困りごとのトリセツ(取扱説明書)

運動が苦手・
手先が不器用

どのような特性?

発達障害のある人の中には、運動発達の凸凹から、特定の運動が苦手であったり、得意な動きと不得意な動きの差が大きい人もいます。

苦手となる運動の種類は、姿勢の保持やバランス、歩く・走る・ジャンプする・とびおりるといった「粗大運動」、ものをつまんだり引っ張ったり、字や絵を書く、はさみを使うといった「微細運動」、なわとびやドリブルといった、手と目、手と足など、身体の複数の箇所を同時に動かす「協調運動」などさまざまです。

一般的な対策

対処法として、作業療法や理学療法を通して感覚統合や運動機能の発達を促したり、持ちやすいペンや留めやすいボタンを使うなどして、本人の負担を軽減する方法や環境を整えたりといったことが考えられます。

また運動の困難さは、不注意や心理面とも深く関連しています。本人が運動自体に対して苦手意識や抵抗感を持っている場合も少なくないので、厳しい“訓練”のような教え方をするよりも、本人が遊びの中で楽しみながらスモールステップで取り組めるような工夫をすると良いでしょう。

印刷して使える“わたしのトリセツ” 自分の困りごとと希望する配慮を周囲の人たちに伝えるのに役立ちます

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▼みなさんからの困りごと・対処法

  • No.4

    手首から指先にかけてうまく力が入らない。運動は好きだけれども足首を捻ったり躓いたりしやすく、筋トレしても何故か疲れやすい。手・脚・足首にサポーターを付けたり、登山用ストックを持ったりして弱い所を保護し、安全に歩けるようにしています。団体競技は他人の動きが把握出来なかったり、感覚過敏で疲れやすかったりするので、個人で楽しめるハイキングや水泳等をしています。
    (ゆきうさぎ 女性30代 三重 当事者)

  • No.3

    私は小学校から高校までとにかく、家庭科と図工で苦しみました。手先が不器用なのと、耳で聞く能力が低い、頭の中でイメージができないためです。とにかく練習と、生活に必要なことさえできればいい、という良い意味での諦めです。あとは恥ずかしがらずに聞く!不器用なんです、と言いながら。これしかないです。みなさん、えー!?と言いながらも優しく教えてくれます。
    (雪ん子 女性40代 神奈川 当事者)

  • No.2

    大学生1年の頃にASDと診断されました。とにかく運動が苦手です。ボールを顔面で受けたり、加減ができなくて色々なものにぶつかったり、学生の頃の体育は地獄でした。当時は運動が嫌いだと思っていましたが、社会人になってからは一人での運動なら楽しいと思えることが判明しました。一人でできるスポーツに挑戦してみようかなと思い始めています。
    (さっちょ 女性20代 北海道 当事者)

  • No.1

    大人になっても派手に転んでばかりいます。階段から落ちたり、不注意で火傷したり手を切ったりで生傷が絶えません。机やドアにもぶつかるし、いつもドタバタして恥ずかしいです。職場のイスからバランスを崩して落ちた時は、周りの人から冷ややかな目線で見られて悲しかったです。
    (アサリ 女性40代 愛知 当事者)

  • No.3

    中3の息子は体育がとてつもなく苦手というか、できません。特にボールを使うスポーツは全くできません。努力してできるならやらせますが、無理なので、息子には諦めて、無理はしなくてよいと伝えて、学校には、ふざけてません、頑張ってもできないんですと伝えてあります。
    (水のすけ 女性50代 長野 当事者の家族・親族)

  • No.2

    小学生の息子は運動が苦手です。紐靴は結べないのでスリッポンやマジックテープ式の靴を使っています。また、ボタンの多い服は避けるようにしています。服の前後ろをほぼ間違えて着るので、手に持つ場所に印を付けて、そこを持って着れば間違えにくいようにも工夫しました。ズボンはウエストがゴムのものメイン、ボタンやファスナーを開閉しないと着脱できないものは避けています。傘はワンタッチ式はバネがあり、閉じるのに力がいるので、ただ上げ下ろしだけで開閉できるものに。ランドセルの給食袋を下げたりするフック(小さくて固い)がうまく使えないので、アウトドアなどで見かけるO形みたいなフックをそこに取り付けました。
    (やっこママ 女性40代 東京都 当事者の家族・親族)

  • No.1

    8歳の娘です。エスカレーターの乗り降りのタイミングがうまくつかめずに、いつも必ず手を繋いで大騒ぎです。階段もゆっくりでないと降りられません。最近は漢字ドリルの書き写しが難しくなってきました。親からみるときれいに書けているのに本人は納得が出来ず、消し始めると上手に消せずにイライラして泣き始めノートをやぶります。そんなときは「もう今日はしなくていいよ」と言ってあげるようにしています。
    (不思議ちゃんのママ 女性9歳以下 大阪府 当事者の家族・親族)