠就労目指し中さん 女性20代 静岡 当事者)

  • No.2

    うまく言葉が出てこず説明ができません。だけと、「どういうこと?」「なんなの?」と相手から言われるとすごく焦るし説明しようとするのですが言葉が出てきません。また何人か人がいると何を言われているのか分からなくなることがあります。また人の前ではふつうにしてようと思うのですがなぜかパニックになります。
    (ふくさん 女性40代 大阪府 当事者)

  • No.1

    一度苦手だと思った人と話すのはとても苦手で、話をするためのアポを取りに行くにもなかなか勇気が出ず、先延ばしにしてしまいます。そして切羽詰まった時にアポを取りに行って怒られます。自分からは言葉を発するのが難しく、何か誘導してもらわないと話せません。
    (ともさん 女性20代 埼玉 当事者)

  • No.1

    言語発達遅滞の8歳の女の子のママです。言葉での表現がむずかしく、ジェスチャーで伝えてきていました。こちらがわからないと、怒って大泣きになって噛みつかれたりもしていました。指をさして「あーあー!」と言っているときはなるべく「〜だね。」や「〜したいの?」など、なるべく気持ちを考えて代弁しています。こちらの言葉が伝わらないときは文章ではなく、目を見ながら単語で一言ずつ、それでも伝わらないときは言葉を変えてなどして伝えています。
    (メルちゃんママの母 女性40代 福島 当事者の家族・親族)

  • No.5

    自分の状況や自分の意見・考えていることを言語に直すのに時間がかかります。メールでないとなかなか自分の伝えたいことが伝えられず、直接の会話では考え込んで黙り込んでいるだけになってしまいます。きちんと話す必要がある問題は、メールでお願いしたいです。
    (L.a 女性20代 神奈川 当事者)

  • No.4

    僕は文章は書けるけど、直接話すことが苦手です。伝えたいことのイメージは頭にあってもそれを日本語に直すことに時間がかかります。また聴覚過敏で相手の声をちゃんと聞くことが難しいです。筆談やメールでのやり取りはすごくやりやすいです。また、大切な仕事を濁した言葉で伝えられると失敗することが多いので、なるべく単純に、簡単な動詞で伝えてくれると間違いが減ります。
    (はる 10代 埼玉 当事者)

  • No.3

    常に言い間違いが酷くて恥ずかしいです。勝手に言葉が出てしまうので、本当に言いたいことと違う単語が出てきてしまうのです。自分がADHDなのだと理解でき、言い間違いは仕方ないと思えるようになり、かなり気持ちが楽になりました。周りの人には、私が言い間違いしても揚げ足を取らないでほしいです。充分自覚して恥と思っていますので。
    (ことなは 女性50代 埼玉 当事者)

  • No.2

    自分の考えをまとめて話すことが苦手です。端的に言おうとすると言葉が足りず、説明すると長くなり過ぎてしまったり。文章なら時間はかかりますがなんとかまとめられるので、手紙を書いたり、メールやLINEを利用すると気持ちが伝わりやすいと思います。周囲の方にお願いしたいのは、話を途中で遮って先に結論を言わないで欲しいということです。
    (みーまろ 女性30代 千葉 当事者)

  • No.1

    アスペでADHDです。どんなに努力しても「出来ないことがある」ということが理解してもらえないのが一番辛いです。思い切って話しても、簡単に「私にもそういうとこあるよ」と言う。または「そんなふうに考えない方がいいんじゃないか」と言う。どんなに話しても理解されません。もう少し寄り添って考えて欲しい、もう少し想像力を膨らませて話を聞いてほしい。
    (ぽしぽし 女性50代 愛知 当事者)